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日本を代表する審判・家本政明氏、体の使い方を学んだ“師匠”との出会い

2015.03.17

文=石井紘人

 Amazonベストセラーランキングで快走を続けていた『足指をまげるだけで腰痛は治る!』。その監修者であるメディカルトレーナー・夏嶋隆氏と著者の週刊審判批評主幹・石井紘人氏による二作目『ロダンのポーズで肩と首の痛みが治る!』が発売された。同著では、肩こりや首こりなど、首と肩の痛みを治す12のメソッドを公開しているが、今回は夏嶋隆氏に弟子入りし、日本トップのレフェリーの1人として活躍する家本政明氏のインタビューを抜粋して紹介する。

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■昔は試合中に肉離れを起こしていた

 夏嶋氏の元で、実際に体の正しい動作を学んだ家本政明氏に話を聞きました。家本氏は、日本サッカー協会と契約するプロのサッカー審判員で、国際サッカー連盟に承認された国際審判員でもあります。国際審判員は、サッカーのシーズンになると、国内の試合はもちろん、西アジアの試合を担当しなければいけません。つまり、日本代表選手と同じくらいの飛行機での移動を強いられます。飛行機での移動は肩こりや首こりにも繋がります。そんなハードな国際審判員の仕事ですが、家本氏は41歳という年齢にも関わらず、怪我一つなくこなしています

「夏嶋先生に弟子入りする前には、試合中に肉離れを起こしたことがあります。今は、怪我することはありません。『体にこういった負荷をかけると、怪我をする』というのが分かっていますから」

■夏嶋氏との出会い

 家本氏と夏嶋氏との付き合いは、2006年から始まりました。

「僕は昔から人の体の不思議さに興味があったんです。それもあって、同志社大学在学中に、カイロプラティックの学校に通って、資格も取っていました。大学卒業後は、京都パープルサンガ(当時)に就職しましたが、どこかのタイミングで体のことを勉強したいと思っていました。2005年にプロの審判員になるのですが、プロの審判員は、間近でトッププロの選手の体を見ます。怪我の多い選手や、怪我をあまりしない選手がいて、その違いの根底には、学問や解剖学があるなと強く感じるようになりました。そんな時に、上川(徹:現日本サッカー協会審判部委員長)さんを通じて、夏嶋先生に出会いました。最初は、『不思議な人だなぁ』と(笑)」

「というのも、ドクターやトレーナーなど、いわゆる“治療者”と言われる人たちと多く会ってきましたが、『この先生の言っていること本当に合っているのかな』と思うことが多かったんです。たとえば、治療されても、またすぐに怪我する選手は多い。そういったのを目の当たりにしていたので、スポーツ界の医学に疑問を持っていたんです。その疑問に対して、僕なりに仮説があって、その仮説と夏嶋先生の考え方やトレーニングが、マッチしたんです。だから、『不思議な感覚』を夏嶋先生にお会いした時に持ったわけです」

 夏嶋氏の治療やトレーニング方法に感銘を受けた家本氏は、夏嶋氏に弟子入りを志願します。弟子入り試験に無事に合格し、家本氏は御殿場に引っ越し、夏嶋先生の元で学ぶようになりました。

「夏嶋先生は動作解析のプロで、ずば抜けた観察力を持っています。物事を多面的にとらえて仮説を立て、優先順位をつけてトライをしていく。経験則で整理もして、適切な判断を瞬時に行っていく。それは、観察力や学のベースがあるからできることなんです。経験則だけじゃなく、普遍的な学があるのが重要だと思います。僕は弟子にはなりましたが、“夏嶋先生のようになりたい”と思っているわけではありません。もちろん、尊敬はしていますし、唯一、師匠と呼べる人で、命の恩人でもあります。僕は、サッカー界で二回、非常に難しい状況におかれたことがあったのですが、支えてくれたのは夏嶋先生でしたから」

■治療の概念が変わった

 家本氏は、夏嶋氏のもとでさまざまなことを学びました。

「昔は、『腰が痛い』という人がいたら、すぐに腰そのものをケアしていたと思います。しかも、『ほぐさなきゃ』という概念しかありませんでした。今は、ちょっと歩いてもらったり、座っている姿勢を見たりします。腰痛を持っていても、座っているときに、どういう体勢だと痛みが和らぐのかを見る。相手に聞くのはもちろん、動いてもらわないと分からないことはたくさんあります。腰が痛いといっていても、全体像を見ていると、『原因は足にあるのでは?』などと見えてくるんです」

■肩こりや首こりも自分で治す

 夏嶋氏のもとで修行を終えた家本氏は、大きく羽ばいていきます。

 2010年5月24日には、サッカーの聖地であるウェンブリースタジアムで行われたイングランドvsメキシコという世界中が注目するビッグマッチを、見事なレフェリングでコントロールし、称賛を受けました。家本氏の高パフォーマンスの裏には、夏嶋氏のもとでの学びがあるようです。

(こちらのコラムは書籍「ロダンのポーズで肩と首の痛みが治る!」から抜粋しております)

<書籍紹介>
バレーボール日本代表選手の肩をも治した奇跡の肩と首の痛みの改善法。
厚生労働省によると肩こり人口は1,300万人と言われていますが、肩こり予備軍や首こりを含めると、2,800万人近い方々が悩んでいるそうです。つまり、4人に1人が肩や首に痛みを抱えているということです。
病院で治療を受けても、多くの方々が鎮痛剤と湿布を渡されて終わってしまい、病院ジプシーとなって様々な病院を渡り歩くことになり、そのため、多くの健康本に頼らざるを得ない状況になっているのではないでしょうか?しかし、未だに肩や首の痛みは改善されていない方々がほとんどではないでしょうか?

そんな人々に向けた、「医者に行かず」「特別な道具も必要とせず」「自宅や仕事中にちょっと意識するだけ」で肩と首の痛みを治す方法を伝授します。基本は『ロダンのポーズ』をとるだけ。これを行うことで、手から腕、肩が正しい位置にもどり、肩の痛みが改善するのです。

監修は夏嶋隆先生。久保竜彦さんなど数々の一流スポーツ選手を手術無しに治療し、フィールドにカムバックさせた夏島先生が痛みを取るために患者に伝えることはただ一つ、「日常の癖を直しなさい」のひと言です。本書では『ロダンのポーズで肩と首の痛みが治る』理由を詳しく図版などで紹介するのはもちろん、自宅や職場などで簡単に腰痛改善できる方法も詳しく紹介。肩と首の痛みに悩む人の決定版となる治療本です!

【INDEX】
■序章
なぜ「ロダンのポーズ」で肩と首の痛みが治るのか?
■第1章
気になる痛みに効く肩こり・首こり解消実践編
(肩甲骨ストレッチ / 筋肉の縮め方 / 夏嶋式テーピングetc)
■第2章
肩こり・首こりは日常の悪習慣が引き起こす
(肩の痛みのメカニズム/ 肩こりを引き起こすのは日常の悪習慣 / 電車通勤で首こり肩こりになる理由etc)
■第3章
肩こり・首こりは痛みのしくみを知れば治る
(ロダンのポーズで肩こり・首こりを治そう/「手のアーチ」と「正しい姿勢」etc)
■第4章
正しい姿勢と上半身の使い方で飛躍したアスリートたち
(家本政明(サッカー国際審判員)/ 田中姿子(元バレーボール日本代表選手) / 澤上竜二(リオ五輪サッカー日本代表候補))
■コラム1
シワを見れば肩こり・首の痛みの重度が分かる
■コラム2
過去の手術で肩こりに
■コラム3
歯ぎしりが首こりの原因に

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