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Vリーグ2015総括。王者ビンズオンがV2、黄金世代HAGLは苦しみながら残留

2015.10.01

トヨタ自動車が冠スポンサーとなって最初のシーズンであるVリーグ2015は、9月20日に最終節が行われて全日程が終了した。王者ベカメックス・ビンズオンの2連覇、黄金世代のプロデビュー、昇格組のサンナ・カインホアの躍進、最終節までもつれ込んだ残留争いなど、見所の多かった今シーズンを振り返る。

「ベトナムの銀河系集団」前評判通りの強さでV2達成!

豊富な資金力を武器に他チームのスターを獲得してきたベカメックス・ビンズオンは開幕前、「ベトナムの英雄」レ・コン・ビンを獲得。盤石の布陣で連覇に臨んだ。怪我人が多いシーズンだったが、選手層が厚いため、大きく崩れることもなく、首位を快走。シーズン途中で、名将レ・トゥイ・ハイSD(スポーツディレクター)が健康上の理由で勇退したが、後を引き継いだマイ・ドゥック・チュンSDの求心力のもと、スター集団が一丸となって連覇を達成した。

4度目の優勝を2007・2008シーズン以来となる2連覇で達成したビンズオンは今季、シーズン歴代最多勝利(16勝)、シーズン歴代最多得点(57点)、シーズン最多得失点差(24点)など様々な偉業を達成。因みに、平均年齢28.4歳は、過去のVリーグ王者の中で最高齢だ。ビンズオンは9月末のカップ戦決勝でも勝利しており、2冠を達成した。

プロの壁にぶち当たった「黄金世代」。苦しみながら残留を勝ち取る。

元U-19ベトナム代表の中心選手だったグエン・コン・フオン、グエン・トゥアン・アイン、ルアン・スアン・チュオンらが今季揃ってトップチームに昇格した。「黄金世代」と称され、非常に期待された彼らのプロデビューシーズンということで、HAGLの試合は観客動員数が急増。Vリーグ全体の観客動員数の実に4分の1を占めるほどだった。

そんな彼らは、開幕戦でサンナ・カインホアに4-2で勝利して幸先の良いスタートを切ったものの、その後、失速。やはり問題となったのは経験不足だった。メンバーの平均年齢は21.7歳とリーグ最年少、チームを率いたギリアム・グレッチェン監督もプロチームを率いるのはこれが初めて。一度歯車が狂った若いチームは、低空飛行を続けて、一時は最下位に転落し、降格の危機に立たされた。

HAGLはシーズン終盤に監督を解任。これに奮起したチームは、その後の大一番をなんとかものにして、6勝13敗6分の勝ち点24(最下位との勝ち点差3)で、かろうじて残留を決めた。シーズンは終了したばかりだが、古株としてチームを支えてきた主力数名が移籍を発表。若手のグエン・コン・フオンらにもJリーグ移籍の話が持ち上がっており、来季のチーム構想は全く見えてこない。

サンナ・カインホアが躍進!昇格組ながら5位と健闘。

SKTカントーやドンタップと共に今季Vリーグに昇格したサンナ・カインホアは、戦力的にも厳しく、苦戦を強いられると予想された。しかし、開幕戦でHAGLに敗れたものの、その後は2度にわたり、ビンズオンを撃破するなど、何度となくジャイアントキリングを演じて、一時は4位にまで順位を上げた。

最終成績でも、12勝8敗6分と勝ち越し。今季のリーグ戦をダークホースとして、大いに盛り上げた。一方、5勝15敗6分で、降格が決まったドンナイは、昨季の八百長発覚もあり、このところ明るい話がまったくない。最終節まで僅かに残留の望みがあったが、この試合でもタンクアンニンに1-4で大敗している。

レ・バン・タンがベトナム人のシーズン歴代最多得点記録更新!

XSKTカントーのレ・バン・タンは今季16ゴールで、ベトナム人得点王に輝いた。これは、2009年のレ・コン・ビン(14ゴール)を抜くベトナム人のシーズン歴代最多得点。カントーのような弱小クラブでのゴール量産とあり、国内では、「レ・バン・タン待望論」が高まり、ベトナム代表の三浦俊也監督は、ワールドカップ・アジア2次予選イラク戦(10月8日)およびタイ戦(同13日)に向け、同選手の招集を決定した。なお、得点王はQNKクアンナムのタンブウェ・パテヨ(18ゴール)が獲得している。

文=アジアサッカー研究所/佐藤

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