ディアロ(右)のゴールでマンUが土壇場で追いつく [写真]=Getty Images
プレミアリーグ第20節が5日に行われ、リヴァプールとマンチェスター・ユナイテッドが対戦した。
アルネ・スロット新監督の下で新たなシーズンをスタートさせたリヴァプールは、ここまで圧巻の戦いを披露。プレミアリーグでは前節終了時点で14勝3分わずか1敗という成績を残し、勝ち点「45」を獲得。現在は1試合未消化ながら、2位のアーセナルに勝ち点差「6」をつけて首位を独走している。チャンピオンズリーグ(CL)でも6戦全勝、カラバオカップ(EFLカップ)でも準決勝進出を果たすなど、狙えるすべてのタイトルに手が届くと感じさせるような戦いを、前半戦は見せてきた。
対照的に、マンチェスター・ユナイテッドの置かれた状況は最悪と言っていい。エリック・テン・ハフ監督を続投してシーズンをスタートさせたが、開幕直後からボトムハーフに沈むなど不安定な戦いが続き、10月には指揮官交代を決断。スポルティングから新たにルベン・アモリム監督を招き入れたが、その後も状況は好転せず。現在は屈辱の公式戦4連敗中で、14位で2024年を終えたが、現時点で獲得した勝ち点「22」は、リーグ戦全日程のちょうど半分にあたる19試合で獲得したものとしては歴代ワーストの記録となっていた。
そんな好対照をなす両チームによるゲームにおいて、リヴァプールに所属する遠藤航はベンチから出番を待つ。大雪の影響で開催が危ぶまれながらも、無事にキックオフを迎えると、伝統のゲームに相応しいようなインテンシティーで両チームの選手が試合に入る。
時間の経過とともにリヴァプールが流れを引き寄せ、14分にはビッグチャンスを構築。カーティス・ジョーンズ、ルイス・ディアスと繋いで、ペナルティエリア手前左寄りの位置で顔を上げたライアン・フラーフェンベルフがスルーパスを送ると、抜け出したコーディ・ガクポが角度のないところから右足で狙ったが、シュートは枠を外れる。
対するマンチェスター・ユナイテッドも20分、自陣左サイドでディオゴ・ダロトがボールを奪ったところから攻撃へ。タメを作ったブルーノ・フェルナンデスからのスルーパスで、ダロトが左サイドを抜け出し、クロスボールを送ったが、中央へ走り込んでいたアマド・ディアロとはわずかにタイミングが合わず。こぼれ球を拾ってヌサイル・マズラウィ、さらにコビー・メイヌーがミドルシュートを放つも、仕留め切れない。
以降はリヴァプールがボールを保持する時間が続いたものの、決定的なシーンは29分にフラーフェンベルフが放ったミドルシュートのみ。スコアレスで前半終盤に差し掛かると、マンチェスター・ユナイテッドは42分、リサンドロ・マルティネスからの浮き球スルーパスで背後を取ったラスムス・ホイルンドに決定機が到来するも、ここはGKアリソンに阻まれる。前半の45分間はスコアレスで終了した。
後半に入ると、試合の均衡が破れる。52分、マンチェスター・ユナイテッドは敵陣での組織的なハイプレスで、トレント・アレクサンダー・アーノルドからの縦パスをL・マルティネスがインターセプト。自ら持ち運ぶと、強引に仕掛けることはなく、1度左サイドへ散らす。大外で待っていたB・フェルナンデスは中央へ持ち運び、相手を引きつけてからボックス左のスペースへスルーパス。抜け出したL・マルティネスが左足を振り抜くと、強烈な一撃はクロスバーをかすめてゴールに吸い込まれた。
ホームで先制を許したリヴァプールだったが、1点ビハインドの時間を長くは続かせない。58分、セットプレーのクリアボールを拾ったフラーフェンベルフがダイレクトで斜めにつけると、前を向いたアレクシス・マック・アリスターがスルーパスを通す。ボックス左でパスを受けたコーディ・ガクポは、対峙したマタイス・デ・リフトを切り返しで置き去りにすると、右足で強烈なシュートを叩き込み、試合を振り出しに戻した。
一気に逆転を狙うリヴァプールは61分、L・ディアスとC・ジョーンズを下げて、ダルウィン・ヌニェス、ディオゴ・ジョッタと攻撃的な選手を2枚投入。67分には敵陣右サイドでイブライマ・コナテからのパスを受けたA・アーノルドが、切り返しから左足でクロスボールを送ると、このボールがボックス内でデ・リフトの手に直撃。OFR(オンフィールドレビュー)の末、リヴァプールにPKが与えられる。キッカーを務めたサラーはゴール右下を狙うと、GKアンドレ・オナナもシュートを手に当てたが、シュートスピードが勝り、ゴールに吸い込まれた。
リヴァプールが1点をリードした状態で終盤へ突入したが、マンチェスター・ユナイテッドも諦めない。80分、敵陣でクリアボール拾ったB・フェルナンデスが左サイドを破るスルーパスを通すと、72分より途中出場していたアレハンドロ・ガルナチョがこのボールに反応。左サイド深い位置まで持ち運び、対峙したコナテの股下を通してグラウンダーのボールを折り返すと、マイナスで待っていたディアロが左足でねじ込む。今度はマンチェスター・ユナイテッドが同点に追いついた。
終盤に入っても試合の熱気は落ち着くどころか増すばかりで、両チームともにゴールを脅かすシーンを作り出す。後半アディショナルタイム7分には、ボックス右のスペースでボールを引き出したジョシュア・ザークツィーからの折り返しにハリー・マグアイアが反応するも、シュートはクロスバーの上へ。最後まで次の1点が生まれることはなく、試合はこのまま2-2でタイムアップ。後半に入って一気にスコアが動いた一戦は、両者譲らずドローで終了した。
この結果、リヴァプールは公式戦5連勝とはならず。遠藤に出番もなかった。一方のマンチェスター・ユナイテッドは連敗をストップしたものの、公式戦5戦未勝利という状況は変わらない。ただし、今後に向けて復調の匂いを感じさせるパフォーマンスを見せた。
この後、リヴァプールは8日にカラバオカップ準決勝・ファーストレグでトッテナムの本拠地に乗り込む。一方、マンチェスター・ユナイテッドは12日、FAカップ3回戦でアーセナルと敵地で対戦する。
【スコア】
リヴァプール 2-2 マンチェスター・ユナイテッド
【得点者】
0-1 52分 リサンドロ・マルティネス(マンチェスター・ユナイテッド)
1-1 59分 コーディ・ガクポ(リヴァプール)
2-1 70分 モハメド・サラー(PK/リヴァプール)
2-2 80分 アマド・ディアロ(マンチェスター・ユナイテッド)
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By サッカーキング編集部
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