2015.09.28

U-22代表FW金森健志が高校生にエール「高校まで無名でも、五輪代表候補にまで上りつめることができる」

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インタビュー=坂本聡 写真=瀬口陽介

 リオデジャネイロ・オリンピックを目指すU-22日本代表の一員であるFW金森健志(アビスパ福岡)。全国高校サッカー選手権の舞台に立つことを夢見て、サッカー漬けの毎日を送ったという学生時代を振り返り、同じ夢を抱く現在の高校生プレーヤーにエールを送った。

ただひたすらお前はゴールを決めればいいから」とずっと言われてました

――金森選手の出身の筑陽学園高校といえばサッカーの名門校ですが、高校時代はどんな練習をしていたのですか?
金森 めっちゃグラウンドが狭くて(笑)。グラウンド一面のうち、女子ソフトボール部が半分使ってたんです。

――女子ソフトもすごく強いんですよね。
金森 そうです。だから、その残り半分をサッカー部の120人くらいで使っていました。グラウンドの半分を学年ごとに三分割して。狭いグラウンドでよく練習できたなという感じですね。

――筑陽学園ならではの特別な練習メニューはありましたか?
金森 パス&ゴーや走りながらのドリブル。走ることばっかりで、めっちゃキツかったです。

――休みはどれくらいだったのですか?
金森 週に1回あるかないかですね。土日は毎週試合に行くので、月曜日の学校終わりだけ休みになったりして。ほとんどサッカー漬けの高校生活でした。

――では、高校時代の「普通の1日」はどんな感じでした?
金森 僕は筑陽学園から少し離れたところに住んでたんですけど、朝起きて駅から電車に乗って、学校に着いて、授業を受けて、すぐに部活に行って。毎日20、21時くらいまでやって、帰宅するのが22、23時くらいでした。

――練習はどれくらいやってたんですか?
金森 17時くらいからスタートして20時くらいまでですね。

――ボールを使った練習よりも、みっちり走る方が多かったのですか?
金森 いや、ボールは使います。ボールを使いながら走ることが中心のメニューです。ただ、週に1回素走りがあるんですけど、それがもう嫌で……。

――何キロくらい走るんですか?
金森 グラウンド12周とクーパー走とか。めっちゃキツかったですね。僕は体力がなかったので、全学年みんなで走った中でも常に後ろの方にいました。

――当時の監督に言われて印象に残っていることはありますか?
金森 吉浦(茂和)総監督から「お前は何も考えずにやれ。考えると逆にダメになる」とずっと言われてました。「ただひたすらお前はゴールを決めればいいから」と。

――高校3年生の時にはプリンスリーグ九州で19試合20ゴール。すごい数字ですね。
金森 奇跡ですよね。本当に点取り屋みたいな感じでした。今もそのくらい取りたいですけど。

――吉浦総監督は厳しい方だったのですか?
金森 サッカーだけではなくて、私生活の部分もしっかり見てくれていました。それは吉浦先生だけではなく、筑陽学園の監督、コーチ、すべての人がそう。人間的に成長するための部分もしっかり指導してくれた学校でした。

――その時の教えは今に活きていると思いますか?
金森 メンタル面は成長しましたね。特に筑陽学園中学校時代はすごく厳しかったので。

――厳しいというのは?
金森 私生活の部分ですね。挨拶や上下関係、時間厳守、頭髪検査とか、一つひとつの部分でよく言われてました。でも、筑陽学園に入って良かったなと思います。

――反発はしなかったんですか?
金森 ありました(笑)。中学生の時はサッカーを辞めたいとか、普通の公立中学に戻って楽しくサッカーをやりたいと思った時期がありました。

――私生活は細かいところまで指導されるのに、ピッチに入ったら「好きにやれ」と言われていたのですね。
金森 そうですね。だからサッカーをやってる時が一番楽しかったです。

選手権のために過ごした高校時代。仲間を大事にすることを学んだ

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――学生時代にやっておいて良かったと思う練習はありますか?
金森 やっぱり体力面ですね。筋トレもそうですし、シュート練習もたくさんしていました。練習が終わったら毎日やっていました。それはプロに入っても活きている部分だと思います。

――シュート練習はどういう意識でやっているのですか?
金森 僕のシュートはパンチ力がある方なので、コースはもちろん狙っているんですけど、GKが動けないようなシュートの練習を高校の時からやっていました。プロに入ってから筋力もさらに上がったと思いますし、高校時代から意識してきたことが今にも活きていると思います。

――金森選手はドリブルが特長ですよね。
金森 僕は高校の頃からドリブルばかりしていて、パスは出さないくらいの選手でした。だからこそ今もドリブルが好きなんだと思います。でも、プロに入ってドリブルだけでは通用しなかったので、ドリブルを持ち味として出していく中で、チャンスメークをしたりパスも出せる選手になっていかないといけないと思っています。

――高校生に向けてオススメの練習方法はありますか?
金森 ドリブルの練習だけをすることはないので、実戦が本当に大事だと思います。実戦でどんどん仕掛けていくことですね。

――では、日本中にいる学生プレーヤーに向けてアドバイスをお願いします。
金森 僕自身、高校時代の3年間は選手権のために過ごしてきたようなものです。仲間を大事にするということをその3年間で学びました。僕は選手権に出られませんでしたが、選手権のために1日1日を大切にしてほしいなと思います。高校で無名だった選手でも、こうやってプロに入って試合に出て、オリンピック代表候補にまで上りつめることができているので、誰一人可能性がないわけじゃない。今の高校生には、自分でもなれるんだという気持ちを持ってやってほしいなと思います。

――金森選手は、自分がプロになれた要因は何だと思いますか?
金森 何か一つ、自分しか持っていないストロングポイントを持っていたこと。あとは「プロになりたい」という気持ちですね。