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国立の椅子で当時の臨場感を再現? 山口素弘、日韓戦のループシュートは「入ったと思った」

2016.02.25

 2月16日、八丁堀のイベントスペース『Football★Plaza』でトークイベント「山口素弘と国立の椅子に座って思い出を再現しよう!」が開催された。

 当時をより再現するために、約40名の参加者は日本代表もしくは横浜フリューゲルスのユニフォームを着用。旧国立競技場の座面を使用した椅子に座り、山口素弘氏のトークに耳を傾けた。

 最初に国立へ足を運んだのは「小学5年生か6年生の時」という山口氏は、「トヨタカップでカードは何だったかな。チケットが取れた試合は、よく見に行っていました」と幼少期の思い出を語る。初めてピッチに立ったのは、1987年1月の全国高校サッカー選手権大会の開会式で、選手宣誓という大役を果たした。山口氏は「引いちゃったんですよ、一番くじ」と苦笑いを浮かべながらこう続けた。

「『おめでとうございます』って言われて。何のことかよく分からなかったんですけど、選手宣誓だって言われました。これはやばいな、と思いましたよ。言葉は自分で考えましたよ」

 そして、実際に国立のピッチでプレーしたのは全日本大学サッカー選手権大会の決勝。「お客さんは全然入っていませんでしたけど、それでもピッチからの景色は良かった」と感慨深く振り返った。

 プロ入り前のエピソードに、参加者たちも興味津々で聞き入る。その後は、横浜フリューゲルスや日本代表の裏話が飛び出し、1997年9月28日に行われたFIFAワールドカップ・フランス大会のアジア地区最終予選・韓国戦で決めたループシュートの話題になると一層の盛り上がりを見せた。

 会場ではゴールシーンが映像で流れ、一気に当時の記憶がよみがえる。「ボールを奪った瞬間、呂比須(ワグナー)とカズ(三浦知良)のどっちに出そうかと思ったけれど、(ホン)ミョンボさんが少し動いたんです。それを抜いて、ボールを持ち込んだ時にはすでにGKが見えていたので、すくい上げるしかないなと。すくった瞬間はもう入ったと思いましたよ」。こうして芸術的なループシュートを決めた山口氏だが、ゴールが決まった瞬間はいたって冷静だったという。「まだ試合は終わっていなかったんで」と一喜一憂せず、チーム一丸となって追加点を狙いに行った。しかし、結果は逆転負け。「イ・ミンソンの2点目は、最後にスライディングしたんですよね。でも、ギリギリで届かなかった。それが悔しかったですね」と当時の心境を明かした。

 山口氏は参加者からの質問にも笑顔で応じ、最後は全員で記念撮影を行った。実は、旧国立の椅子が『Football★Plaza』に届いて初のイベント開催。記念として、座面にサインを入れてくれることになったが、椅子にはそのまま座席番号がナンバリングしてあるため、参加者全員で「F(フリューゲルス)の5番」、もしくは日本代表で身につけた「6番」を探すことに。結局、「O-5」の椅子にサインを入れ、拍手の中、90分間にわたるトークイベントは幕を閉じた。

写真=瀬藤尚美(集合写真は拡大できます)

■イベントスペース紹介
 約80人まで収容できる大スペースは、無線LANやスクリーン、プロジェクターなど様々な機材を完備。サッカーに関係ないイベントでも利用が可能となっている。有名サッカー選手のお宝グッズが装飾されており、旧国立競技場の自由席の座面をリユースして制作したスツール(椅子)を使用しているため、他にはない特別な空間が演出できる。

■製品紹介
 旧国立競技場の自由席の座面をリユースして制作したスツールは購入も可能。国内外で高い評価を得るデザイナー/ディレクターの小林幹也氏がデザインを担当した。“国立感”を損なわないように、脚の存在感を強調しないカラーリングとフォルムにデザイン。脚のパイプは女性や子どもでも持ち運びしやすいように持ち手代わりになっている。

By サッカーキング編集部

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