2016.01.17

いわきFCスカウトの元Jリーガー「いわきの方々に愛されるチームを作る」

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iwaki

 2015年12月に誕生した「いわきFC」。運営会社の株式会社いわきスポーツクラブの代表取締役には湘南ベルマーレの前社長である大倉智氏が、いわきFCの監督には元オランダ代表のピーター・ハウストラ氏がそれぞれ就任した。「日本のフィジカルスタンダードを変える」との意気込みを持ち、福島県2部リーグからスタートを切るべく、まずは2016年1月23日にコンバイン(トライアウト)を実施。元Jリーガーでスカウトを務める田村雄三氏と平松大志氏にクラブの方針や求める人材を聞いた。

インタビュー=安田勇斗 写真=山口剛生(Agence SHOT)

攻撃的で感動を与えるサッカーを展開して地元に根付かせていく

――お2人のチームでの役割を教えてください。

田村 僕らはともにチームの編成とスカウトを担当します。2人で全国を回っていわきFCにふさわしい選手をスカウティングし、チームを編成していく役割を担っています。

――具体的にどうやって動いていくのでしょうか?

田村 高校生や大学生を始め、Jリーグなどからも自分たちの人脈を活かして探していきたいと思っています。その中で、ホームタウンが福島なので、特に東北には力を入れていくつもりです。スカウト以外だけでなく何でもやると思いますよ(笑)。積極的にスクールも行っていくので、自分たちのJリーグでの経験もフル活用してコーチやアシスタントを務めたりする予定です。本当にゼロからのスタートなのでとてもやりがいを感じています。

――いわき市には何らか過去に関わった個人的なご縁もあるのですか?

田村 湘南ベルマーレを引退した翌年に東日本大震災が起こって、ベルマーレのスタッフとして5、6回、被災地に行きました。子供たちにサッカーを教えに行ったり、炊きだしをしたり。いわき市の小名浜にも行ったので縁を感じますね。

平松 母親が福島県の出身で何度か行ったこともあるので、いわきFCに関われるのはうれしいですね。

――そのいわきFCを、どういうクラブに成長させたいと思っていますか?

田村 まずはいわきFCの活動を通じて東日本大震災からの復興、さらには成長させることを目指しています。僕自身、スポーツの力は計り知れないと思っています。街を発展させていくこともそうですが、さらに子供たちの教育や発育の手助けもできればと思っています。

平松 いわきの方々に愛されるチームを作っていきたいです。以前イングランドのプレミアリーグの試合を見た時、日本よりもっと強くクラブやサポーターから「地域の誇り」を感じたんです。日本代表に対してはそういう思いを感じることはあるんですが、クラブに対しての意識はまだ低いと思います。いわき出身の子供たちがいわきFCに愛着を持ち、「いわきFCの選手になりたい」と思ってもらえるような、攻撃的で魅力的なサッカーを見せるチーム、クラブを作っていきたいですね。

――いわきFCが目指しているクラブや、参考にしているクラブはあるのですか?

平松 育成面ではアヤックスが一つの参考になるかなと思っています。昨年12月にいわきFCの運営会社の社長である大倉と一緒にクラブを訪問させていただいたのですが、アカデミーへの投資がすごいなと。その様子を間近で見て衝撃を受けましたし、この育成方針をいわきFCにも採り入れていこうと思っています。

――1月23日にいわき市内でコンバイン(トライアウト)を実施しますが、具体的にどういう内容で行うのでしょうか?

田村 普通のトライアウトとはちょっと違います。通常ならミニゲームをして、フルコートで試合して、という流れですが、今回のコンバインではフィジカルテストも採り入れます。いわきFCは「フィジカルスタンダードを変える」というビジョンも掲げています。僕らはサッカーの技術だけでなく、サッカーに必要なフィジカルがどれだけあるかも重要視しています。ですので、ゲームや何種目かのフィジカルテストも実施して、総合的に判断していきたいと思っています。

――「フィジカルスタンダードを変えていく」とは、どういった点を変えていこうとしているのでしょうか?

田村 全体的にレベルアップが必要だと思いますが、まずはそれがどんなものかを理解する必要があるでしょうね。例えば、センターバックの選手は空中戦で勝つために背が高い方がいい、という考え方があります。ですが、実際に見るべきはジャンプの最高到達点や体の強さなんです。見た目の能力ではなく、フィジカル面の能力を見極められるかが重要ですし、そういった点を踏まえて変えていかなければいけないと思っています。

平松 僕は現役時代、サッカーの能力が高くなかったので、自分なりにフィジカルを鍛えて何とかJ1の舞台にたどり着くことができました。僕よりも才能のある選手はたくさん見てきましたけど、そういうトレーニングをやるかやらないかは大きいと思います。サプリメントを摂るにしても、どういう効果があるから何を飲めばいいとか、Jリーグでもわかっていない選手は多い。それがもったいないなと。筋肉をつけたら走力が落ちると言う人もいますけど、それは鍛え方次第なんです。そういった点も含めて、フィジカルの重要性をいわきFCを通して発信できたらと思っています。

――アヤックスもフィジカル強化の意識は高かったのですか?

平松 そうですね。アヤックスでは15歳の選手たちが食事や栄養学を学んでいました。それが当たり前になっていて、やらなければ置いていかれるという感じでしたね。実際いくらうまい選手でも、食事面がしっかりしていなければすぐに追い抜かれたり差が付いてしまうんです。だから本当に上に行きたいと思う選手はその年代から気をつけていますし、クラブもそういう環境を整えています。

――長期的なスパンでのクラブ作りを掲げていますが、最初の数年はどう取り組んでいくのでしょうか?

田村 一つひとつ段階を踏んで成長できればと思っています。県リーグから東北リーグ、JFL、Jリーグへと続いていく中で、元Jリーガーを集めてチームを作れば一気に上を目指せると思います。でもそれは、いわきFCのクラブビジョンに沿うものではありません。いわきを始めとした東北の選手を大切にしつつ、フィジカルのレベルを高め、攻撃的で感動を与えるサッカーを展開して地元に根付かせていくことが目的ですので、結果だけを追い求めることはしません。チームの結果が良くなくても、クラブのビジョンの下、ブレずに一歩ずつ成長できればいいと考えています。10年後にJ1にいても、地元の方々に愛されていなければ意味がない。J3であってもしっかり育てた地元の選手たちがチームの中心となり、地元の多くの方々に応援してもらえる方が、成果が出たと考えます。

平松 僕たちは育成を中心に考えています。そこから育った選手がトップチームで活躍することが一つの目的ですが、その後に引退してスタッフや指導者として戻ってきたり、人材の良いサイクルを作ることも重要ととらえています。その積み重ねでクラブが大きくなっていくことが理想ですね。

――いわき市のにぎわう街、満員のスタジアムなど未来像はイメージしていますか?

田村 そういうクラブを作っていくワクワク感やドキドキ感はあります。2週間に一度、ホームスタジアムに多くのいわき市民が来て、選手たちが躍動して観客を感動させる。そういう空間を作ることが、僕らのモチベーションにもなっています。

平松 ゴールを目指して激しくぶつかり合うチームを作ることができれば、サポーターも増えるはずです。今のJリーグにそういうチームはほとんどないですし、それをいわきFCができれば、きっと多くの人に面白いと思ってもらえる。1度見たらもう1度見たいと思わせる試合をして、継続的に足を運んでくれるサポーターが増えて、毎試合スタジアムが満員になる。そういうイメージはできています。

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