2018.02.21

【インタビュー】山田理一郎「“こだわり”がある人こそ、『サカつく』は楽しい」【前編】

[写真]=野口岳彦
サッカーゲーム情報誌

 多くのサッカーファンを虜にしてきた『サカつく』シリーズの最新作、『プロサッカークラブをつくろう! ロード・トゥ・ワールド』が2018年春にスマートフォン向けアプリとしてリリースされる。自らが『サカつく』のファンであり、重度のサッカーオタクだというプロデューサーの山田理一郎氏にその魅力を聞いた。

インタビュー・文=関口剛
写真=野口岳彦、Getty Images

「自分でやるしかないな」っていう気持ちがありました

──昨年11月、『プロサッカークラブをつくろう! ロード・トゥ・ワールド』が今年の春に配信されることが発表されました。“正統派”の『サカつく』が初めてアプリとして登場することになりますが、開発に至った経緯をお聞かせください。
この会社に入社する時に「どんなゲームが好きですか?」って聞かれたんですけど、僕は「『サカつく』と『女神転生』」って答えるくらい『サカつく』が好きだったんです。それで、『サカつく3』(2003年/PS2)から開発に関わるようになって、『サカつく6』(2009年/PSP)や『サカつく7』(2011年/PSP)にはプロデューサーという立場で関わりました。そのあたりからコンシューマー(据え置き型ゲーム機)で『サカつく』をプレイすることへのハードルが高くなってきたんですね。

──ハードルが高くなった?
『サカつく』のメインユーザーはJリーグ世代の方なんです。そのJリーグ世代の方っていうのはもう「お父さん」になっていて、家でテレビを占拠してゲームができるかというと、難しい。『サカつく6』や『サカつく7』の頃はまだスマートフォンが普及していなかったので、PSPという携帯ゲーム機でナンバリングタイトルを出したんです。その頃から、「いずれスマホが『サカつく』のプラットフォームになるだろう」という思いは抱いていました。

――機が熟したタイミングが今年だった、と。
そうですね。ただ、僕自身は『サカつく7』以降、『サカつく』の開発から離れていました。スマホでも『サカつくシュート!』は出ていたんですけれども、サカつくのナンバリングタイトルとは違うゲームだったので。 そんな中で「誰か『サカつく』のスマホ版を出してくれないかな」って思っていたんですけど、誰もやってくれない。だから、「じゃあ僕がやります」っていう感じですね(笑)。ちょっと生意気に聞こえるかもしれませんが、「自分でやるしかないな」っていう気持ちもありました。それくらい『サカつく』シリーズに関わった時間も長いし、思い入れも強い。自分の年齢がターゲットとも重なりますし、『サカつく』ならではの面白さというか、「ツボ」や「勘どころ」っていうのを分かった上で開発できるのは僕なのかな、って。

少し話が脱線しますが、『サカつく』ファンだったということは、つまり山田さんはサッカー好きだということですよね?
サンフレッチェ広島のサポーターです。去年はなかなか行けなかったんですけど、スタジアムにもなるべく足を運ぶようにしています。それこそ子供を連れて行ったりもしますね。僕が広島を応援し始めた頃と比べると、今はスタジアムがすごく盛り上がっているし、どこに行ってもゴール裏は満員みたいな状況だし、すごく感慨深いです。昔はスタジアムもガラガラで、おばさんがしゃもじを叩いてる、みたいなこともありましたから(笑)。

──ご出身が広島なんですか?
全然違います(笑)。久保(竜彦)選手が好きだったんですよ。大学生の頃の僕はJリーグではなく海外サッカーばかりを見ていた、いわゆる“海外厨”だったんですけど(笑)、たまたまNHKで放送していたJリーグの試合に久保選手が出ていたんですね。で、「めちゃくちゃなやつがいるな」って(笑)。

久保竜彦

数々のJクラブや日本代表でも活躍した久保氏 [写真]=Getty Images

──めちゃくちゃなやつ(笑)。
(横浜F・)マリノスに行ってからの久保とか、日本代表にいるときの久保とは違って、広島にいたときは本当にむちゃくちゃだったんですよ。毎試合のようにイエローカードをもらうし、プレー的にも無理やり左足に持ち替えてシュートを打ったり、何をするのか分からない。それで広島の試合を見るようになったんです。「あいつ、今日はどんなことをするんだろう」って。それで広島を好きになって、久保選手がいなくなっても変わらず好きでいます。

──ご出身はどちらなんですか?
生まれは三重で、横浜育ちです。

──それでもマリノスのファンにはならなかった?
横浜って少し地元意識が低い地域なんですよ。あとは、僕が都会的なクラブが好きじゃないんです。鹿島(アントラーズ)はいいですよね。最高だと思います。(川崎)フロンターレも割りと愛着があります。でも、基本的にマリノスってスマートじゃないですか。うまい選手とか点を取る選手はいくらでもいるけど、久保選手のようによく分からないプレーをする選手はいない。久保選手の「いつ完成するんだろう、この選手は」みたいな、“教育されていない感”はすごいと思いますよ。

──枠にハマらない感じ。
そうです。トルシエジャパンの頃から、日本のFWはポストプレーで収まるし、テクニックもあって、トータルで“いい選手”ですよね。でも、久保選手はポストプレーは下手くそだったし、後ろ向きでは役に立たない。だけど、前を向くとめちゃくちゃ強い。エリア内に入ったら止められないし、シュートレンジに入ったら誰もが怖さを感じる選手でした。日本では見たことのない意外性があるタイプのFWでしたよね。

──もともと海外サッカー好きだったけど、一人の選手の衝撃がきっかけでJリーグクラブのサポーターに、っていう流れは珍しいかもしれませんね。
当時はそもそも海外サッカーを見ている人自体が少なかったですからね。インターネットもないし、スカパー!もなくて、WOWOWかテレビ東京の深夜帯でしか海外サッカーに触れられなかった。そういう意味では、相当オタクだったんだと思います。

──贔屓にしている海外クラブはあるんですか?
昔からスペインが好きで、(ヨハン)クライフのバルセロナがすごかったのもあって、どこかと言われればバルセロナですね。(ジョゼップ)グアルディオラ時代のバルセロナはスーパーすぎて可愛げがない。いいサッカーをして、かつ強い。でも、クライフのバルセロナは、すごいんだけど、決勝戦で4-0で負ける、みたいな。そういう振れ幅があるところが良かったんですよね。尖ったところが好きなのかもしれないです。パスをつないで“いいサッカー”をするけど負ける、みたいなほうが好きです。パスをつないで“いいサッカー”をして勝つ、って何なの?って思いますもん(笑)。

──(笑)。ロマンチックな選手やチームが好きなんですね。すみません。脱線が過ぎてしまったので、そろそろ『サカつく』の話に戻りたいと思います。(後編へ続く)

プロサッカークラブをつくろう! ロード・トゥ・ワールド

対応機種:iOS/Android
価格:無料(アプリ内課金あり)
ジャンル:シミュレーション/スポーツ
メーカー:セガゲームス
公式サイト:http://sakatsuku-rtw.sega.com
配信日:2018年春


インタビュー後編はこちら!

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