FOLLOW US

本田へのイタリアメディア辛口採点の裏側

2015.04.06

ROME, ITALY - DECEMBER 20: Keisuke Honda of AC Milan before the Serie A match betweeen AS Roma and AC Milan at Stadio Olimpico on December 20, 2014 in Rome, Italy. (Photo by Giuseppe Bellini/Getty Images)

AS Roma v AC Milan - Serie A

 10段階評価の5点はチーム最低評価。「ミスが多すぎる。無人のサハラ砂漠でもブーイングを受けただろう」と酷評された。24節チェゼーナ戦で先発落ちした本田は、4試合ぶりに先発復帰した27節フィオレンティーナ戦でもチーム最低評価を受け、寸評欄には「(2輪メーカーの)HONDAの名前に泥を塗るかのようにあらゆるプレーを恐ろしいまでに停滞させた」と、およそ日本では考えられないほど厳しい表現の言葉が並んだ。

 もちろん、イタリア・スポーツ報道の権威である『ガゼッタ』紙が、選手の好き嫌いだけで良し悪しを判断するはずがない。1896年創刊の歴史を誇る同紙の記者たちは皆、セリエAプレーヤーたちと同様、プロとして自らの仕事に誇りを持っている。ときに彼らは批判した選手や監督から反論を受けることもあるが、それを受けて立つ気概と覚悟を備えてなければ、1974年から始まった有名な採点評価記事はまかせてもらえない。

 今シーズンから同紙ミラン番のエース格になったのが、G.B.オリヴェロ記者だ。カルチョーポリ以降の暗黒期からアントニオ・コンテ(現イタリア代表監督)によるスクデット3連覇までユヴェントス番を務めてきた実力派の彼には、ミランのフィリッポ・インザーギ監督を初め、カルチョ界の知己も数多い。

 数年前、オリヴェロ記者と一度じっくり話をする機会があった。アルベルト・ザッケローニ時代のユヴェントスについて話を聞いたのだが、彼は番記者としての情に流されることなく、理路整然と批判すべきところは批判し、評価すべきところはきちんと評価の言葉を尽くした。

 イタリア各紙の記者たちも、今のミランにバロンドール級プレーヤーがいないことは百も承知だ。それでも、“ロッソネロの背番号10”を背負う者には、チームをプレーで引っ張る大きな責任があることを知る彼らは、過去幾度かあった低迷期にも10番たちを冷静に批判し、結果を出したときには熱い称賛の言葉を紡いできた。

記事を全文読む

SHARE

LATEST ARTICLE最新記事

RANKING今、読まれている記事

  • Daily

  • Weekly

  • Monthly

SOCCERKING VIDEO