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明暗を分けたアウェイゴール…崖っぷちから奇跡の連続で史上初の決勝へ【Road to Final/トッテナム編】

2019.05.30

クラブ史上初の決勝進出を果たしたトッテナム [写真]=Getty Images

 例年以上に劇的な試合が多く、世界中のサッカーファンを熱狂の渦に巻き込んできた今シーズンのチャンピオンズリーグも、1試合を残すのみとなった。決戦の日は間もなくだ。そこで、ファイナリストの座をつかんだ2チームのうち、まずはトッテナムの勝ち上がりを振り返る。

《グループステージ》

 遡ってみるとみると、トッテナムの決勝進出がいかに“奇跡的”だったのかがわかる。

 バルセロナ、インテル、PSVと同居したグループステージで、最初の3試合で得た勝ち点はわずかに「1」だった。この時点で首位バルセロナとは8ポイント、2位インテルとは5ポイントの差がつき、決勝トーナメント進出は難しいと思われていた。

 しかし、GS第4節でPSVに2-1と競り勝ち、インテルがバルセロナに敗れたことで望みは繋がる。第5節では引き分け以下なら“終戦”という状況でインテルとの直接対決を1-0で制した。CLのレギュレーションでは勝ち点が並んだ場合、当該チーム同士の戦績で順位を決定。トッテナムとインテルは1勝1敗と五分だったが、アウェイゴールを1つ奪っているトッテナムが2位に浮上した。とはいえ、最終節はトッテナムvsバルセロナ、インテルvsPSVという対戦カード。大方の予想はインテルが逆転でGSを突破するとの見方が強かった。

 迎えた運命の最終節、勝利がほしいトッテナムは主力を温存したバルセロナを相手に開始7分でビハインドを背負ってしまう。逆転を目指して猛攻を仕掛けたが、ゴールを奪うことができずに時間が経過。ようやく85分にルーカス・モウラのゴールで追いついたが、このまま1-1でタイムアップを迎え、勝ち点1を加えるに留まった。だが、同時刻に行われた試合でインテルが最下位PSV相手にまさかのドロー。この結果、前述のアウェイゴール数の差により、トッテナムが2位で決勝トーナメントへ進出した。

● 1-2 インテル(A)
● 2-4 バルセロナ(H)
△ 2-2 PSV(A)
○ 2-1 PSV(H)
○ 1-0 インテル(H)

△ 1-1 バルセロナ(A)
⇒2勝2分2敗 グループB・2位

トッテナム

[写真]=AMA/Getty Images

《ラウンド16》

 大苦戦の末にたどり着いたラウンド16では、当時ブンデスリーガで首位を走っていたドルトムントと激突。トッテナムはハリー・ケイン、ドルトムントはマルコ・ロイスと互いにエースを欠いたファーストレグでは、直近の公式戦で3試合白星なしと調子を落としていたドルトムントを寄せ付けずに3-0と快勝した。セカンドレグでは復帰したケインのゴールで1-0と勝利。8年ぶりとなる8強進出を果たした。

○ 3-0 ドルトムント(H)
○ 1-0 ドルトムント(A)
⇒2戦合計 4-0

トッテナム

[写真]=Getty Images

《準々決勝》

 準々決勝ではマンチェスター・Cとの同国対決が実現。リーグ戦4試合白星なしと不振に陥るなか、直前のクリスタルパレス戦で新スタジアム初陣に勝利し、嫌な流れを断ち切ってホームでのファーストレグを迎えた。13分にはPKを与えて大ピンチを迎えたが、セルヒオ・アグエロのキックを守護神ウーゴ・ロリスがストップ。すると、78分にソン・フンミンが値千金のゴールを決め、1-0で先勝した。

 敵地に移ってのセカンドレグでは開始早々の4分に失点を喫したが、7分、10分と立て続けにソン・フンミンがネットを揺らし、貴重なアウェイゴールを2つ奪って逆転に成功した。だが、直後の11分に2-2となるゴールを許すと、21分にも失点。さらには後半立ち上がりの59分に4点目を失い、トータルスコアをひっくり返されてしまった。73分にフェルナンド・ジョレンテがCKを押し込んで優位に立ったが、後半アディショナルタイム3分に悪夢の失点。これで3-5(2戦合計4-5)となり万事休す、かに思われた。……だが、この得点がビデオ判定の結果オフサイドにより取り消され、試合は3-4でタイムアップを迎えた。トータルスコアは4-4。グループステージに続いて再びアウェイゴール数で相手を上回ったトッテナムが、クラブ史上初の4強入りを決めた。

○ 1-0 マンチェスター・C(H)
● 3-4 マンチェスター・C(A)
⇒2戦合計 4-4
 ※アウェイゴール数により準決勝進出

トッテナム

[写真]=Getty Images

《準決勝》

 初めて臨む準決勝の舞台で対峙したのは、破竹の勢いでレアル・マドリードやユヴェントスを破ってきたアヤックス。ケインを負傷で欠き、ソン・フンミンは出場停止、さらに直前のリーグ戦で新スタジアムでの不敗神話という“魔法”が切れていたトッテナムにヤング・アヤックスの勢いを止めることはできず、ファーストレグは0-1で敗れた。

 敵地でのセカンドレグでも開始5分に先制点を許すと、前半のうちに2点目を失い、トータルスコアで3点のビハインドを背負う。もはやこれまでか……。多くの人がそう思ったはずだ。だが、諦めないトッテナムは後半に入り反撃開始。55分にルーカスのゴールで1点を返すと、直後の59分に再びルーカス。これで、あと1点という状況に持ち込んだ。そして迎えた後半アディショナルタイム6分、ペナルティエリア手前にこぼれたボールをつなぎ、最後はまたしてもルーカスがネットを揺らす。奇跡の逆転勝利でトータルスコアは3-3に。3つのアウェイゴールを奪ったトッテナムが、ファイナルへの切符をつかんだ。

● 0-1 アヤックス(H)
◯ 3-2 アヤックス(A)
⇒2戦合計 3-3
 ※アウェイゴール数により決勝進出

トッテナム

[写真]=Tottenham Hotspur FC via Getty Images

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