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東南アジア版チャンピオンズリーグ「ASEANスーパーリーグ」は実現できるのか?

2015.09.17

ASEANサッカー連盟(AFF)が最近、「ASEANスーパーリーグ(ASL)」の発足を発表した。計画によると、2015年8月に第1回を開催するとのことだが、同大会は過去に何度も開催が先延ばしにされたことがあり、その実現可能性が疑問視されている。

そもそも論だが、現時点では大会レギュレーション自体が未定だ。東南アジア版チャンピオンズリーグと銘打っているからには、本来はASEANを代表する強豪クラブ同士の対決となるはずだが、フィリピンはアンダー世代(U-23またはU-18)の代表チームを送り出す意向を示し、また、タイではリーグ下位チームの出場を検討するなど、各国の足並みも全くそろっていない。

さらに、マレーシア・スーパーリーグに招待参加しているシンガポール・ライオンズXIIのような例や、FIFAによる資格停止処分を受けて現在活動を停止しているインドネシアの存在も今後、大会規定を具体化していく上での課題になる。

予定では、AFFに加盟している11か国(オーストラリア、ベトナム、マレーシア、タイ、シンガポール、フィリピン、ミャンマー、インドネシア、東ティモール、ラオス、カンボジア)が参加するとなっているが、当初は観客動員も見込めないであろうし、上位に進出して賞金を獲得できないような弱小国のチームにとっては、遠征費だけでもかなりの負担になる。また、過密日程に拍車がかかることになり、オーストラリアやタイなど、ACLでも上位進出が見込めるチームにとっては、スケジュール調整も一層難しくなってくる。

依然として課題は山積みのASLだが、大会の開催に好意的な国もある。例えばベトナムでは、同大会の開催が今後の国内リーグのモチベーションアップに繋がるという意見も出ている。現在、国内リーグに優勝すれば、ACLとメコン・クラブチャンピオンシップへの出場権が得られるが、ASLでは、ベトナムやタイなどの強豪国には出場枠が複数設けられる見込みのため、国内リーグで優勝の可能性が消えた場合でも、2位・3位争いが盛り上がると考えられる。※リーグ戦上位チームが出場するルールの場合。

いずれにしろ長期的に継続していくためには、大会の価値を高めていくことは必須だ。国が名誉をかけて戦うAFFスズキカップや東南アジア競技大会(SEA Games)は熱狂的な盛り上がりを見せているが、クラブレベルの国際大会では、ACLですら大会のブランドを高めるのに苦戦している。しかし、サッカー熱自体は非常に高い東南アジアなだけに、ブランディング戦略がはまれば、面白い大会になる可能性を秘めている。今後のAFFの手腕に期待したいところだ。

(アジアサッカー研究所/佐藤)

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