2月に行われたチャンピオンズリーグで対戦したメッシ（左）とサバレタ（右） [写真]=Getty Images
文＝藤井重隆
マンチェスター・Cは2日、 ウェンブリー・スタジアムで行われたキャピタル・ワン・カップ決勝でサンダーランドに3－1での逆転勝利を収め、今シーズン初の栄冠を手にした。
そのマンチェスター・Cに在籍するアルゼンチン代表DFパブロ・サバレタが、同国代表の同僚でバルセロナFWリオネル・メッシの引き抜きに思いを巡らせていることが2月に英メディアで報じられた。
両選手は2月18日にシティのホームで行われたチャンピオンズリーグ・決勝トーナメント1回戦ファーストレグで対峙したが、試合前に地元マンチェスターの英国伝統料理フィッシュ・アンド・チップスの店でひしめくディズベリーに招き、サバレタ自身がハマったと言う同料理を食べさせて、シティに移籍するよう説得したと噂されている。
サバレタは試合前、メッシについて次のように語っていた。
「マンチェスター・シティにメッシが来るかどうかは、お楽しみだ。僕は彼に街を見せて回りたいし、ディズベリーにも連れ出してフィッシュ・アンド・チップスを食べさせたいと思っている」
「プレミアリーグには世界最高峰の選手が在籍しているし、レベルも上がっている。他国に在籍する一流選手たちもこのリーグでプレーしたいと思うようになったし、メッシも例外ではないと思う」
「僕がシティへ来た時（2008年）、3～4カ月して初めて2日間のオフを利用してバルセロナに行き、メッシの家に行ったことがあった。そこでの話題は新オーナーと巨額の軍資金で持ち切りだったし、彼もシティについていろいろ聞いてきた」
「メッシに会ったのは僕が主将を務めていたU－20アルゼンチン代表に選出された時だった。当時、周りのみんなは2つ下の彼の事を知らなかったから、僕は彼がチームに馴染めるように接したのを覚えている」
「みんなは11歳でバルセロナのアカデミーに入ったメッシのことを知らなかったし、そんなに上手い選手だとは思っていなかった。でも初めて彼と練習した時、みんな驚いていた。彼は即戦力だったし、大会得点王にもなった」
「僕は大会後にエスパニョールに移籍したから、同じバルセロナの街で過ごした3年間でメッシとの親交も深まった」
「マンチェスターに6年いて、僕はマンキュニアン（マンチェスター市民）になったと感じている。6年間でクラブは大きく変わったけど、僕は生き残った選手の一人だ」
「僕はバルセロナの2番手であるエスパニョールからマンチェスターの2番手だったシティに移籍したけど、今のシティは全く違うクラブになったし、ユナイテッドを超える存在になった。僕らは毎シーズン大物選手を補強するとともに、タイトルを獲得し続けるチームへと発展した」
「メッシのような選手と対峙する時、試合を通して集中する必要があるし、1度のミスで失点を許してしまう。バルセロナの質、特に攻撃陣の質は一級品だし、ペドロ・ロドリゲス、アレクシス・サンチェス、ネイマール、メッシはみんな素早いし、決定力も高い。彼らを止めるには95分間、集中して彼らを抑えこまなければならない
「メッシは人柄に優れた男だし、彼の家族や子供たちと会えるのをうれしく思っている。まだ無名だった旧友が成功してスターになっても昔と変わらないのは凄いことだ」
今から約9年前の2005年にオランダで行われたU－20ワールドカップで優勝に貢献したメッシは、同大会の最優秀選手と得点王に輝き、その後バルセロナでも頭角を現した。
シティが買収された2008年にエスパニョールからシティへと移籍したサバレタは、スター選手の引き抜きに一役買っていたとの噂も報じられている。
メッシの自宅でよく顔を合わせていたとされるコートジボワール代表MFヤヤ・トゥーレを2010年にバルセロナからシティへと移籍させると、U－20ワールドカップでともにプレーしたFWセルヒオ・アグエロも2011年にアトレティコ・マドリードからシティに加入した。
2010年以来、チームはリーグ3位以内を維持し続けているが、リーグ優勝は2011－12シーズンの1度のみにとどまっており、さらなる絶対的スター選手獲得が成功へのカギとされている。
サバレタは過去にもU－20ワールドカップからの親友、ベンフィカのDFエセキエル・ガライやボカ・ジュニアーズのMFフェルナンド・ガゴにも触手を伸ばしていたとされる。
シティは元バルセロナのフェラン・ソリアーノ氏とチキ・ベギリスタイン氏をそれぞれクラブの代表取締役と強化担当部長に就任させており、今後はバルセロナからの引き抜きが行われる可能性があり、メッシのシティ移籍も夢の話ではないかもしれない。