川島(右)とランニングをする岡崎 [写真]=兼子愼一郎
文=元川悦子
23日から大分市内で本格始動したヴァイッド・ハリルホジッチ新監督率いる新生・日本代表。合宿2日目の24日は合流が遅れていた川島永嗣(リエージュ)、岡崎慎司(マインツ)の2人も合流。逆に興梠慎三(浦和)が首痛で代表を離脱したため、総勢29人で17時すぎからトレーニングを実施した。
4分間の青空ミーティングを経て、前日同様にランニングから練習がスタート。冒頭15分のみの公開となり、ランニングやフィールドプレーヤーとGKに分かれてのアップなどが行われた。アップ時には「1m間隔で並べ」などと細かい指示が飛び、全員がリズムを合わせて手拍子をしながらもも上げ走りをするなど一体感が強く強調されていた。
最初のランニングを柴崎岳(鹿島)と森重真人(FC東京)が先陣を切って走る中、合流したばかりの川島と岡崎は、霜田正浩技術委員長とともにゆっくりとしたジョギングを実施。前日のメンバー同様、30分程度で練習を切り上げた。
一足先に帰路に着いた岡崎は「新監督はすごく徹底している。(ブラジル)ワールドカップの反省を見せられたけど、自分たちが寄せているレベルがまだまだ寄せられていないとか、失点しているシーンで簡単にマークを外しているとか、そういう場面をチョイスしてミーティングで指摘された。監督は世界で戦う最低ラインをこれからもずっと言い続けてくると思う。そういうのは自分も同じようなことを感じていた」とハリルホジッチ監督の緻密さと要求を大いに歓迎。一緒に勝てるチームを作っていきたいと強い意欲をのぞかせた。
ブラジル大会の後、ハビエル・アギーレ監督が就任した際には「自分はサイドでは限界がある。これからはトップで勝負したい」と意欲を示した岡崎。しかしハリルホジッチ監督率いる新体制では、ポジション以上に勝利にこだわる気持ちを押し出すという。
「前(トップ)でやりたいという気持ちを前は持っていましたけど、今はそれ以上にもっとうまくなりたいし、もっと勝ちたい」と本人も改めて強調していた。
彼があえてそう語気を強めたのも、ブラジル大会で惨敗し、リベンジを期した今年1月のアジアカップ(オーストラリア)でもまさかの8強止まりに終わった悔しさが色濃く残っているからに違いない。その後、ウインターブレイク明けのマインツでもカスパー・ヒュルマンド前監督解任という事態に直面。彼自身もゴールが奪えず苦しんだ。マルティン・シュミット新監督就任後は5試合2ゴールと復調の兆しを見せているものの、岡崎自身はまだまだ満足していない。
そういう意味でも、新生・日本代表でより貪欲に勝利とゴールという2つの結果を追い求めていくはず。今回、大迫勇也(ケルン)が復帰し、川又堅碁(名古屋)も加わるなど、1トップ争いは一層激化しそうな雲行きだ。それも彼の大きな刺激になっているに違いない。泥臭くしぶとく代表で生き残ってきた岡崎には、ハリルホジッチ新監督のメンタリティの伝道者として、力強くチームをけん引してほしいものだ。