FOLLOW US

デ・ブライネの負傷がマンCに与える影響は? 不在時の成績や“代替案”を徹底予想

2023.08.22

デ・ブライネ不在がマンCに与える影響は? [写真]=Getty Images、Icon Sport via Getty Images

 今季のマンチェスター・シティはUEFAスーパーカップを制しただけでなく、プレミアリーグ開幕2連勝と好スタートを切ったが、果たして彼らは絶対的ゲームメイカーの穴を埋めることができるのか?

 マンチェスター・シティは今季のプレミアリーグ開幕戦となった今月11日のバーンリー戦でチームの主軸を失った。前半23分にベルギー代表MFケヴィン・デ・ブライネが負傷交代したのである。ハムストリングを痛めて手術まで受けたデ・ブライネは、長期離脱を強いられることになった。最長で6カ月の離脱になるとも予想されており、ジョセップ・グアルディオラ監督もクラブ首脳陣と連絡を取り合って「私は(スカッドの)少数精鋭を好むが、ケヴィンの離脱で状況が変わった。誰かを獲るかもしれない」と代役の獲得を示唆した。

 では、プレミアリーグ史上初の4連覇を目指すマンチェスター・シティにとって、デ・ブライネの離脱はどれほどの痛手なのか?そしてどうやって彼の穴を埋めるのか?絶対的ゲームメイカーの長期離脱がチームに与える影響を見てみよう。

■デ・ブライネの実績

デ・ブライネ

エースとしてマンCをけん引するデ・ブライネ [写真]=Getty Images


 グアルディオラ監督が「大きな痛手」と認めたように、マンチェスター・シティほどの戦力を有していてもデ・ブライネの不在は大問題だ。それは彼のアシスト数を見れば一目瞭然である。2015年夏にマンチェスター・シティにやってきたデ・ブライネは、これまで同クラブでプレミアリーグ240試合に出場して64ゴール101アシストを記録。チェルシー時代を含めると通算アシスト数は102にも上り、これはかつてマンチェスター・ユナイテッドで活躍した元ウェールズ代表FWライアン・ギグス氏の162アシスト、アーセナルやチェルシーで活躍した元スペイン代表MFセスク・ファブレガス氏の111アシスト、エヴァートンやマンチェスター・ユナイテッドで活躍した元イングランド代表FWウェイン・ルーニー氏の103アシストに次いで、プレミアリーグで歴代4位の記録である。

 今年4月にはプレミアリーグ史上最速での100アシストを達成した。237試合での100アシスト記録は、セスク・ファブレガスが293試合で達成した記録を56試合も更新する新記録だ。さらにデ・ブライネは1シーズンのプレミアリーグ最多アシスト記録も保持している。2019-20シーズンに20アシストを達成し、アーセナルの英雄である元フランス代表FWティエリ・アンリ氏が2002-03シーズンに成し遂げた記録に並んで見せたのだ。

 デ・ブライネは、2017-18シーズンにプレミアリーグが正式に「最多アシスト賞」を導入して以降、6シーズンのうち3シーズン(2017-18、19-20、22-23)で最多アシストをマークしている。まさに究極の“クリエイター”である。

 昨シーズンもリーグ最多の16アシストを記録。そのうち半分の8本が、プレミアリーグ年間最多ゴール記録を達成したノルウェー代表FWアーリング・ハーランドへのアシストだった。ハーランドは36ゴールという驚異的な記録を打ち立てたが、もしデ・ブライネのアシストがなければ、30ゴールを挙げて得点ランクで2位だったトッテナムのイングランド代表FWハリー・ケイン(現:バイエルン所属)に得点王の座を譲っていたことになる。

 無論、デ・ブライネはアシストだけの選手ではない。抜群の展開力と確実なボールキープ、そして試合のペースをコントロールする知性を併せ持つ。過去にプロ選手協会の年間最優秀選手を2度も受賞しており、昨年のバロンドール賞ではフランス代表FWカリム・ベンゼマ、セネガル代表FWサディオ・マネに次いで3位に入った。今年3月にはベルギー代表のキャプテンに就任し、マンチェスター・シティでも今夏にドイツ代表MFイルカイ・ギュンドアンが退団したあとは腕章を巻いていた。

 マンチェスター・シティは稀代の創造主にしてチームのリーダーを失うことになったのである。

■デ・ブライネの不在時

デ・ブライネ

18-19シーズン前半戦もデ・ブライネはケガに苦しんだ [写真]=Getty Images


 これほどの長期離脱は初めてだが、デ・ブライネは過去にも戦列を離れたことがある。それも1、2回の話ではない。2018-19シーズンには開幕時に右膝のじん帯を負傷して3カ月ほど戦列を離れ、復帰した直後には今度は左膝のじん帯を損傷し、シーズン前半戦はほとんど稼働できなかった。2020-21シーズンにはハムストリング、2021-22シーズンには足首を痛めており、実はケガが多い選手なのだ。

 マンチェスター・シティは現在プレミアリーグで3連覇中だが、データ会社『Opta』によると過去3シーズンでデ・ブライネがリーグ戦のピッチに立ったのは6,654分。3シーズンともフル出場すれば10,260分のため、デ・ブライネは全体の「64.9%」しか出場しなかったことになる。

 デ・ブライネ不在時の成績を見ると、2015年夏に加入して以降、彼が先発出場した試合は277戦で勝率は「72.6%」。一方で彼が先発を外れた139試合の勝率は「71.9%」だという。大差ないのだ。それどころか、過去3シーズンに限るとデ・ブライネが先発時は勝率「72.3%」で、それ以外は勝率「73.4%」。彼が先発から外れた時の方が勝率が高いのである。もちろん、格下との試合でデ・ブライネを温存するケースも多いため、このような数字になっているのだろうが、それにしてもデ・ブライネの有無がほとんど影響を及ぼしていないなんて驚きだ。

■穴埋め

フィル・フォーデン

フォーデンはデ・ブライネに代わってマンCをけん引できるか [写真]=Getty Images


 いくら勝率に差がないとはいえ、6カ月もデ・ブライネがいなければ、特にライバル勢の躍進が著しい今シーズンは苦戦を強いられるだろう。では、どうやって彼の穴を埋めるのか?

 1つの案はイングランド代表MFフィル・フォーデンである。23歳のミッドフィルダーは、デ・ブライネに比べるとキック精度は劣るが、ボール運び、クリエイティブなパス、そして得点力を兼ね備えた万能選手である。イングランド代表のプレーメーカーにとって、今回のデ・ブライネのケガは主役の座を射止めるチャンスかもしれない。事実、19日に行われたプレミアリーグ第2節のニューカッスル戦ではアルゼンチン代表FWフリアン・アルバレスの決勝ゴールをアシストして「47.5%」の得票率でリーグ公式のマン・オブ・ザ・マッチに選出された。

「4-2-3-1」の2列目の右サイドを担当したフォーデンは、サイドに張るのではなく、縦横無尽に動き回って攻撃に絡み続けた。ゴールシーンではセンターバックと左サイドバックの間のギャップに入ってクロアチア代表MFマテオ・コヴァチッチからパスを引き出すと、反転しながら前に進んで敵2名を引きつけると、フリーのアルバレスにラストパスを送った。

 この試合のフォーデンは、攻撃の選手としては驚異のパス成功率「90.7%」を記録。さらに味方のシュートにつながる「重要なパス」は両チーム合わせて最多の7本。2番目に多い選手が2本なので、フォーデンがどれだけチャンスに絡んでいたかうかがえる。それどころか、7本というのはフォーデンにとってプレミアリーグ出場131試合で自己最多記録だったという。これにはグアルディオラ監督も「彼は色々なポジションをこなし、相手にとって脅威となる。そしてメンタル面もしっかりしている」と賛辞を送っている。

 もし仮に、デ・ブライネの不在によりフォーデンが更に覚醒するのなら、それはマンチェスター・シティにとって、そしてイングランド代表にとっても朗報となるだろう。

■補強

マンチェスター・シティ

マンCの補強候補と報じられている面々 [写真]=Getty Images


 フォーデンの活躍は嬉しいが、ただでさえ少数精鋭のマンチェスター・シティは恐らく補強が必要になるはずだ。ウェストハムのブラジル代表MFルーカス・パケタ、ライプツィヒのスペイン代表MFダニ・オルモ、レンヌのベルギー代表FWジェレミー・ドクなどの名前が挙がっている。実際に誰を獲得するかは分からないが、参考程度に『Opta』のプレーヤーレーダーを見てみよう。

 これは欧州5大リーグのデータを用いて選手を9つのデータで表し、選手の類似性が分析するシステムだ。「ゴール」「シュート」「敵陣ボックス内のタッチ」「ボール奪取」「ドリブル」「チャンスメイク」など9つのデータから選手の“鶏頭図”(レーダーチャートの一種)を作成して類似度を割り出すもの。

 それによると、昨季の欧州5大リーグでデ・ブライネに最も似ていた選手は、アーセナルのノルウェー代表MFマルティン・ウーデゴーアである。その類似度は84.0%だ。次にナポリのポーランド代表MFピオトル・ジエリンスキ(82.5%)、レアル・マドリードのクロアチア代表MFルカ・モドリッチ(81.1%)、そしてリールの元フランス代表MFレミ・カベッラ(80.7%)となっている。

 ちなみに、フォーデンの類似選手を見ると4番目にウーデゴーアが入ってくる。ということは、やはりデ・ブライネの代役はフォーデンのいいのかもしれない。

(記事/Footmedia)

【PR】プレミアリーグ観るなら
U-NEXT「SPOTV NOWパック」で!

U-NEXTが提供する「SPOTV NOWパック」とは、U-NEXTと契約することでSPOTV NOWが視聴できるお得なプランになります。

U-NEXT「SPOTV NOW」パック

ポイント利用で実質月額800円に!

月額2,000円ですが、U-NEXT会員には毎月1,200ポイント(1,200円相当)が付与されるため、ポイント利用によってU-NEXTのコンテンツと合わせてお得に楽しむことができます。

プレミアリーグセリエAのほか、U-NEXTが提供するラ・リーガなど注目リーグの試合を視聴可能です。

  1. U-NEXTの「SPOTV NOWパック」なら広告なし! TV視聴も可能!
  2. 見放題のエンタメ作品数NO.1を誇るU-NEXTでプレミアリーグ&エンタメを堪能!
  3. U-NEXT&「SPOTV NOWパック」ではラ・リーガやセリエAなども楽しめる!

【PR】「ABEMA」なら
プレミアリーグが無料視聴可能!

ABEMA

「ABEMA」とは、好きな時間に好きな場所で、話題の動画を楽しめる新しい未来のテレビ。登録不要でプレミアリーグを含む様々なコンテンツが無料で視聴できます。

ただし、プレミアリーグの無料配信は一部(毎節3試合予定)のため、しっかり堪能するなら「ABEMAプレミアム」月額960円(税込)への加入がおすすめ。

  1. ABEMAプレミアムなら注目カードが確実に視聴可能!
  2. 追っかけ再生、見逃し配信などうれしい機能が充実!
  3. 初めてABEMAプレミアムに登録する方は2週間無料!

By Footmedia

「フットボール」と「メディア」ふたつの要素を併せ持つプロフェッショナル集団を目指し集まったグループ。

SHARE

LATEST ARTICLE最新記事

RANKINGケヴィン・デ・ブライネのニュースアクセスランキング

SOCCERKING VIDEO