EURO2016特集|UEFA欧州選手権
2015.11.15

カンボジア戦は“謎のボール”を使用…蒸し暑さ、人工芝との三重苦に求められる対応力

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カンボジア戦で使用される『DONG LUC』のボール
サッカーキング編集部。学生時代から全国のスタジアムへ通い続けてきた経験と人脈を生かして、Jリーグを取り巻くピッチ内外のネタを探り続ける。

 17日のカンボジア戦へ向けて調整を進める日本代表を待ち受けていたのは、シンガポール以上に蒸し暑い気候、そして黒いチップが敷き詰められた人工芝と見たこともない公式ボールだった。

 カンボジアの首都プノンペン入りした日本代表チームは14日、多くの選手が「シンガポールより暑い」と話す中、試合会場となるオリンピックスタジアムで同国での初練習を実施。通常ならば天然芝の状態を懸念して別の場所でトレーニングを行うところだが、同スタジアムが人工芝であることから日本サッカー協会が事前に練習からの使用を希望。カンボジアサッカー協会が認めたことで、初日から本番と同じ環境で人工芝の感触を試せることになった。

 天然芝とはボールの跳ね方や転がり方が異なるだけでなく、硬いピッチで選手への負担は大きくなる。山口蛍(セレッソ大阪)が「人工芝は高校生以来。足はちょっと痛いけど仕方がない。慣れるしかない」と語れば、吉田麻也(サウサンプトン)は「イレギュラーバウンドが多くなると思うので、個人的には短いパスよりも長いボールを使ったほうがいいと感じた。かなり乾燥しているのでボールは走らない。スライディングしたら(太ももが火傷して)大変なことになるでしょうね」と苦笑い。吉田は「もちろん最後のところでは体を張らなければいけないですけど、スライディングしなければならない状況を未然に防ぐことが大事」と試合環境を踏まえて展開をシミュレーションしていた。

 誰もが育成年代で経験してきた人工芝よりも戸惑うことになりそうなのが、全く蹴ったことのない『DONG LUC』というメーカーのボールだ。日本で見慣れない試合球はベトナム製。カンボジア代表はアジア1次予選からホームゲームで使用しており、ボールには『FIFA APPROVED』というFIFA(国際サッカー連盟)が最高レベルに適する最高品質と認めたマークが入っているため、当然ながら公式戦での使用に問題はない。

 アジア予選ではFIFA認定を受けたボールの中からホームチームが使用球を決められることになっており、日本は埼玉スタジアム2002で行われた主催試合でJリーグなどで慣れ親しんだアディダス社製の『コネクト15』を選択。ちなみにアウェーでは9月のアフガニスタン戦(イラン=中立地開催)でブラジル・ワールドカップの試合球だったアディダス社製『ブラズーカ』が使われ、10月のシリア戦(オマーン=中立地開催)では日本と同じくアディダス社製『コネクト15』が、12日のシンガポール戦では今予選で初めてナイキ社製のボールが使用されていた。そして今回は『DONG LUC』というブランドの試合球でカンボジア代表との一戦に臨むことになる。

 本田圭佑(ミラン)はカンボジアで迎えた練習初日に「人工芝よりもボールのほうが気になりましたね。硬さやタッチの感じが明らかに違う。そのほうが慣れるのが難しくて時間がかかるかなと感じた」と答え、山口は「ちょっと重たい感じがある」と話すなど、やや困惑している模様だ。

『DONG LUC』社の公式サイトによると、ボールの重さは420~440グラムで、もちろんFIFAが定める410~450グラムの規定内に収まっている。だが、ワールドカップなどのFIFA公式大会で使用されるアディダス社製のボールには熱圧着技術を生かした蹴り心地の良さがあり、ボールに使われている革の種類や縫い目の影響から蹴った感覚が異なるのだろう。これもアジアを戦い抜く難しさの一つと言えるのかもしれない。

 日本代表は12日にシンガポール代表を破って2次予選のグループEで首位に立った。敵地での試合とはいえ、同組最下位に沈むカンボジア代表相手に勝ち点を落とすことは許されない。蒸し暑さ、人工芝、初めての試合球という“三重苦”を乗り越え、ハリルジャパンが2015年最後の国際Aマッチに向かう。

文=青山知雄

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