2012.11.14

内田篤人の観察眼…ウッチーが語る『日本代表メンバーの素顔』

サムライサッカーキング Nov.2012 掲載]

企画の趣旨を伝えると「いいですね!」とテンションが上がった。「人を見る目には自信がありますよ」と語る内田篤人がお届けするちょっと変わった『日本代表メンバー紹介』をお楽しみください。

Interview by Yusuke ASANO (@asasukeno ) Photo by Shin-ichiro KANEKO, Masashi ADACHI

取りあえず、永嗣さんとか、長谷部さんとかがさっさと結婚してくれないと


■川島永嗣

永嗣さんは、みんなのお兄ちゃん的な存在。長谷部さんとよくつるんでチームのことを話し合っています。「こうしたほうがいいんじゃないか」とか。そのやり取りに、(吉田)麻也とか僕が小耳を立てている感じですね。「なるほど、こうしたほうがいいんだな」とか「こういう雰囲気作りをしていったほうがいいのかな」みたいな。僕らのような下(の世代)が、一応協力しないとな、と(笑)。

■吉田麻也
麻也は(ロンドン)オリンピックでも活躍したし、移籍もしたし、そして結婚もしたし、今、一番キテるんじゃないですか。それは、(VVV)フェンロで腐らずに、ケガをしても、しっかりやっていたからだと思います。僕は近くで見ていましたけど、勝てない試合の中でも、あいつは我慢しながらやっていたから。それで、オリンピックみたいなでかい舞台で、たくさん人が入るスタジアムで、いい仲間を引き連れてやっている姿は本当に楽しそうでしたね。

■長友佑都
すごく印象に残っているのが、(北京)オリンピックの時。初めて一緒に合宿をしたんですけど、長友さんはその時、大学生で、ポジショニングとかめちゃくちゃなんですよ。僕がサイドに行ったら、中絞んないで(マークに)行っちゃうし。「あれ、この人大丈夫なのかな」って(笑)。それは、すごく覚えてます。「ああ、この人、人につけばいいと思っているんだな。バスケットか!」って(笑)。ただ、後で聞いたら、それはみんな思っていたらしくて。「長友さんさあ」みたいな(笑)。でも、そこからインテルまで上がっていくって、どれだけ自分で吸収しようとして頑張ってきたのかとか、本当にすごいですよね。それから、実は、長友さんって、けっこう目立ちたがり屋です。たぶん、歓声を受けることに浸っている。わざと外に出たがりますね、あの人は。たぶん、大学上がりで遅かったから、今ちょっとこう、キテるんだと思います(笑)。

■長谷部誠
なんだろう……普通のこと言ってもつまんないですからね、こういうの。できれば、裏話のほうがいいですよね……まあ、でも、真面目ですよね、やっぱり。ただ、オフとか、はじけようとするんですよ、長谷部さん。頑張って遊ぼうとするんですけど、結局、終わってみれば電話しても来ないし、一緒に飲みに行っても途中で「じゃあ」って感じでお金だけ置いて帰るみたいな。「もう一皮破れよ!」って思うんですよね、遊びに関しては(笑)。「だから彼女できねえんだよ!」って(笑)。取りあえず、永嗣さんとか、長谷部さんとかがさっさと結婚してくれないと、若手の僕らはね。「上がいますし、なかなか」って感じになりますから(笑)。

本田さんは誰にでも平等、岡ちゃんは長谷部さんより真面目


■本田圭佑

たぶん、外から見ている人たちの印象では、王様っぽいイメージがあると思いますけど、本田さんは誰にでも平等ですね。僕らの意見も聞いてくれるし。自分の意見をはっきり言うけど、僕ら後ろの選手の意見もちゃんと聞いてくれます。本田さんを見ていると、「やっぱり、この人は誰よりも勝ちたいんだな」って思いますね。一番、貪欲です。ああいう人が一人いると、僕らもちょっとサボれないなって感じ。今は代表の立ち位置でもいいんじゃないかと思います。やっぱり、特に前の選手、攻撃の選手が「先輩がいるからちょっと自重する」とか、そういうのはなしだと思いますし。本田さんは自分を持っているし、先輩の長谷部さんとかヤットさん(遠藤保仁)がいても、ガツガツやっています。海外では普通なんですけど、日本にいなかったタイプじゃないですか、本田さんは。

■遠藤保仁
ヤットさんは、紅白戦とかハーフコートのゲームの時に相手チームにいると、すごく嫌な選手です(苦笑)。味方だと心強いけど、相手に回すと一番嫌。例えば、じゃんけんで勝ったほうから選手を選んでチーム分けをするとしたら、最初にヤットさんを取りますね。あの人は「何でも屋」だから。

■細貝萌
潰しに関しては代表でもレベルはトップだと思います。寄せも速いし、読みも鋭いし。レヴァークーゼンに移って更に磨かれそうですね。あと、奥さんがキレイです。(それは潰しですか?)違いますね(笑)。

■岡崎慎司
岡ちゃんは、真面目。長谷部さんより真面目かなって思います。とにかく、サッカーに対して一直線。「なんで俺、アカンねん」とか、「もっとこうしたらええんちゃうか」みたいなのものがすごく伝わってきます。同じ右サイドで組むので、「ここに出したらオカちゃん疲れちゃうだろうな」と思ったりしますけど、最近は「走らせときゃ気持ちいいのかも」って考えて出してます(笑)。球際も本当に頑張るじゃないですか。普段、「ここは出してもフィフティ・フィフティだな」って時は、僕、あまり出さないんですよ。でも、岡ちゃんの場合、負けそうなボールを出した時でも頑張るから、見た感じ、疲れていたりすることがあるんですけど、それでも頑張ってやる。攻撃後は必ず戻ってくるし、本当に真面目。いつも後ろから見ていて、「もうちょっとサボっていいのにな」って思ったりもします。

■香川真司
真司は、日本人のプレースタイルの象徴というか、日本人選手の「生きていく道」ですね。ちっちゃいけど、技術、センスで勝つ。ある程度サッカーを続けてくると、あそこのポジションをやれる人って限られてくるじゃないですか。僕みたいな選手は絶対無理ですし。真司のような攻撃的な10番のポジションの選手って、僕らが想像できない、イメージできない視点なのかなと思います。ボールをもらう時も簡単に前を向くし、いつも本当にいい位置にいるし。上から見ていたら分かると思いますけど、ピッチレベルの目線で見た時に、どういうイメージで見ているのかなっていうのは、僕だと分からないですね。

日本代表メンバーらが語る内田篤人の印象は「完璧で、器用で、人懐っこい」!?

独特の視点から日本代表メンバーを紹介してくれた内田。では、逆に内田のことを日本代表メンバーはどう感じているのでしょう。代表入りを狙う若手選手から同ポジションのライバル、右サイドでコンビを組むチームメートが内田について話してくれました。

■大津祐樹
ずっとシャルケで出続けている。それが示すように、実力のある選手だなと思います。速いし、頭を使ってプレーしている感じが分かりますね。実はたまに会ったりするんです。(吉田)麻也君と会う時に、麻也君が呼び出していたりするんで。そんで、やっぱりカッコいいっス! 顔が。だってめっちゃイケメンじゃないですか! それに会う前の印象とまるで変わらないんですよ。優しそうだなと思っていたら、実際に優しいし。カッコいいなと思ったら、やっぱりカッコいいし。サッカーも上手そうと思っていたら、本当に上手い。サッカーもプライベートも完璧な人っていう印象ですね。

■酒井宏樹
内田さんは、良い意味で抜くところは抜いて、体力を残しておいて、攻撃に出る時や勝負を仕掛ける時には一気に出ていけます。それに初対面の選手とでも問題なく連係を取れるので、トータルすると“器用な選手”という印象です。ポジショニングの良さもそうです。見ていて勉強になります。他にも、球際は激しいし、戦える。メンタルも強いので周囲の言葉にも全く動じません。さすが、ドイツで長くプレーしている選手です。日本代表自体、選手同士が競ってお互いを高め合う場なのですが、内田さんからはそういったみんなと競争して高めていこうという意識が感じられますね。

■岡崎慎司
内田篤人のキャラは、何というか、そんな「イケメンキャラ」と言われるほどのものじゃないですね。本当に、普通の青年。でも、人懐っこくて、誰からも好かれるような性格をしているなと思います。ピッチの上、プレー面では、特に右サイドで一緒にやっていて、自分の状況を常に分かってくれている。俺が困っているなと思ったら、すぐに後ろにサポートに来てくれるし、自分が裏に抜けたい時には、いいタイミングで裏のスペースに出してくれる。代表でのプレーにおいて、それはすごく助かっていますね。ただ、みんなが言うほど、あいつはクールな奴じゃないですよ(笑)。