2015.12.25

小笠原、遠藤、小野、稲本、本山…79年生まれの“黄金世代”が輝き続ける理由

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松田直樹氏の追悼試合に臨んだ“黄金世代”メンバー
日本代表から海外まで幅広くフォローするフリーライター。

 2011年8月4日に急性心筋梗塞により34歳の若さで急逝した松田直樹。彼を取り巻く人々の記憶は約4年半が経過したも全く色あせていない。23日に群馬県の正田醤油スタジアム群馬で行われた「ドリームマッチ群馬2015・Remember松田直樹」に集まった中田英寿、宮本恒靖(現ガンバ大阪U-13コーチ)らかつての盟友たちが、亡き旧友への熱い思いをピッチ上でぶつけ合った。

 その試合に大挙して集まったのが、79年生まれの“黄金世代”の面々だった。99年FIFAワールドユース ナイジェリア大会(現FIFA U-20ワールドカップ)で準優勝に輝いたメンバーである小笠原満男、本山雅志、曽ヶ端準(いずれも鹿島アントラーズ)、中田浩二(鹿島CRO=クラブ・リレーションズ・オフィサー)、小野伸二、稲本潤一(ともにコンサドーレ札幌)、播戸竜二(大宮アルディージャ)、永井雄一郎(ザスパクサツ群馬)、南雄太(横浜FC)、氏家英行(群馬ヘッドコーチ)、高田保則(JFAユメセンスタッフ)と、当時の登録選手18人中、実に11人が一堂に会したのだ。残念ながら現在も日本のトップを走り続ける遠藤保仁(G大阪)やエースFWだった高原直泰(沖縄SV監督兼選手)らはスケジュールの都合で不参加となったが、稲本が「久しぶりにこれだけ同い年の選手が集まったんで、すごく楽しかった」としみじみ語ったように、彼らの一挙手一投足は観衆の目を引いていた。

 前半は小笠原と本山が中盤を形成。途中から播戸や南もプレーした。この中で負けじ魂をひと際強く押し出したのが小笠原。国内17冠を誇る常勝軍団のキャプテンは頭抜けた存在感を遺憾なく発揮し、前線からガツガツとボールを取りに行き続けた。試合後には「ヒデさんが『真剣に勝ちに行こう』って言ったから、ボスの指令です。マツさんは勝ちたい気持ちをガムシャラに出す人だった。やっぱり失礼なプレーはできないと思った」と語っているが、同世代が揃う場所では絶対に負けなくないという気持ちは少なからずあったはずだ。ユース時代は小野や本山、稲本の後塵を拝することが多かっただけに、激しく燃えるものがあるのだろう。

 後半は最終ラインに氏家と中田浩が入り、小野と稲本がダブルボランチを形成。最前線に永井が陣取ったが、小野のパスワークは見る者を大いにうならせた。これには小笠原も「伸二はやっぱり見ててうまいなと。俺はうまさは見せられないからガツガツ行くしかないと思った。本音を言えば、俺ら同世代で一緒にやりたかったね」と悔しがるほどの華麗なプレーの連続。中田浩のロングパス、稲本の攻め上がり、永井のドリブルとそれぞれが個性を強く発揮したのも黄金世代らしい点。ユース年代ながら傑出したタレントたちが世界大会でファイナリストとなり、シャビ(アル・サッド/カタール)を擁するスペインに敗れたものの、準優勝という偉業を果たした日本サッカー界における重要な歴史の1ページを改めて再認識する絶好の機会となった。

「36〜37歳になると、他の世代(のプロ選手)は数人しかいないけれど、俺らの世代は多くの選手が現役で試合に出続けている。それがレベルの高い証拠だと思います。今のユース年代は4大会連続で世界に出ていないけど、俺らの時はアジアではぶっちぎりに強かった。そうじゃないと世界では勝てない。自分がこの中でやれたのは本当に大きな財産だと思います」

 当時の正守護神・南雄太はしみじみ話してくれたが、79年生まれの“黄金世代”は今も本当に日本サッカー界のトップを走り続けている。10月31日のヤマザキナビスコカップ決勝を戦った鹿島の小笠原、G大阪の遠藤という両キャプテンの激しいバトルは、まさにその象徴だったと言っていい。

「今の若い選手はホントにうまいけど、気持ちの強さや闘争心とかが俺らとはちょっと違う気がする。ワールドユースに出てないけど、大学経由してプロになったツボ(坪井慶介=湘南ベルマーレ)や羽生(直剛=FC東京)、平川(忠亮=浦和レッズ)とかも能力が高い。(小笠原)満男がナビスコでMVPを取ったり、ヤットが最近まで代表入ってたりするのを見ると、ホントに自分も頑張らなあかんって思うよね」

 播戸は今の若手との違いを指摘してくれたように、凄まじい競争意識の高さが、30代後半になってもハイレベルに居続けられる最大の要因かもしれない。実際、播戸は練習生としてG大阪に加入し、エリートだった高原や小野の背中を追いかけ続けてどん欲に這い上がってきた。同年代の多くがJ2やJ3で戦う中、彼は大宮の一員として再びJ1に参戦するチャンスを手にした。そういう劇的なキャリアを描けたのも、黄金世代のプライドがあるから。彼らにはそのメンタリティを後輩たちに伝えていく責務がある。

「俺らの世代を超えられるものならやってみろってのがありますけどね」

 小笠原がヤマザキキナビスコカップ決勝後にこう話していたとおり、黄金世代がピッチ上で確かなパフォーマンスを示しているうちに、彼らを超える若手が出てこなければならない。日本サッカーの発展のためにも、そういう時がいち早く来ることを多くの関係者がサポーターが願っている。

文・写真=元川悦子

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