2012.09.25

G大阪浮上のカギを握るレアンドロ×パウリーニョ「ゴールよりも、勝利のために」

古巣の苦境を救うべく、中東から舞い戻ってきたレアンドロ。旧友の加入でさらなる持ち味発揮が期待されるパウリーニョ。ガンバ大阪浮上のカギを握るブラジル人ストライカーコンビが二人の関係と今後の可能性について語り合ってくれた。

 

インタビュー・文=下薗昌記

 

写真=吉田孝充

 

僕らの共通理解は、攻撃面ではアドバンテージになっている

 

 両選手は合流初日から親しげに話していましたが、いつから交流があるのでしょうか。

 

レアンドロ 僕がまだヴィッセル神戸に所属していた2007年に、パウリーニョのいた京都サンガと対戦したのが最初でしたね。その試合が初めての顔合わせで、それ以来ピッチを離れても親交を重ねるようになりました。

 

パウリーニョ そうだったね。

 

お互いに第一印象はどうでしたか?

 

レアンドロ 良かったですよ。ただ、対戦相手としてはピッチの上でかなり手こずらされましたけど。サッカー以外でも何度か会うようになって、今もいい付き合いをさせてもらっています。

パウリーニョ レアンドロのチームメートだったボッティと一緒に教会に行くようになったのが、友人関係がスタートする一つのきっかけでした。その後は、いろいろフェスタ(誕生日会)でよく会うようになりました。

 

お互いに選手としてはどういう印象を持っていますか?

 

レアンドロ 日本に来て初めてパウリーニョのことは知りましたが、非常に落ち着いていて、常に平常心を保っている人ですね。

 

パウリーニョ 僕にとっても、対戦相手のレアンドロはうざったい選手だなと思っていました(笑)。もちろん非常にいい選手ですし、まだガンバに合流して間もないですけど、もっとチームの力になってくれる選手だと思っています。ピッチを離れた印象だと、娘さんに温かく接しているし、家族を大事にしている印象がありますね。

 

レアンドロ選手から見たパウリーニョ選手のストロングポイントは。

 

レアンドロ スピードとアジリティーがあるのは言うまでもないですけど、フィジカル的に当たりにも強い。突破力も持っていますし、パウリーニョの前方にボールが出たら、ほとんどのザゲイロ(DF)が追いつくのは難しいと思います。シュートも強烈なので、得点につながるプレーができる選手ですね。ガンバに戻ることを考えた際には、当然どんな選手がいるのかという情報も得ます。パウリーニョのプレースタイルは過去に対戦した時に分かっていましたし、狭いスペースでもコンビネーションで崩せることができるので、うまく連係を深めていけると思いますよ。

 

パウリーニョ選手にとってレアンドロ選手はどんな選手と見ていますか?

 

パウリーニョ レアンドロもスピードがある選手で、FWにとって不可欠なポジショニングのセンスも非常に優れているのも特長ですね。それとコースを狙ったシュートが非常にうまい。先日の大宮アルディージャ戦でもポストに嫌われたシュートがありましたが、どんなチームもレアンドロのようなアタカンテ(FW)は欲しいと思うでしょうね。

 

松波正信監督は「レアンドロと一番連係が合っているのはパウリーニョ。ブラジル人ならではの阿吽の呼吸がある」とコンビネーションを称賛していました。

 

レアンドロ ブラジル人選手なので、決まったパターンだけのプレーにこだわることはないですね。やはり意外性がブラジル人同士の持ち味ですし、僕個人の見解としてはコミュニケーションの良さが関係していると思います。試合中、日本人選手と意思疎通を図るのはまだ簡単じゃないですけど、パウリーニョとは試合中にも言葉を交わし合っていますし、僕が相手DFを引っ張ったら、そこにできたスペースへパウリーニョが入り込むとか、そういう意思疎通が簡単にできる。Jリーグは相手の守備陣がコンパクトなので簡単にはスペースが生まれません。僕らの共通理解は、攻撃面ではアドバンテージになっているでしょうね。

 

パウリーニョ選手のご意見は?

 

パウリーニョ サッカーはどこでやっても普遍的な要素がありますけど、やはりレアンドロが言ったようにコミュニケーションは必要不可欠ですね。しっかりと理解し合うことでブラジル人選手が得意なワンツーもできますし、相手DFは僕たちが話していることも理解できないと思う。ワンプレーで試合を決定づけることができるでしょう。

 

レアンドロ まだ一緒にプレーするようになって時間も浅いので、アイコンタクトで分かり合えるところまではいっていませんが、大宮戦に関しては「ワンタッチではたこう」とか言葉は交わし合っていました。

 

写真=足立雅史

 

その大宮戦はお二人が初めてそろって先発し、チームも貴重な勝利を手にしましたね。

 

パウリーニョ 先発で一緒にプレーしたことは良かった。前半は主導権を握りながら2回もポストに嫌われて得点にはなりませんでしたが、後半はレアンドロが得点機をものにして2点を奪えたし、倉田(秋)の点もありました。チーム全員の奮闘で勝ち取った勝利だと思います。

 

レアンドロ 僕が2得点できたのはうれしいですけど、それ以上にチームが勝利できたことが良かった。大宮戦は今後のリーグ戦で大きな分岐点になる試合だったと思います。大宮から勝ち点3を奪えたのは、勝ち点で下位にいるガンバにとって大きい。もし、あの試合で負けていれば、状況はかなり厳しくなっていたでしょうからね。僕らがこれから復調するための第一歩になるはずです。ただ、素晴らしい勝利も試合後にロッカールームで祝福したら、そこで過ぎたものとしなければダメ。いいところは継続し、悪かったところは修正する。連勝することがチームが巻き返しを図るためにも重要ですから。

 

サポーターの皆さんとともに喜びを分かち合いたい

 

 2トップとしてお互いをどう生かし、生かされる関係にするつもりでしょうか。

 

パウリーニョ まず動きの質が非常に大事なポイントですね。しっかり動き回ることでレアンドロにスペースも生まれるでしょうし、お互いにプレーしやすい点を意識しながら、僕は自分のドリブルなどで、レアンドロがよりフィニッシュに力を発揮する場面を作りたい。

 

レアンドロ まず僕たちと相手のポジションはしっかり気をつけなければいけないですが、味方がスペースをうまく利用できるようなプレーを心掛けています。特に2人の関係では、数的同数の時にパウリーニョがマッチアップしている選手と一対一になれるように、相手選手を僕のほうへ引きつけることを意識しています。そうすればパウリーニョの速さが生きますから。サイドをパウリーニョが突破してくれて、僕が中央に入り込んでボールを待つ形が作れれば最高ですね。

 

これまでG大阪の好調時には、常に前線に強力なストライカーがいました。G大阪でFWを任される意味をどう捉えていますか?

 

パウリーニョ ブラジル人でコンビを組めるのはいいことですし、大宮戦のように2トップを組む機会をものにしていきたいし、継続することでクラブでの新たな歴史を築き上げることができると確信しています。

 

レアンドロ ガンバのFWであることの責任は重大だと僕も思っています。偉大で、かつ伝統のあるクラブのユニフォームに袖を通すことは名誉なことですし、ガンバに所属する前にいくつかのJクラブでプレーしましたが、ガンバと対戦する時に「このクラブは別格だな」と実感していました。今回は2度目の移籍ですが、日々の練習からしっかりと取り組んでチームに貢献できるように皆と力を合わせたいですね。

 

ともに「ガンバはビッグクラブ」という言葉が出ました。強豪であるべきG大阪をどう低迷から立て直していくおつもりですか。

 

レアンドロ 皆が懸命に立て直そうとしているし、チームは正しい道を歩んでいると思います。最近は運も向いてきたと思うし、大宮戦では久々に勝利を挙げることができました。大阪ダービーは残念ながら引き分けに終わりましたが、チーム全体が上昇傾向にあり、プレー面でも内容は向上しています。選手間でも互いを助け合おうという姿勢を感じますし、味方のために少しでも走ることで、間違いなく順位も浮上していけるはずです。

パウリーニョ 今シーズンは開幕前にタイトル獲得を目標としましたが、悪い流れの中でチームの軌道がずれて、残留争いに絡んでしまっているのが現状です。ただ、レアンドロが言ったように、僕たちは正しい道を歩んでいます。チームもまとまっていますし、選手全員がベストを尽くすという気持ちでプレーしています。だから間違いなくこの悪い流れと残留争いから抜け出せると思っています。

 

写真=足立雅史

 

巻き返しには勝利が必要です。そのためにはFWの責任は重大ですね。

 

レアンドロ FWとしての責任はガンバに限らず、どのチームでも同じですよ。ブラジルサッカーには「FWはゴールを糧にしている。得点を決められないと飢えてしまう」という格言があります。自分たちの今のチーム状況を考えれば、FWが点を取るのもうれしいけど、誰でもいいから点を取ることがチームに大切です。大事なのはネットにゴールを押し込んで、チームが勝利することですから。

 

パウリーニョ 言いたいことを先に言われちゃったね(笑)。FWは得点のために生きている存在なのでゴールを決めなければ評価されない側面はありますが、今はチームが勝ち点3を取ることが最優先。僕らだけじゃなく、誰が点を取ってもいい。FWには佐藤(晃大)もいますし、中盤やDFでもいい。ブラジルではGKが点を取ることもありますから。レアンドロ ゴールの形としてヘディングでも、胸でもお尻でも何でもいいから点を取りたいよね(笑)。

 

お互いにメッセージをお願いします。

 

パウリーニョ 得点を生み出すレアンドロの両足と頭、胸に神様が御加護を与えてくださいますように。

 

レアンドロ 僕も同じ気持ちです。試合によっては僕らが点を取れないこともあるかもしれないけど、チームのためにしっかり目標を果たすべく、神の御加護があるようにお祈りしたいですね。

 

サポーターはお二人の活躍を期待しています。改めてサポーターの皆さんにメッセージをお願いします。

 

レアンドロ まずサポーターの皆さんがしてくれる後押しに感謝したいですね。そして、これからもできるだけスタジアムに足を運んでもらって、12番目の選手として僕らに力を与えてほしい。サポーターの存在があるからこそ、内面から力が湧き出てきます。そして今の悪い流れを払拭するつもりです。

 

パウリーニョ 僕らを信じ続けてほしいです。選手や監督、ガンバのスタッフ全員がチームのために全力を尽くしています。僕たち選手はピッチの上で力を出し切って、サポーターの皆さんとともに喜びを分かち合いたいと思います。

 

逆襲のガンバ ~大阪の力を一つに、いざ万博蹴結~ Jリーグサッカーキング2012年10月号

逆襲のガンバ ~大阪の力を一つに、いざ万博蹴結~

 8月24日発売のJリーグサッカーキング10月号は、リーグ後半戦での巻き返しを誓うガンバ大阪を大特集! 巻頭はチームの大黒柱である遠藤保仁選手のロングインタビュー! チームが上昇するため、“常勝ガンバ”に戻るために必要なことを語ってくれました。そしてガンバの前線を担う2人のブラジル人ストライカー、パウリーニョ選手とレアンドロ選手の対談にも注目。こちらもチームに対する思い、勝利に対する2人の思いが詰まった対談となりました。また、古巣を救うべく帰ってきた家長昭博選手は、いかなる思いでガンバへ舞い戻ってきたのか、そしてガンバで挑む新たなチャレンジについて言及。チーム全選手を紹介してくれた加地亮選手はチームメートの知られざる秘密を教えてくれました。  また、今回は同じく大阪に拠点を置くなでしこリーグのスペランツァFC大阪高槻にもスポットを当てています。なでしこジャパンの丸山桂里奈選手、ヤングなでしことして活躍する浜田遥選手、8月に就任した本並健治新監督のインタビューなど注目記事が満載です。ぜひ、ご一読ください!

   
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