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Fリーグ2014/2015第16節……チャンスを逃した代償。浦安がホームですみだに手痛い敗戦

2014.10.23

アウェイに乗り込んだフウガドールすみだがバルドラール浦安を破り連勝を飾った [写真]=本田好伸

141022_F16_SK01 22日、Fリーグ2014/2015 powered by inゼリー第16節が行われ、バルドラール浦安がフウガドールすみだとホームで対戦。勝てば首位の名古屋と勝ち点で並ぶ3位の浦安は、チャンスを作りながらもペースをつかみ切れず、1-3で手痛い敗戦を喫した。

 自分たちが主導権を握っている時間帯でゴールを奪えずにいると、試合のペースを相手に譲ってしまうという、まさにそんな内容だった。浦安は今シーズン、すみだとの対戦成績を2戦2勝とし、勝利への明確な道筋を描けていた。序盤に攻勢を仕掛けて先制点を奪い、追加点を狙いながらも、がむしゃらに挑んでくる相手の猛攻を耐えしのぐという、そんなシナリオだったのだが……。

 序盤は狙い通りに相手を押し込んでいた浦安。相手にチャンスを与えず、すみだの須賀雄大監督がわずか3分の時点でタイムアウトを取ったほどだった。しかし浦安は、何度か訪れた決定機でゴールを決められない。一方、タイムアウトで仕切り直したすみだは徐々に“らしさ”を取り戻し、攻守に躍動し始めていた。すると7分、浦安の自陣でのパスをカットした田口元気がそのままゴールネットに突き刺し、すみだが先制点を挙げる。前半はその1点にとどまったが、点を奪い損ねた浦安と息を吹き返したすみだとの勢いの差は色濃くピッチに反映されていた。

「試合前にシュミレーションをした中で、負けるとしたらこういう試合だと思っていた通りになってしまった。序盤で押し込めるのは分かっていたし、早い段階で点を奪えれば、その後に試合が膠着したとしても耐えられると踏んでいた。ただ(この試合のように)最初にイージーなミスから失点してしまうとこうなる」(米川正夫監督)

 31分には左サイドを駆け上がった杉尾浩平からのパスをゴール正面の金川武司が決めてすみだが2点差とし、試合の行方はほぼ決定したかのように思われた。しかし、ゲームのハイライトはこの先にあった。

 0-2で迎えた32分、浦安の荒牧太郎が2枚目の警告を受けて退場。退場者が出た場合、相手チームにゴールが生まれるか2分が経過するまでは1人少ない状態で戦わなければならない。すると浦安は、この常に数的不利な中で33分に完山徹一も2枚目の警告で退場、GKも含め3人対5人という極めて稀な状況が生まれていた。浦安はこの大崩れしてしまいかねないピンチをGK藤原潤と2人のDFが体を張って守り抜き、ゴールを許さないまま5人対5人に戻ると、スタンドからはホームチームの勇姿を讃える声援が巻き起こっていた。

 すかさずタイムアウトを取った浦安は、GKをフィールドプレーヤーの選手と交替したパワープレーで反撃を試みると、最初の失点に絡んだ中島孝がゴールを奪取。この追撃弾に会場は俄然、浦安を後押しする空気に包まれていた。そんな中、両者ともに次の1点を奪うための攻勢を強めていくが38分、ゴールはすみだに生まれた。左サイドを抜け出した杉尾から中央でフリーの田村佳翔にパスが渡り、すみだが勝負を決定付けるゴールを奪うと、そのまま逃げ切ったすみだが1-3でアウェイでの勝利をつかみ取った。

「立ち上がりから自分たちがやりたいフットサルができなかったし、浦安の強さには敬意を抱いている。ただ振り返ってみると、前半で流れが変わったところが試合全般の流れを決めたのかもしれない」(須賀監督)。平日開催にも関わらず多くのファンが詰め掛け、その観衆を大いに沸かせた試合だったが、須賀監督が語ったように、勝敗を分けたポイントは決めるべき時に決められたかどうかという、単純明快なものだった。

Fリーグ2014/2015 powered by inゼリー 第16節
開催日:2014年10月22日
会場:浦安市総合体育館/千葉県

[試合結果]
19:00 バルドラール浦安 1-3 フウガドールすみだ

写真・文◆本田好伸

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