2014.05.08

【インタビュー】W杯予選に出場した最初の“トランスジェンダー”選手ジャイヤ「光栄に思うわ」

 5月17日(土)から劇場公開&オンデマンド同時配信される映画『ネクスト・ゴール!世界最弱のサッカー代表チーム 0対31からの挑戦』。2002ワールドカップ日韓大会のオセアニア予選で、オーストラリア代表に0-31で敗れ、10年以上もFIFAランク最下位になったアメリカ領サモア代表チーム。寄せ集めのアマチュア選手たちとオランダ人熱血監督の“世界最弱”チームが、今年開催のブラジル大会予選で念願の初勝利を目指す姿を追ったこの映画に、米領サモア代表の一人として登場するのが、ジャイヤ・サエルア選手だ。彼、いや彼女は、FIFAワールドカップ予選に出場した最初の“トランスジェンダー”(第三の性)の選手である。

 24時間女性の心を持って生き、キックオフの前には必ず髪をカールし、メイクを施すジャイヤ。そんな彼女のためにゼップ・ブラッターFIFA会長も「プロスポーツ界で、特にサッカー界において同性愛や性同一性障害に取り組み続けるジャイヤは、世界の人々やほかの選手たちにとって真の刺激と励ましを与え続けている」と、特別なコメントを出している。

 映画の日本公開を控えたジャイヤ選手に話を聞いた。

――サッカーを始めようと思ったキッカケは?

ジャイヤ 私の通っていた私立学校で唯一のスポーツ競技だったから、自然と始められた。

――アナタにとって、アメリカ領サモアのサッカー代表チームとはどんな場所ですか?

ジャイヤ 代表チームの一員であることは、私に国を代表するという大きな誇りを与えてくれる。どんなに成績が悪かったとしてもね。

――ここ数年、スポーツ界では世界的に同性愛者や第三の性(ジェンダー)を認める動きがあります。そのことについてどのように感じますか?

ジャイヤ FIFAワールドカップ予選に出場した最初のトランスジェンダー選手になれたことを光栄に思うわ。でも、もっと大切なことがあるの。“誰”ではなく“何をしたか”で人を評価する方法が人間愛(ヒューマニティ)維持にとっていかに大事であるかを、世界で教育することが必要よ。

――憧れのサッカー選手は? 選手としてでも、異性としてでも、どちらでも構いません。

ジャイヤ デイヴィッド・ベッカムはサッカーを通じて起業家になった人として。ティム・ケーヒルは才能と謙虚さとサモアの血を持つ人として。そしてクリスティアーノ・ロナウドは超セクシーだから!アハハ

――日本人サッカー選手で知っている・好きな選手はいますか?

ジャイヤ なでしこジャパンが大好き! 特に女子サッカーワールドカップでUSAを下したときの激しいプレイ、試合への魂の注ぎ方が素晴らしいの。大ファンなの!

――間もなく映画が公開される日本の観客へメッセージをお願いします。

ジャイヤ エンジョイ・ザ・フィルム!(映画を楽しんで!)そして、そこから学んでほしい。心を養って、開かれたハートをもって。映画が終わったら思い出してほしい。人間は大事で、人間愛(ヒューマニティ)は世の中をよりよい場所にするために大事だってことを。


代表チームのムードメーカーであるジャイヤは、映画の中で最初は控え選手でしかない。しかしオランダ人監督トーマス・ロンゲンに重要な試合で起用された彼女は、驚くべき活躍を見せる…。その感動的な姿は、ぜひ映画で観て欲しい。