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ベトナム1部トヨタVリーグ開幕直前!2016シーズンの展望

2016.02.17

トヨタ自動車がメインスポンサーとなって2年目のシーズンとなるトヨタVリーグ2016が2月20日(土)に開幕する。昨季は、「ベトナムのチェルシー」と呼ばれ、ベトナム代表クラスをズラリと揃えたベカメックス・ビンズオンが安定した強さでリーグ2連覇を果たした。ビンズオンは3連覇を阻止するチームは現れるのだろうか?今回は優勝争いをするであろうチームを中心に今オフの動きを見ていく。

・3連覇を狙う王者ビンズオン

補強診断:C+ 戦力診断:A+

史上初のVリーグ3連覇を狙うビンズオンは、毎年のように大型補強を行って移籍市場を賑わせてきたが、今オフには大きな動きが見られなかった。たしかに選手層の厚さは国内屈指で、死角はないように見えるが、不安な要素もいくつかある。一つは、ややチームの高齢化が進んでおり、AFCチャンピオンズリーグ(ACL)との掛け持ちが上手く出来るかということ。

二つ目は、2年連続でリーグ最優秀外国人選手に選ばれたセネガル人FWアッバス・シェイフ・ディエンの怪我による長期離脱。この穴を埋めるべく、カメルーン人のエンシ・アムグとオランダ人FWウィリアン・プライムを獲得したが、前者はベトナムで長くプレーしているものの、決定力にはいささか疑問が残り、後者は来季がベトナム初シーズンとなるため、うまく機能するかは未知数。

三つ目は昨季までチームを指揮してきた経験豊富なテクニカルディレクター(TD)を失ったこと。昨季前期までは、抜群の実績とカリスマ性を誇るレ・トゥイ・ハイ氏、後期はマイ・ドゥック・チュン氏(現ベトナム女子代表監督)という老将がTDを務めてきたが、新たにTDに就任したダン・チャン・チン氏とグエン・ミン・ソン監督が個性の強いタレント集団を上手くまとめることが出来るのかが3連覇のカギとなるだろう。

・逆襲を誓うシルバーコレクター“ハノイT&T”

補強診断:B- 戦力診断:A

昨季最も悔しい思いをしたのは、間違いなくハノイT&Tだろう。リーグ、カップ、スーパーカップ、いずれもビンズオンの後塵を拝する形で準優勝に終わっている。戦力だけ見れば、現役のA代表やU-23代表の選手も多く、十分に優勝を狙える面子が揃っており、特に攻撃陣の豪華さはリーグ屈指。

新外国人選手としては、元パリ・サンジェルマンのFWロリス・アルノーを獲得。昨季はFWホアン・ブー・サムソンとFWゴンザロ・マロンクレの元リーグ得点王コンビが不動の2トップを組んだが、今季は選択肢が一層広がった。外国人ながら主将を任されるゴンザロは、その長身を活かしてCBとしてもプレー可能なため、今季は超攻撃的なディフェンダーとしての顔を見せてくれるかもしれない。

穴があるとすれば、やはり守備陣だろう。プレシーズンマッチでは、本来攻撃的な選手たちをサイドバックやセンターバックで試していたが、これは守備の専門家が手薄であるからとも言える。開幕後の状況によっては、ハノイFCにレンタルしたU-23代表DFグエン・ナム・アインとDFグエン・バン・ズンを呼び戻すことも考えられる。

また、かつてベトナム代表を率いたこともあるファン・タイン・フイ監督が開幕直前になって家庭の事情で電撃辞任。後任には、U-21チームの監督であるファム・ミン・ドゥック氏が監督代行に就任したが、歴戦の名将を失った穴は相当大きい。

・悲願のリーグ初制覇を狙うFLCタインホア、大型補強でオフシーズンの主役に

補強診断:A+ 戦力診断:A

昨季途中に親会社が変わったタインホアは、今オフにベトナム代表やU-23代表の招集歴があるMFゴー・ホアン・ティン、DFマイ・ティエン・タイン、DFチャン・ディン・ドン、DFグエン・バン・ビエン、GKグエン・タイン・トゥアンらを獲得。大幅な戦力アップに成功した。

また、オランダ出身のCBダニー・ファン・バケルが帰化したことで空いた外国人枠には、元スロベニア代表FWイバン・フィレルを補強。そして、最大の補強とも言えるのが名将レ・トゥイ・ハイ氏のテクニカルディレクター就任だろう。

このような大型補強が実現可能となったのは、親会社のFLCグループの存在が大きい。同グループは、タインホア省でゴルフ場や高級住宅地区、リゾート地区の建設など大規模な不動産開発案件を展開しているベトナムの不動産開発大手。FLCの名を冠して初開催したプレシーズン大会「FLCカップ」では、新戦力の活躍もあり、安定した強さで優勝している。

過去2シーズンはリーグ3位に終わったタインホアだが、悲願のVリーグ初優勝に向けて、まさに盤石の布陣が出来上がった。もはや彼らをダークホースと呼ぶ者はいないだろう。

・国内一の熱狂的サポーターを持つ「蒼き炎」タンクアンニン

補強診断:B 戦力診断:B+

2014シーズンにVリーグ初昇格して以降、6位、4位と着実に結果を残している。熱狂的なサポーターを持つことで知られ、1試合の平均観客動員数は1万人超で2年連続のリーグトップ。今オフにはベトナム代表DFグエン・タイン・ヒエンを完全移籍で獲得したほか、U-19代表の主力級7人をPVFからレンタルで獲得。FWマック・ホン・クアンやMFブー・ミン・トゥアンなどベトナム代表に名を連ねる実力者も多く、今季も上位進出が予想される。なお、開幕直前には、前ベトナム代表監督の三浦俊也氏のテクニカルディレクター招聘を狙ったが、これは残念ながら実現しなかった。

・復権を狙う強豪SHBダナン

補強診断:C+ 戦力診断:B+

昨季は開幕ダッシュで失敗し、最後まで調子が上がることなく、9位でフィニッシュして、ファンとサポーターを大いに失望させた。

しかし、今オフには、Vリーグ得点王3度の実績を誇るクラブ史上最高の外国人FWガストン・メルローが怪我から復帰。さらに、HAGLからMF レ・ホアン・ティエン、ロンアンからMFグエン・タイン・ハイ、PVFからU-19代表のエース、MFファム・チョン・ホアなどの実力者を獲得して、戦力補強した。

U-23代表でもレギュラー格だった自慢の両翼ボー・フイ・トアンとホー・ゴック・タンが開幕に間に合わず、前期シーズンの選手登録から漏れたことは大きな痛手だが、目標とする3位は十分に狙える戦力を持っている。

・日本人MF井手口獲得も戦力流出のHAGLは残留が目標

補強診断:C+ 戦力診断:C-

「サムライフットボールチャレンジ」とは、
アジアのサッカークラブや事業者の”中の人”になって、本物のサポーターやスポンサーを相手にリアルな運営を体験し、楽しみながら学ぶ&自分を磨く海外研修プログラムです。ビジネスでも大注目のアジア新興国は、チャンスも無限大。何を成し遂げるかはあなた次第!日本にいては絶対得られない体験をこれでもか!と積重なてもらいます。経験・年齢・性別・語学力不問です。
http://samurai-fc.asia/

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By アジアサッカー研究所

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