10月17日、「秋本真吾のスプリント力向上セミナー」第1回が、東京都北区王子のキャプテン翼スタジアム東京北にて開催された。
同セミナーでは、男子200メートルハードルのアジア最高記録を持つ元プロ陸上競技選手の秋本真吾氏を講師に招き、サッカー選手に特化したスプリント力向上のための基本メソッドを実技と座学による講義で伝授。指導者やプレーヤーなど、13名が参加した。
スプリントコーチとして、浦和レッズの日本代表DF槙野智章をはじめ、DF加賀健一、MF梅崎司、MF宇賀神友弥、MF関根貴大、MF小島秀仁(現・愛媛FC)などを個人指導している秋本氏。「今まで陸上で身につけたことをサッカーなど他のスポーツに還元していきたい。今日は自分の持っているメソッドをできる限り全て伝えたい」と語り、セミナーは開始された。
始めに行われた実技では、ストレッチから始まり、走るための姿勢など一つ一つ細かく指導。実際に秋本氏が行って見せるなど、参加者は“完璧”なお手本を食い入るように見つめていた。特徴的だったのは、タブレットを使っての指導だ。要所で参加者の走りを撮影し、すぐにチェック。この動画を用いたトレーニングは、参加者からも「わかりやすい」と好評だった。社会人サッカークラブの指導にあたっている飯沢賢大さんも、「力が抜けて、足が速くなる感覚が味わえた」と話す。短時間ながら参加者は走り方のコツをしっかりと身に付けたようだ。
続いて行われた座学では、陸上選手とサッカー選手の比較から、実際に秋本氏自身が指導した浦和レッズの選手たちの動画、オススメのトレーニングメニューなど、映像を用いて“良い走り方”を詳しく解説。参加者のメモを取りながら真剣に聞き入っている姿が見受けられた。さらに、先ほどの実技で録画した参加者の講義前と講義後の走り方を動画で比較。秋本氏は、「みなさん走り方がすごく変わった。速い走り方ができている」と称賛した。
また、講義の最後には参加者から多くの質問が寄せられた。走り方など技術的なことだけではなく、多くの選手を指導してきた経験から、指導法などの質問にも丁寧に応えていた。
セミナー後の参加者に話を聞くと「実技、座学ともに内容が濃く、すごく勉強になりました」と笑顔で会場を後にしていた。参加者の満足度はかなり高いようだ。
なお、同イベントは10月31日に第2回、11月14日に第3回が開催される。
セミナー後コメント・秋本真吾氏
「参加者の方の意識の高さが、トレーニングの即効性につながったと思います。あっという間の時間でした。今回のセミナーが参加していただいた方々のトレーニングや指導現場につながりますように。参加していただき本当にありがとうございました」
セミナー後コメント・大方貴裕さん(高等学校教員)
「私が指導しているチームでも、走りが遅くて勝てないと思う場面が何度もあったが、速く走るのは才能かと思って諦めていた。でも実際に自分もやってみて、走り方が変わったのを実感できた。早速明日から試してみたい」
セミナー後コメント・本田慧悟さん(大学生)
「今までの自分の普段の走り方は、秋本さんの言う“悪い走り方”だった。試合でもスピードで負けたりしていたので。自分だけでなく、自分からみんなに発信して部活全体で生かしていきたい」
セミナー後コメント・吾妻良則さん(会社員)
「私自身、走ることが好きなので、以前テレビ番組で秋本さんを拝見して、走り方のスキルを教えてもらいたいと思っていた。難しいという印象だったが、実際にやってみたら、本当に手軽に取り組めるものばかりたっだので、これなら自分でもできそう。今日学んだことを、自分のレベルアップにつなげていきたい」
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【講座前に行われた秋本真吾氏のインタビュー記事】
<第1回>「足を速くする技術はたくさんある」…サッカー界で注目を集めるプロスプリントコーチとは?
<第2回>プロスプリントコーチの秋本氏が明かす、サッカー選手のコーチングとは?
<最終回>「走りが変わればチームは強くなる」…プロスプリントコーチがサッカーの常識を覆す
By サッカーキング編集部
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