2016.07.04

元サッカー選手の父親との朝練が原点に…成長続ける早稲田大FW中山雄希「また大宮でプレーしたい」

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「成長するためには試合に出るしかない」と考え、中学1年で柏レイソルU-15を途中退団。苦渋の決断を下した中山雄希は、父親と取り組んだ朝5時からの練習やU-17日本代表候補合宿での挫折を経て、早稲田大学で背番号9を背負うストライカーにまで上りつめた。中山は大学での残された時間にすべてを懸け、一足先にプロの世界へ飛び立った元同期の姿を追っていく。

インタビュー=酒井伸 写真=平柳麻衣、内藤悠史

自分の決断は間違っていなかった

――本格的にサッカーを始めたのは浦和駒場サッカー少年団からですか?
中山 はい。小学6年の時にFC浦和という選抜チームが結成されて、そこでプレーしていました。

――FC浦和では第30回全日本少年サッカー大会に出場しています。
中山 決勝で(横浜F・マリノス)プライマリーに負けて準優勝でした。喜田拓也(現横浜FM)、高野遼(現日本体育大学/2017シーズン横浜FM加入内定)がいて、かなり強かった印象があります。

――中学は柏U-15に進みました。
中山 小学6年の時にレイソルの練習に参加しました。そこで合格が決まる選手もいましたが、自分はボーダーライン上だったので、セレクションを受けて合格できました。

――中学の時は埼玉から柏まで通っていたのですね。
中山 距離はありましたが、最寄り駅から柏駅まで電車で1本だったので、苦ではなかったです。

――柏U-15のチームメートには、今プロでプレーしている選手が多いと思います。
中山 中川(寛斗)、秋野(央樹)、小林(祐介)、中村(航輔/現柏)はみんな同期なので、すごく刺激になっています。

――彼らと比べて自分の出来はいかがでしたか?
中山 全くダメでした。自分は体が小さくて、周りはデカくて、速くて、強い。何もできないまま、1年間が過ぎてしまいましたが、そこで学んだこともすごく多くて、メンタル面や技術面などは今でも活きていると思います。けど、自分が成長するためには試合に出るしかないと考えていたので、中学2年からチームを移りました。

――FC 春日部 に入りましたが、選んだきっかけは何ですか?
中山 自分たちの代が2期生とまだ新しいチームで、大会で浦和レッズ(ジュニアユース)にも勝ったと聞いていました。家から自転車で通うこともできたので、すぐに練習に参加させてもらい、その後に入ることに決めました。

――そこではどのようなことを学びましたか?
中山 サッカーの根本です。監督(増田功作/現横浜FCヘッドコーチ)が選手と近い距離で接してくれて、サッカー以外のこともよく指導されました。監督は恩師でもあり、尊敬している方で、そこでの2年間は非常に大きく、自分の決断は間違っていなかったと感じています。

――チームの成績はいかがでしたか?
中山 全国大会は出られませんでしたが、関東大会には出場できました。それでも、関東大会にも行ったことがないチームだったので、出場を決めた時は今までにないくらいうれしかったですし、今でも鮮明に憶えています。

――FC春日部時代に柏U-15と試合をすることはありましたか?
中山 練習試合でボコボコにされました(苦笑)。

――高校は大宮アルディージャユースに進みます。
中山 中学2年の時から自分のことを見てくれていて、熱心に声をかけてくれました。練習参加した際にも、優しく受け入れてくれたので、ここでがんばろうと決めました。

――大宮ユースは外部のチームから入ってくる選手が多いのですか?
中山 自分たちの代は多く、5人はいました。FC浦和で一緒にやっていた人もいたので、チームにはすぐに溶けこめました。

――今でこそ大宮ユースは高円宮杯U-18プレミアリーグに所属していますが、当時はいかがでしたか?
中山 2学年上の方たちが(高円宮杯U-18)プリンスリーグ関東2部から1部に上げてくれました。でも、翌年、すぐに2部に落ちてしまって、自分たちが高校3年の時に再び1部に昇格しました。

――高校2年の時、U-17日本代表候補合宿に追加招集で選ばれています。
中山 代表なんて遠い存在だと思っていたので、まさか自分が選ばれるとは思っていませんでした。参加した時には、萎縮してしまい、全く自分のプレーが出せず、今でも「あそこでがんばっていれば」と思い返すことがあります。

――初めての代表合宿では周りとの差を感じましたか?
中山 周りの自己主張がすごかったです。候補合宿だったので、殺伐としていて、「生き残るんだ」という雰囲気でした。一つひとつのフィジカルコンタクトも強く感じて、まだまだ自分は甘いと思いました。

――その後はU-18日本代表に選ばれ、スロバキア遠征に参加しています。
中山 現地の大会(TIPOS Slovakia Cap 2012)に参加したのですが、U-18ウクライナ代表を相手に2点を決めることができ、ある程度の結果を残すことができました。

――それまで、海外のチームと試合をすることはありましたか?
中山 大宮ユースの時に韓国のチームと対戦したことはあったのですが、ヨーロッパのチームとは初めてでした。一対一や球際の強さ、フィジカル面も含めて、全くレベルが違うと感じました。

――大宮ユースの時はトップチームの練習に参加しましたか?
中山 高校3年の時に開幕前のキャンプに参加させてもらいましたが、FWにはラファエル(現SEパルメイラス)選手がいて、彼のプレーには衝撃を受けました。ボールをキープできるだけではなく、点も取れる。こんなにうまい選手がいるんだと肌で感じました。あとはカルリーニョス(現徳島ヴォルティス)選手もすごかったです。シーズン中も監督交代があったりして、練習試合に呼んでもらったりしました。

――当時はトップチームの試合を見に行っていましたか?
中山 住んでいる家がNACK5スタジアム大宮から近いので、よく見に行ってました。しかし、行っても勝てない試合が多くて、あまり興奮した思い出はないです(苦笑)。

大学に行くなら早稲田に行きたい

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――その後は早稲田大に進学します。お父さんがア式蹴球部の卒業生で、サッカー選手だったそうですね。
中山 読売クラブ(現東京ヴェルディ)でサッカー選手になって、ラモス瑠偉(現FC岐阜監督)さんとチームメートでした。だから、サッカーを始めたのも、父親の影響が大きかったんです。小さい時から父親と一緒にア式の試合を見に行っていましたし、大学に行くなら早稲田に行きたいという強い想いがありました。自分は推薦入試で早稲田に入学できたのですが、蹴球部に入るための入部試験に苦労し、「推薦なのに何やっているんだ」と発破をかけられていました。

――ちなみに、お父さんと練習することはあったのですか?
中山 朝5時に起きて、小学校に登校する前に毎日父親と一緒に練習していました。父親が厳しかったので、かなりキツかった思い出があります。父親からサッカーを教えこまれましたし、基礎から細かいことまで今の自分を作ってくれたと思っています。中学に進学しても続きましたし、高校になってもやることはありました(苦笑)。

――大学1年の時は関東大学サッカーリーグ戦で、一度だけメンバー入りしています。
中山 ベンチ入りしただけで、試合には出られず、Iリーグ(インディペンデンスリーグ)やJr.リーグに出場していました。当時の4年生は強くて、インパクトのある世代だったので、自分を成長させてくれたと思っています。

――リーグ優勝した昨年は2トップに宮本拓弥(現水戸ホーリーホック)選手、山内寛史(現4年)選手がいて、なかなか割りこむことができなかったと思います。
中山 2人とは違ったものを自分は持っていたし、途中から試合に出た時は自分の良さを出せていたと思いますが、自分が活躍して勝つことがあまりなかったです。特に同期のヒロ(山内)の活躍はうれしい反面、悔しい気持ちもありました。

――宮本選手はどこがすごかったですか?
中山 あんなに体が大きいのに足元の技術があって、両足のキックが正確でした。とにかく、すごいの一言です。

毎日をひたむきにがんばるだけ

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――中山選手は左利きですが、参考にしている選手はいますか?
中山 左足のくくりでは見ていないですけど、(ダビド)ビジャ(ニューヨーク・シティFC)、(アレクシス)サンチェス(アーセナル)といった小柄で裏を狙える選手を参考にしています。日本人では、佐藤寿人(サンフレッチェ広島)選手のプレー集をよく見ています。

――大学に入ってからはプロの練習に参加しましたか?
中山 中学時代の監督が横浜FCでヘッドコーチをやっているので、大学3年の時に何度か呼ばれました。

――横浜FCには三浦知良選手が在籍しています。
中山 一緒にプレーしましたが、49歳なのに「何であそこまでがんばれるんだろう」と思い、すごく刺激を受けた選手です。

――今はどこかのチームからオファーはありますか?
中山 今はないですが、プロを志望しているので、毎日をひたむきにがんばるだけです。大宮にはすごく感謝していますし、また大宮でプレーしたいという想いもあります。

――7月6日には第67回早慶サッカー定期戦が行われます。
中山 昨年は初めてベンチ入りして途中出場しました。ナイターの等々力(陸上競技場)、そしてあんなに大勢の観客の前でプレーすることは今までなかったので、興奮しました。スタメン出場を目指すのはもちろん、リーグ戦では負けているので、絶対に勝ちたいと思っています。


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