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【金J特集】テーマは“ゲームコントロールの重要性”…扇原貴宏&畠中槙之輔が打倒・川崎への意気込み語る

2021.02.25

[写真]=©Y.F.M.

 DAZNとパートナーメディアで構成する『DAZN Jリーグ推進委員会』が、2021シーズンの明治安田生命Jリーグを盛り上げるための特別企画を始動する。オープニングマッチに登場する横浜F・マリノス扇原貴宏畠中槙之輔が“打倒・川崎”に向けた意気込みを語ってくれた。

取材・文=藤井雅彦


注目必至の金J! 開幕・川崎戦は「今季を占う一戦になる」

扇原(上)と畠中(下)は、無冠に終わった昨季の雪辱を期す [写真]=Y.F.M.

――横浜F・マリノスは開幕戦で昨季王者の川崎フロンターレと対戦します。しかもこの一戦は唯一の金曜日開催、いわゆる『金J』でとても注目度が高いゲームになります。まず意気込みを聞かせてください。

扇原 貴宏(以下、扇原)
「昨シーズン、僕たちはタイトルをひとつも獲得できず、悔しい思いをしました。今シーズンに懸ける思いは強いものがある状況で、開幕戦で川崎と対戦できるのは大きなチャンスです。良い結果を出せれば大きな自信になりますし、一昨年は開幕戦のガンバ大阪戦で逆転勝利して勢いに乗り、そのまま優勝に向けて突っ走ることができました。川崎戦は今シーズンを占う一戦になると思います」

畠中 槙之輔(以下、畠中)
「川崎との昨シーズンの対戦成績は2戦2敗でした。しっかりとリベンジしたいですし、王者と戦えることはチームとしても個人としてもとても楽しみ。自分たちらしいアグレッシブなサッカーでぶつかっていきたいです」

――昨シーズンの川崎戦を振り返っていただけますか?

畠中
「自分のミスで試合を壊してしまってチームに迷惑をかけたことが今でも悔しさとして残っています。だから今年はしっかりやり返したいという思いがあります。相手はチャンピオンチームで、僕たちが優勝したのは過去のこと。チャレンジャーとして戦いたい」

扇原
「アウェイゲームでは試合途中に退場者が出て10人で戦うことになってしまったけど、数的不利の状況でもしっかりと自分たちのサッカーを表現できていました。川崎は守備的なチームではないので自分たちのサッカーは比較的しやすいですし、F・マリノスらしいサッカーができていた時間帯もあったと思います。個人的にはホームで負けた時の印象が強くて、あの試合は完敗したという記憶しか残っていません」

畠中
「僕もあの試合はよく覚えています。なす術なしという感じで、川崎の強さをまざまざと見せつけられました。自分たちがやりたいサッカーをほとんどできませんでしたから」

扇原
「でも川崎戦はすごく楽しい。お互い攻撃に特長を持っているチームなので、川崎戦は他のチームと対戦している時とは感覚が少し違います。真っ向勝負になるのでプレーしていてヒリヒリする緊張感があります。勝てばすごくうれしいですし、負けたらとても悔しい」

――多くのチームが横浜FM対策を講じてくるなかで、川崎は自分たちのサッカーを貫いて戦ってくる印象があります。

扇原
「多くのチームは僕たちの良さを消すためにシステムを変えたり、戦術を変えてきます。でも川崎は常に自分たちのサッカーをしてくる。それだけ自信を持っているということだと思います」

畠中
「川崎はすべてにおいてレベルの高いチームです。一瞬でも気を抜いたらすぐにゴール前に侵入されてしまうし、実際にそういった形での失点もありました。DFにとってはとても厄介なチームです」

扇原
「他チームならミスをしてくれるところでミスしてくれないのが川崎。とにかくレベルが高いので90分間一瞬も気を抜けません」

――警戒すべき選手、印象に残っている選手がいれば教えてください。

畠中
「去年の対戦でインパクトがあって印象に残っているのは三笘薫選手ですけど、川崎は素晴らしい選手ばかりです。うーん、難しいですね。タカくん(扇原貴宏)は誰ですか?」

扇原
「個人的に印象に残っているのはセンターバックのジェジエウ選手かな。スピードのあるエリキが抜け出した時でも、追いつかれて苦労していた印象がある。技術的に優れた選手がたくさんいるのは間違いないけど、ジェジエウ選手のように守備陣に安定感のある選手がいるのは大きい」

畠中
「僕も同じセンターバックとしてジェジエウ選手はレベルが高いと感じました。対戦してみると予想以上にパスやビルドアップが上手で、もちろんスピードもとフィジカルもある。ウチのスピードのある攻撃陣にも対応できていたし、川崎を陰で支えていたのはジェジエウ選手と谷口彰悟選手だと思います」

昨季王者との一戦は「自分たちらしく戦って勝つ」「殴り合いやな!」

扇原(左)と畠中(右)は、互いの長所を認め合っている [写真]=Y.F.M.

――プレシーズンキャンプではポステコグルー監督が“ゲームコントロールの重要性”を繰り返し伝えていました。選手として、どのように受け止めていますか?

扇原
「去年の自分たちに足りなかったところだと思います。戦い方にメリハリをつけることができればもっと賢く戦えるし、結果もついてくるはずです。勢いにまかせてプレーしていた部分があったので、自分たちで緩急のあるサッカーをしていきたい」

畠中
「ボールを奪った後に縦に急ぎ過ぎずしっかりボールを動かすことでゲームをコントロールしたい。自信を持ってプレーすればできるはずですし、そのためには僕たちセンターラインの働きが重要になると思っています」

――お二人はセンターバックとボランチという関係性で、パス交換をする回数もとても多いと思います。普段から意識していることや要求したいことがあれば教えてください。

扇原
「シン(畠中槙之輔)にはほとんど言うことがない。F・マリノスを攻守にわたって支えているのはシンだから。シンの働きがF・マリノスを左右すると思っている。ビルドアップはシンから始まるし、シンがいなければF・マリノスのサッカーが変わるくらい重要な選手だと思う」

畠中
「タカくん、めちゃくちゃ褒めるじゃないですか! 本当にそう思っていますか?(笑)」

扇原
「こんなこと直接言う機会がなかったけど、マジだよ(笑)。センターバックでこれほどボールをつなげる選手はいない。パスの強弱やどっちの足に出せばいいか計算するところとか、ボランチとしてこんなにやりやすいセンターバックはいないよ」

畠中
「今日、最高に気持ちいいですね(笑)」

扇原
「相手の逆を突いたタイミングでボールを出せるし、パスからメッセージを感じるよ」

畠中
「ありがとうございます! でも僕からすると、パスを出したいところにタカくんがしっかり動いてくれるのでビルドアップしやすい部分も大きいです。それから少し難しいパスを出しても上手く処理してくれるのがタカくんのすごさです」

扇原
「サボったらシンに怒られるからな(笑)。チームとしては、シンがボールをつなげないなら仕方ない、くらいの感覚がある。だからシンに怒るようなシチュエーションはほとんどない。川崎なら谷口選手がその役割だと思うけど、ウチではシンがその役割を担っているよね」

畠中
「タカくんにこんなに褒められたのは初めてで戸惑っていますけど、信頼に応えないといけないという責任感がより強くなります。個人的には去年のようなプレーをしていたらダメだと思っていますし、チームを勝たせる選手になりたいです」

――今シーズンのJリーグの開幕ハッシュタグが「#2021のヒーローになれ」に決まりました。チームを勝たせる選手=ヒーローですか?

扇原
「ヒーローはチームが困っている時に助けてくれる選手だと思います。FWや前線の選手なら苦しい場面で点を取る選手ですかね。あとはシンのようにピンチの場面に現れて失点を防ぐ選手とか(笑)」

畠中
「またそうやって!(笑)」

扇原
「個人的にヒーローという表現で思い浮かぶのはベッカムかな。幼少期から持っているイメージというのは大きいと思います」

畠中
「僕、ベッカムの写真集買いましたよ。ボロボロになっているけど今も持っています」

扇原
「あ、オレも持っているかも。まさかここでかぶるとは(笑)。日韓ワールドカップの直後に発売された写真集やろ?」

畠中
「そうです。僕は当時、小学校1年生だったけど、ベッカムが憧れの存在でした」

扇原
「ベッカムはめっちゃカッコいいよな。たしかワールドカップ出場を決めたのがベッカムのゴールで、ワールドカップ本大会でもゴールを決めた。大事なところでしっかり得点するのはヒーローの証です」

畠中
「とにかくフリーキックがカッコ良くて真似していました」

扇原
「習得できたの?」

畠中
「まったくできませんでした(笑)」

――では、横浜FMのヒーローは?

畠中
「僕たちのチームに特定のヒーローはいません。全員で守って、全員で攻めるのがF・マリノスのサッカーです。だから全員がヒーローですね」

扇原
「上手い! その通りだと思います」

――是非どちらかにヒーローになるという宣言をいただきたいのですが……(笑)

畠中
「実は僕たち、川崎戦でゴールを決めているコンビなんですよ。タカくんは2019年のホームゲームで、僕は2020年のアウェイゲームで決めました」

扇原
「そういえばそうやな」

畠中
「だから開幕戦も僕かタカくんが点を取って勝ちましょう」

扇原
「滅多に出さないけど、ここで出しましょう(笑)。もちろん得点も狙いたいけど、攻守両面で細かなポジショニングを突き詰めることが大切だと思っています。僕自身に派手なプレーはあまり必要ない。F・マリノスには得点できる選手がいるので、個人的にはチームのために働き続ける90分にしたい」

畠中
「僕はこれまで以上に責任感を持ってリーダーシップを取っていきます。ディフェンスラインだけではなく全体を考えて、チームを上手く回していきたい。川崎戦では守備の回数をどれだけ減らして、攻撃の回数を増やせるかがポイントになってくると思います」

――では最後に、あらためて開幕戦と今シーズンに向けた意気込みをお願いします。

扇原
「自分たちのサッカーを信じてやりきります。F・マリノスはみんなが同じ方向を向いて戦っている時は絶対に強い。それを信じて戦えば川崎にも勝てると思いますし、タイトルをつかみ取れるはずです」

畠中
「みんなが同じベクトルで戦うことが大切だと思います。川崎に怯えて自分たちらしくない戦い方をしても意味がない。自分たちらしく戦って勝つことに意味があります」

扇原
「殴り合いやな!」

畠中
「殴り倒しましょう!」

By 藤井雅彦

横浜F・マリノスを徹底分析するWEBマガジン『ザ・ヨコハマ・エクスプレス』主筆

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