――石川選手にとって、ポポヴィッチ監督はどんなイメージの人ですか？
石川直宏 基本的にはとてもジェントルマンですね。あとは、昔ながらのいわゆるガンコ親父です（笑）。もちろんいい意味でですよ。今の日本人にはない“昭和の男”というイメージで、どこか今の日本人に欠けている“何か”を持っている人だと思います。
――ガンコ親父ですか？ それはどんなときに感じるのですか？
石川直宏 やっぱり自分の理想を追求するためにきっちりと筋を通しますし、そこに一切の妥協もありません。どんな人に対しても、「いいものはいい」、「悪いものは悪い」とはっきりと言える人ですから。ただ、貫くところは貫きますけれど、その一方でチームとしての協調性も理解してくれるので、選手としてはやりやすいです。
――ポポヴィッチ監督に言われたことで「えっ？」と思ったことなどはありますか？
石川直宏 昨シーズン、ACL（AFCチャンピオンズリーグ）で遠征したときのことですが、飛行機での長距離移動だったので、「しっかりと寝るためにお酒でも飲んだらどうだ？」と言っていて、そのときは「えっ？」と思いました。そういうことを言ってくれる監督はあまりいませんから……。僕の席は監督の真横だったので、少しだけにしましたが、それを言ってもらえて「やった！」と思った選手もいると思いますよ（笑）。
――ポポヴィッチ監督に言われた印象的な言葉はありますか？
石川直宏 「お前はスピードがあるし、まだまだ走れるから、そのスピードをもっと活かせ！」と言われたのが印象に残っていますね。
――それはどういうことですか？
石川直宏 年齢を重ねるたびに僕の武器であるスピード以外も何か身につけたいと思っていた時期でしたし、僕自身もポジショニングについても意識するようになっていたので、自分のイメージと監督の求めることにギャップがあったというか、とても印象に残っていますね。ポポさんにそう言われて、今でもパワーが出せるようになっていると思います。まだまだ発揮できていない部分もありますが、「それが発揮できるようになったら、今のお前に30パーセントはプラスできるぞ！」とも言われているので、それを目指したいですね。
――今日は『第3回ポポナイト』ですが、どんなことを聞いたら盛り上がると思いますか？
石川直宏 家族の話をすると面白いと思いますよ。ポポさんは僕たちの家族のこともいつも気に掛けてくれる人なので、逆にポポさんは家でどんなお父さんなのかなと、個人的には気になります。きっとピッチで見せるような“ガンコ親父”ではないと思いますが……。