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チェルシーが受けた補強禁止処分の実態…サッリ監督やアザールらへの影響は?

2019.03.01

今後2度の移籍市場における補強禁止処分を受けたチェルシー [写真]=Getty Images

 2月22日、チェルシーがFIFA(国際サッカー連盟)から今後2度の移籍市場における補強禁止処分と、60万スイスフラン(約6700万円)の罰金処分を受けた。チェルシーは異議申し立てを行っているものの、処分が確定すればクラブの戦略にとって一大事だ。なぜ、FIFAは処分に動いたのか。そして今後への影響は? この一件の詳細をまとめた。

■何が問題だったのか?

 FIFAは子供たちを搾取や人身売買から守るため、特別な基準を満たしていない限り、18歳未満の選手の海外移籍を禁止している。海外移籍が可能となる条件は、a)選手の両親がサッカー以外の理由により移籍先クラブがある国に引っ越した場合。b)両クラブがEU及びEEA(欧州経済地域)にあり、選手の年齢が16〜18歳の場合(かつ移籍先クラブが教育、練習、生活環境のサポート基準を満たした場合)。c)選手と家族が移籍先クラブから100km以内に居住している場合。

 チェルシーは、FIFAが調査した92例の海外移籍のうち、29のケースでこの規則に違反していたと糾弾されている。

 またイギリスメディア『BBC』などでFIFAが調査に動いたきっかけとして例に挙げられているのが、現在はリヨンに完全移籍したベルトラン・トラオレのケースだ。彼は14年に18歳でチェルシーと契約したとされているが、裏では18歳になる前から登録なしでチェルシーがユースチームでプレーさせていた可能性が指摘され、FIFAがその証拠をつかんだことが今回の処分の発端と言われている。

ベルトラン・トラオレ

現在はリヨンでプレーしているベルトラン・トラオレ [写真]=Getty Images

■処分の内容は?

 チェルシーは2019年夏と2020年冬の移籍マーケットで新規の選手登録(フリートランスファーを含む)が禁じられ、レアル・マドリード、アトレティコ・マドリード、バルセロナに続いて同件で補強禁止処分を受ける4クラブ目(プレミアリーグでは初)となる。

 なお、期限付き移籍している選手のローンバックは問題ないため、アルバロ・モラタ(アトレティコ・マドリード)、ミシー・バチュアイ(クリスタル・パレス)、ティエムエ・バカヨコ(ミラン)、クル・ズマ(エヴァートン)、ケネディ(ニューカッスル)、メイソン・マウント(ダービー・カウンティ)、タミー・アブラハム(アストン・ヴィラ)、オラ・アイナ(トリノ)といったローン選手や、今年の冬に契約済みでチェルシーからローンの形でドルトムントに残っているクリスティアン・プリシッチらをチームに加えることは問題ない。

チェルシー

チェルシーから期限付き移籍している選手たち [写真]=Getty Images

チェルシーの対応策は?

 チェルシーは現在、FIFAに対して異議申し立てを行っている。FIFAの委員会がこれを棄却した場合は、さらにCAS(スポーツ仲裁裁判所)に訴えを起こすことができる。

 なお、バルサは14年に処分を言い渡されたがCASへの異議申し立てを行い、処分を覆すことはできなかったものの処分を15年まで遅らせることに成功している。そして14年夏に約222億円を投じてルイス・スアレスイヴァン・ラキティッチ、トーマス・ヴェルマーレン、ラフィーニャマルク・アンドレ・テア・シュテーゲンらを大型補強して急場を凌いだ。チェルシーも同様の対応を講じる可能性がある。

■マウリツィオ・サッリ体制への影響は?

 2月10日のマンチェスター・C戦に0-6で大敗して以降、サッリ監督解任の噂が絶えないチェルシーだが、もし補強禁止処分が確定すればオーナーのロマン・アブラモヴィッチは簡単にクビを切れなくなる。補強ができず自分の色を出せないクラブの新監督になりたいという指揮官は決して多くないからだ。もし監督交代に踏み切った場合は、フランク・ランパード(現ダービー・カウンティ監督)のようなクラブに愛着のあるレジェンドに後を託すしか道はなさそうだ。

フランク・ランパード

現在ダービー・カウンティを率いるランパード監督 [写真]=Getty Images

 一方で、もし続投となってもサッリにとっては茨の道。ジョルジーニョゴンサロ・イグアインとこれまで愛弟子を連れてきたサッリだが、チームの完成度を高めるには彼の理想や独特のスタイルに合った新戦力の獲得が急務とされており、現有戦力のみで来季以降のプレミア制覇を目指すのは非常に難しい。

サッリ監督、ジョルジーニョ、イグアイン

(左から)サッリ監督、ジョルジーニョ、イグアイン [写真]=Getty Images

■選手たちへの影響は?

 最も去就に影響が出そうなのは、今年の夏にレアル・マドリードへ行くのではと言われるエデン・アザール。後釜を獲得できないとなればチェルシーは絶対に引き止めるはずだし、アトレティコ・マドリードが同処分を受けた際にクラブへの忠誠を誓ったアントワーヌ・グリーズマンのように、アザール自身が移籍を取りやめる可能性がある(ただし、その場合アザールは2020年に契約満了となるため、チェルシーはフリーで手放さなくてはいけなくなる)。

エデン・アザール

今季終了後の移籍が噂されるアザール [写真]=Getty Images

 同様にバイエルン移籍が噂される若手ウインガーのカラム・ハドソン・オドイも残留に傾くだろう。また、今季はローンでチームに加わっているマテオ・コヴァチッチ(レアル・マドリード)、イグアイン(ユヴェントス)の今後も不透明になる。コヴァチッチは今シーズン終了後もチェルシー残留を望んでいることを明らかにしているが、同選手の契約に買い取りオプションは付いていない。一方、イグアインの契約には完全移籍への切り替えオプションがあるものの、次の夏の補強禁止処分が確定すれば完全移籍は破談になる可能性が高い。

 さらにはチェルシーで定位置をつかめずアトレティコ・マドリードへとローン移籍しているモラタのような選手は、補強禁止ならチームの“数合わせ”のため、自身が望まない形でチェルシー復帰を強いられるかもしれない。

文=寺沢 薫

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