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アニオタに『スポーツ事業マネジメントの基礎知識』のプロモーションを相談してみた件

2015.11.16

金森喜久男著『スポーツ事業マネジメントの基礎知識』は名著である。読めば明らかだが、問題は、どうやって多くの人に読んでもらうかである。MCタツは思案の末、「サッカーに詳しくない人のサンプル」として、とあるアニメオタクをゲッツすることにした。

タツ 金森喜久男著『スポーツ事業マネジメントの基礎知識』のプロモーションに関する打ち合わせをしたいと思います。今年は「アニ×サカ」も話題になったので、サッカー以外の視点も取り入れられればと思い、打ち合わせに参加してもらいました。

渡辺 かしこまっ! 有料メルマガ評論家の渡辺文重です。実は私は、アニメオタクです。金森喜久男著『スポーツ事業マネジメントの基礎知識』のプロモーションに、アニオタとして参加します。イゴッよろしく!

タツ ……よく分からないですが、よろしくお願いします。金森喜久男著『スポーツ事業マネジメントの基礎知識』は、読んでいただけましたか?

渡辺 「本は読んどけ」ということで、アニメ・声優イベントの合間を縫って読みました。

タツ (ちょっと不安だな)それでは、早速、プロモーションの提案をお願いします。

渡辺 『スポーツ事業マネジメントの基礎知識』の著者である金森喜久男さんは、ガンバ大阪の元代表取締役社長ということで、現在公開中の『GAMBA ガンバと仲間たち』とコラボレーションしてはどうでしょうか?

タツ 確かに、著者の金森喜久男さんは、2008年4月にガンバ大阪の代表取締役社長に就任。「お客様の満足」を第一に、万博記念競技場運営の改革、グッズ開発、スポンサー企業との関係に新基軸を展開。アジアサッカー連盟プロクラブ委員会の委員と委員長としてアジアサッカーの発展にも貢献。趣味は映画、読書と麻雀、ゴルフ。無類の映画好きで年間100回は映画館に通うそうですが、さすがに、時間や予算的に厳しくないですか?

渡辺 ぷしゅ~、時間や予算という視点はなかった!

タツ (うわっ、これ以上のアイデアはないって顔している)分かりました。それでは視点を変えて、金森喜久男著『スポーツ事業マネジメントの基礎知識』の感想を聞かせてください。まず、どんな内容でしたか?

渡辺 そうだなぁ……。最初に書かれていたのは「スポーツとは何か?」みたいな、哲学的な話でした。スポーツとは「ルールに基づいて勝利を目指す競技」であり、「科学の進歩がスポーツを進化させる」とか、「スポーツマンが評価される理由」とか……。

タツ 確かに、そういうことは書かれていましたが、そんな話ばかりでしたっけ? ぶっちゃけ、全く面白そうに聞こえなかったのですが。内容は分かっているので、面白そうだと思ったところを挙げてください。

渡辺 そういうことでしたら、やっぱり、スタジアムの話でしょう。G大阪の新スタジアムの話は、とても面白かったです。

タツ 具体的には?

渡辺 キーワードは「顧客創造」。スポーツにおけるマネジメントの神髄は、顧客を呼ぶことではなく、顧客を作り出すことにある、という話です。それが、何のためにスタジアムを建設するのかという話につながって来る。「G大阪は人気チームだから観客がたくさん来る。だから、スタジアムを新しくするんだ」程度にしか考えていなかったのですが、もっと高い次元の話で驚きました。

タツ イングランドサッカー協会が、放映権料で得た莫大な利益をスタジアムの改築・改修に使ったという部分ですね。

渡辺 ヨーロッパの話題で言えば、スタジアム見学ツアーの話も面白かったです。欧州の有名スタジアムを巡ったことが記されているのですが、特に面白かったのが、オールド・トラフォードの話。「ロッカーの設備がホームとアウェイではあまりにも違うが、フェアな行ないではないのか?」と聞いたら……。

タツ 「この人は何を言っているのか?」という表情をされたというエピソードですね。欧州と日本の文化の違いみたいなものをズバッと斬ってくれたと思いましたよ。ただ、こうした切り口だと、サッカー詳しい人に、書評を書いてもらった方がいいような……。

渡辺 いやいや。金森喜久男著『スポーツ事業マネジメントの基礎知識』をサッカーという視点だけで捉えると、もったいないと思うんですよ。

タツ どういうことですか?

渡辺 例えば、サッカーファンは、サッカー専用スタジアムの方が臨場感があるとか、ユース育ちの選手を応援したいとか、そういうことが感覚的に分かっているじゃないですか。

タツ 確かに、口ではうまく説明できないけど、そういう感覚は持っていますね。

渡辺 金森喜久男著『スポーツ事業マネジメントの基礎知識』のすごいところは、なぜ、サッカー専用スタジアムを建設する必要があるのか。そして、ユースから選手を育成する必要があるのか。それを、きちんと説明していることなんですよ。サッカーファンが「サッカー専用スタジアムを建てたい」とか「育成が大事」と力説しても、サッカーファン以外からすれば、正直、「そりゃ、そうだろう」程度にしか思われない。でも、金森喜久男著『スポーツ事業マネジメントの基礎知識』では、その理由が論理的に解説されているから、その必要性が感覚や感情でなく、思考として理解できる。だから、サッカーファン以外にも読んでほしいんですよ。

タツ 具体的には、どうすれば?

渡辺 やっぱり、キーワードは「顧客創造」。この部分を掘り下げれば、サッカーに興味がないビジネスマンが読んでも、興味を持ってもらえそうな気がします。実際、『スポーツ事業マネジメントの基礎知識』というタイトルからして、ビジネスマンをターゲットにしていることは間違いないでしょう。

タツ 例えば、どこら辺を取り上げます?

渡辺 スタジアムを建設するとか、ユースを育成するという話は、サッカーファンには興味深い話ですが、それ以外の人には、やや取っつきにくい感じがするので……。「自障壁ガラパコス症候群」の話が面白いと思います。

タツ それって、何の話でしたっけ?

渡辺 万博記念競技場の名物となった「美味G(おいじい)横丁」の話です。

タツ あぁ、コンビニ袋を手に来場する観客が多かったから、飲食物を充実させたというエピソードですね。でも「自障壁ガラパコス症候群」というキーワードは、何でしたっけ?

渡辺 いわゆる「スタジアムグルメ」を改善しようとした時、最初は「スタジアム指定管理者でないG大阪には対応できない」と考えていたけど、スタジアムに話を持って行ったら、二つ返事で「OK」だった。

タツ スタジアム外のエリアを使用するのは問題なかったという話ですね。

渡辺 そう。スタジアム指定管理者でないから……とか、勝手に自分たちで限界を作って、動きを止めてしまう。それを指して「自障壁ガラパコス症候群」。これは、官庁や一部の大企業にも見られることなので、サッカーに興味がないビジネスマンが読んでも、ためになる。

タツ 自分に限界を作らないとかは、よく言われていることだけど、具体例を示してくれると、分かりやすい。なるほど。そうなると、アニメとか関係なく、ビジネス書籍に詳しい人に書評をお願いした方が良いかもしれませんね。

渡辺 いや、それは困ります。そうだ! こんなアイデアはどうでしょうか? i☆Ris(アイリス)という声優アイドルグループがいるのですが、いままさに「キターッ!」という感じで、大人気なんですよ。彼女たちのCDシングルと書籍をセットにしてプレゼントするというのは、どうでしょう。 イベント参加券が欲しく、めちゃくちゃCDを予約しちゃったんですよ。

タツ 細かい指摘で申し訳ないのですが、G大阪のスポンサーはロート製薬。「アイリス」も「キターッ!」も、別の製薬会社の目薬ですよね。

渡辺 スポンサーという視点は全くなかった!

タツ 『スポーツ事業マネジメントの基礎知識』の著者・金森喜久男さんは、パナソニック株式会社の出身ですから関係ないとも言えますが、CDをたくさん予約したからって、完全に渡辺さんだけの都合ですよね。

渡辺 さすがに無理がありましたか。今回は、会話の端々にアニメネタを詰め込めたので、それだけで満足とします。

タツ 正直、アニメのネタが全く分からないので、不安なんですよね。

渡辺文重
1973年生まれ。福岡県北九州市出身。有料メルマガを1カ月3~4万円分購読して、その中から「注目!」に値するタイトルを紹介する有料メルマガ評論家。メールボックスに届く有料メルマガは、1週間で約100通となっている。ちなみに、アニメの視聴時間は深夜アニメを中心に1週間平均1500分。2015年秋アニメのお勧めは『落第騎士の英雄譚』。

By サッカーキング編集部

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