2016.11.02

【特別インタビュー】『キャプテン翼』連載35周年 作者・高橋陽一に聞く過去・現在・未来

(株)TSUBASA代表取締役/編集者/インタビュアー/スポーツコンサルタント&ジャーナリスト/サッカー解説者/(株)フロムワンにて『サッカーキング』『ワールドサッカーキング』など、各媒体の編集長を歴任。国内外のサッカー選手への豊富なインタビュー経験を持つ。

 1981年、『週刊少年ジャンプ』で連載がスタートし、その後の日本サッカーに大きな貢献をした漫画『キャプテン翼』。現在も『キャプテン翼 ライジングサン』として、オリンピックを戦う大空翼の姿が『グランドジャンプ』にて描かれている。

 連載開始35年を迎え、日本だけでなく、今なお全世界で愛されている『キャプテン翼』について、作者である高橋陽一先生に作品について、執筆業との向き合い方、自身と主人公・大空翼との関係についてなどを聞いた。

インタビュー=岩本義弘
写真=野口岳彦

翼たちが「まだ描いてくれ」と話しかけてきている感覚がある


『週刊少年ジャンプ』で『キャプテン翼』の連載が開始して今年で35年が経過し、コミックスのシリーズ累計は98巻となり、100巻が目前となりました。ここまでを振り返っていかがですか?

高橋陽一(以下、高橋) 描き始めた頃はここまで長く続くとは思っていませんでした。よくやってきたなと思う反面、今年で連載が終了した『こちら葛飾区亀有公園前派出所』は200巻ですから(笑)。その半分と考えると、まだまだだなとも感じます。まして同じジャンプでの連載だったわけですから、「よくやってきた」とは言いづらいですね。

『こち亀』は一話完結型ですが、『キャプテン翼』は一つのストーリーにおいて、キャラクターが成長を続けています。スポーツ漫画がこれだけの長期間続けてこられた最大の理由は何でしょう?

高橋 キャラクターそれぞれを、まだまだ愛していただいている、支持を得られているからこそ、続けられていると思います。翼たちが魅力的なキャラクターでいてくれているからですね。僕自身も翼たちが魅力的と感じていますし、だから、ここまで続けられているのかもしれません。

多くのキャラクターが小学生、中学生時代に登場しました。それぞれが成長し、ご自身で想像していなかった変化を見せたキャラクターもいるかと思います。今はどういった感覚で描かれているのでしょうか?

高橋 翼たちが「まだ描いてくれ」と話しかけてきている感覚があります。サッカーにおいては、1つの目標を達成しても、次の目標がすぐに出てくるものです。大会で優勝したから終わり、ではなくて、「次はユースでヨーロッパを相手に」「次はオリンピック」「次はビッククラブで」と、次々に目標は生まれます。そうすると、僕はその目標や夢に向かって頑張っている姿を描かないといけない、と思うんです。


連載が開始してからは毎週が“総選挙”だった


連載開始時、どういった心境で執筆されていましたか? そうそうたる面々がジャンプではしのぎを削っていました。

高橋 もう毎週が“総選挙”ですよ(笑)。かなりきつかったですね。ライバルがたくさんいましたし、当時は僕も若く、エネルギーに満ち溢れていた分、今以上に負けん気もありました。大変であったことは間違いないですが、振り返れば面白かったですよ。プレッシャーを強く感じたということはなかったです。基本的に僕は楽天家なので(笑)。でも、連載と並行して読み切りが入ってきたりすると、寝る時間が減ったりするので、体はクタクタになりました。これは今でもそうですね。眠気と体力の戦いです。ONとOFFのバランスをどうとるか。さすがに、今は昔ほどではなくなりましたが(笑)。

先ほど、作中での選手の成長についてうかがいましたが、大空翼の変化をお聞かせください。

高橋 小学生時代は“天然”ですね。天真爛漫と言いますか、無邪気です。でもそれが許されてしまう。周囲の人たちが自然と翼に惹かれ、集まり、盛り立てる。翼がでしゃばるわけではないので、集まった周囲の人たちも生きたのかもしれません。現在の翼も基本的には変わっていませんね。ただ、日本ではある意味“お山の大将”的な立ち位置でしたが、バルセロナに移籍すると、新人選手として、チャレンジャーである翼、という立場になったので、そこでの変化はあるかもしれません。

翼は小学校、中学校とほぼ負け知らずでした。高橋先生はジレンマを感じられることはありましたか? 中学3年生時の全国大会決勝で、翼の南葛中と日向小次郎の東邦学園は、引き分けという結果でしたが、当初は違う結末を想定していたとうかがいました。

高橋 最初は日向率いる東邦が負ける予定でした。でも「日向に勝たせてもいいのでは」という思いがあり、負けさせたくないから引き分けにしました。描いているうちに東邦学園や日向が成長していき、そこにすごく思いが入っていたんだと思います。中学に入ってから、日向が努力をするシーンを描くことも増えました。

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この人物の話をもっと描きたいと思ったとき、スッとペンが動く


描いているうちにキャラクターが成長していくことについて、どういった心境でしょうか?

高橋 魅力が出てきて、この人物の話をもっと描きたいと思ったとき、スッとペンが動く感じです。「こういうことをさせたら面白いだろうな」といった発想も出てくるようになります。例えば石崎了は、ずっと翼のパートナー、相方のような感じでストーリーに残ると最初は考えていませんでした。

日本代表まで成長するとは当初は誰も考えていなかったと思います。昔から登場するキャラクターはバックボーンもわかるので描きやすい、読者も馴染みがあったりすると思いますが、途中から登場したキャラクターではいかがですか?

高橋 印象的なのは葵新伍でしょうか。イタリアでのプロ入り前の人物像を描けたといった理由もあると思います。あとはリバウールですね。ベテランで長年チームの柱であるというキャラクターはそれまで登場したことのないものだったので。

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日本国外の選手の名前が出ましたが、外国人のキャラクターで思い入れがある人物はいますか?

高橋 ファン・ディアスは描いていて面白いです。ナトゥレーザも楽しいです。あとは(カール・ハインツ)シュナイダー。3人挙げるのであれば、この面々ですね。ディアスは『キャプテン翼』の世界観の中にディエゴ・マラドーナが加わるとこうなると思いながら描きました。マラドーナは僕と同い年なので、より強く意識しています。

ナトゥレーザはいかがでしょう?

高橋 エル・クラシコで描いたナトゥレーザがすべてと言えます。あのクラシコは実際にバルセロナとレアル・マドリードの試合を観て、「これを描きたい」と思い、そこに翼やナトゥレーザなどが登場し、自分なりのクラシコが描けたと思っています。ナトゥレーザは翼にないものを持っていて、意識して一番のライバルとして描きました。カルロス・サンターナも同じブラジル人ではいますが、ある意味で上の存在と言いますか、翼の本当のライバルとして描いています。

ではシュナイダーはいかがでしょうか? 海外でも人気があるキャラクターの1人です。

高橋 イメージとしては日向よりもすごいストライカーですね。とにかくカッコいい選手として描きました。

野球漫画における水島新司先生のような位置に僕もいたい


『キャプテン翼』は日本での影響力はもとより、海外での熱狂度は日本を上回るものもあります。作者としてのお気持ちをお聞かせください。

高橋 まずはサッカーというスポーツを描いているからこそ、受け入れてもらっているのではないかなと思います。例えば同じくらいの面白さであったとして、野球では世界に広がる可能性は少なかったのではないかと。サッカーが世界でポピュラーなスポーツであり、好きな人が多いからこそですね。

 僕は子どもの頃、野球少年で、当時は野球漫画をよく読んでいました。その中でも水島新司先生の描く野球漫画が好きでした。バッティングフォームやピッチングフォームの構図が一番カッコよかった。なので、僕はサッカーで自分なりのカッコよさを追求し、フォームや動き方の構図で誰にも負けないようになることを目指しました。野球漫画における水島先生のように、僕もサッカー漫画の中でそういう位置にいたいと思い、今も描いています。

描く際に、映画や本で得たものを参考にされることはありますか?

高橋 映画は観る時は大量に観ますね。本は移動の際や自宅でも読みます。漫画を描く以外ではサッカーを見るか、本を読むか、映画を見ることが多いので、あまりゆっくりしている時間はないですね。最近読んだ本では吉田修一さんの『怒り』が面白かったです。面白い本に出会うと、その作家さんの違う作品を読んだりします。ジャンルはミステリーが多いですね。

いろいろなものを吸収して、ご自身の中で消化されているんですね。

高橋 自然と体に染みつきますね。文芸作品に限らず、サッカー以外のスポーツを見ても、刺激を受けて、何か引っかかるものがあれば、自然と出てきます。それが職業・漫画家の嫌な部分でもあります。映画を観ていてもたぶん、どこか純粋に楽しめてはいないと思います。サッカーの試合を観ても、どこかで漫画のことを考えてしまう。

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登場人物は全員僕の子ども。一緒に戦ってきた。これからも翼たちと一緒に走り続けていきたい


ペンを持つ時、持たない時の切り替え法はありますか?

高橋 やらなければならない原稿があり、机に向かうと自然と集中してきて、気づいたら1日が終わっていることもあります。原稿に向かっている時間は、その世界に入っているんだと思います。

それは才能です! さて、『キャプテン翼』の連載が始まってから35年が経過し、当時の小中学生だった読者も、今は当時の自分の親と同世代になりました。そういった世代の方へメッセージをお願いします。

高橋 ぜひ、『キャプテン翼』を全巻そろえていただいて(笑)、親子で読んでいただきたいですね。今の子どもたちからも「好きです」と言われることもあり、すごいことだなと客観的に感じつつ、やはり漫画家として光栄で、大変嬉しいことです。

時代が変わっても、人間の本質は変わらないということかもしれません。海外での反応はいかがでしょう?

高橋 日本よりもアニメの再放送が多い印象があります。例えばヨーロッパではワールドカップやユーロが開催される時期に再放送があり、それが毎日テレビで流れるわけです。それをまた若い人たちが見てくれるという繰り返しで。やはり、嬉しいですよね。

35年が経ち、サッカー界も大きく変化しています。そこに『キャプテン翼』が与えた影響は大きいです。サッカーの発展に寄与したということは、どうとらえていますか?

高橋 漫画というものは読者に対して、例えば『キャプテン翼』であれば「翼のように頑張ろう」と思ってもらえるものだと考えています。なので、「翼のようになりたい」「翼のようなプレーをしたい」という、欲求に対して刺激を与えたことはできたのではないかと思います。

最後に、『キャプテン翼』という作品は高橋先生にとってどういう存在ですか?

高橋 これだけ長く続けてきた作品です。登場する人物全員が、僕の子どもであるとも思っています。長い間一緒に戦ってきたわけですし、今も読者の方に応援していただけているので、その後押しがある限り、どこまで行くのかは僕にもわかりませんが、翼たちと一緒に走り続けていきたいです。

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「BFBチャンピオンズ~Global Kick Off~」とは?
「BFBチャンピオンズ」は世界最高のチームを目指し、監督となり選手を育成、戦術を考え、世界一のサッカーチームを目指す本格思考型シミュレーションサッカーゲームです。ユーザーは監督となり、選手育成や世界のユーザーとの試合に挑むことでチームを強化していき世界一を目指します。
■Google Play URL:https://ja.bfb.sc/f-ip5
■App Store URL:https://ja.bfb.sc/swm3u
■『BFB Champions~Global Kick-Off~』公式サイト:http://www.bfbchamp.com

現在世界29ヵ国で配信されている本作では、これまでにディエゴ・マラドーナやロナウジーニョといった名選手、Jリーグの実際のチームであるFC町田ゼルビア、さらにはYoutuberとして知られるHIKAKINさんなどとコラボを実施。現在は『キャプテン翼』とのグローバルタイアップキャンペーンを開催中です。

今なら「大空翼」、「日向小次郎」、「若林源三」などのキャプテン翼中学生編の選手達や「南葛中学ユニフォーム」、「東邦学園中等部ユニフォーム」がゲーム内でゲットできるチャンス!また、「大空翼」の「オーバーヘッド」と「ドライブシュート」、「日向小次郎」の「ネオ・タイガーショット」などをゲーム内で完全再現!期間限定のこのチャンスを逃さないようにしよう!

期間(日本時間):~2016年11月22日(火)14:59<予定>

BFBチャンピオンズ
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