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【ユーロ開幕直前インタビュー】ファンデルファールト「全試合5-3で勝ちに行く」

2012.06.03

EURO2012 完全ガイド 全16カ国選手名鑑 掲載]
オランダ代表のゲームメーカーはヨハン・クライフの哲学である華麗な攻撃サッカーを実践することでヨーロッパの頂点に立てると信じている。
ファン・デル・ファールト

100パーセントの自信で試合に臨む

ユーロ開幕はもう目前だ。テンションが上がってきたのでは?

ファン・デル・ファールト 君の言う通りだ。ユーロは特別な大会だし、グループリーグで僕らが対戦するドイツ、ポルトガル、デンマークは本当に強敵だからね。もっとも、サッカーファンにとっては、こんなカードがグループリーグで見られるなんて最高だろう。大勢のファンが楽しみにしていてくれるならうれしいよ。

オランダにとってのユーロは、これまで成功よりも失敗が多かったと考えられているようだ。

ファン・デル・ファールト 多分ね。でも、それは僕らが多くのことを成し遂げてきたからでもある。期待されるだけのチームを常に準備してきたということさ。今回のチームも、南アフリカ・ワールドカップの決勝進出、今回の予選の好調ぶりにより注目されている。W杯で優勝するよりも、ユーロで優勝するほうが難しい。みんなそれを知っているけど、僕らは周囲の期待に応えるだけの自信を持っているよ。そう、やるべきことは一つ。100パーセントの自信で試合に臨むことだ。

南アフリカ大会の決勝では、オランダ代表のプレーを「汚い」と批判した人がいた。何か言いたいことがあるのでは?

ファン・デル・ファールト いや、特にない。W杯決勝でも僕らは自分たちのサッカーをした。スペインが偉大なチームであることは知っている。でも、オランダにだってボールを保持することはできるし、攻撃的なサッカーもできる。オランダ代表を“汚い”という人に同意はできない。僕らは僕らのハートに従って戦っているんだ。

オランダ代表での君は下がりめの位置からゲームメークを担い、チームのキープレーヤーになっている。このポジションでプレーすることをどう感じる?

ファン・デル・ファールト このポジションはすごく気に入っている。僕はゲームを動かすのが好きなんだ。多くの優れたプレーヤーに囲まれてプレーできるのは幸せだよ。

アルイェン・ロッベン、ウェスレイ・スネイデル、ロビン・ファン・ペルシー、クラース・ヤン・フンテラール……。攻撃陣にはすごい選手がそろっている。やはりオランダの持ち味は攻撃なのかな?

ファン・デル・ファールト そうだね。僕らは全試合5-3で勝ちに行くよ! それがクライフの哲学だからね。僕は1-0の勝利より、5-3で勝つほうが好きなんだ。サッカーはいつもエンターテインメントで溢れるべきだ。それがオランダ人の哲学なのさ。僕はそんなサッカーができて幸せだ。チームメートもみんなそう思っているだろう。オランダ代表は、どんな強豪も打ち負かせる。そんな確信を持っているよ。そう、スペインが相手であってもね。

チャンスを逃したことがモチベーションになっている

ドイツとの対戦は両国にとって重要な一戦になりそうだね。

ファン・デル・ファールト オランダ人選手にとっては最も重要な試合だよ。親善試合でさえ必ず激しい試合になるんだから、ユーロとなればどれぐらいになるのか……。2004年に対戦した時もすさまじかった。僕はブンデスリーガで何年かプレーした。ドイツでの生活はすごく気に入っていたよ。妻はまだドイツで仕事をしているしね。僕にとってドイツ戦はすごく大切な試合になる。待ち切れないよ。

昨年11月、オランダ代表はドイツ代表に0-3で負けたよね。あれが何かを暗示しているとは思えない?

ファン・デル・ファールト 僕はその試合に出ていない。家でテレビ観戦していたよ。あの敗戦が今大会に何の影響も及ぼさないのを願うよ。

スペインサッカーこそが最上だと主張する人たちに言いたいことはある?

ファン・デル・ファールト 分からないよ。スペインが強いチームであることは確かだ。サッカーの内容も素晴らしいしね。だけど、強豪との試合で勝敗を分けるのは、ほんの小さな要素で、それは単なるツキの差だったりする。南アフリカの地でスペインは最強の称号を授かったけど、だからって僕らは自分たちが劣っているとは思わない。

若くしてアヤックスでデビューした君も29歳になった。国際レベルではまだ手にしていないタイトルがたくさんあるけど、残念だと思っている?

ファン・デル・ファールト 何度かチャンスを逃しているのは残念だけど、それがモチベーションになっているよ。

ユーロやW杯のような大会に、君はあと何回出場できるだろう?

ファン・デル・ファールト 自分の年齢については「まだたったの29歳」だと思っている。オランダ代表で長くプレーしているけど、もっと試合に出たい。なぜなら、代表のユニフォームを着ることは名誉だからだ。29という年齢はサッカー人生のピークだろう。だから、29歳でユーロを迎えることに、すごくワクワクしているんだ。今はとにかくオランダ代表のために何かを勝ち取りたい。今まで数々の偉大なクラブに所属して、たくさんのゴールを決めてきたけど、今はヨーロッパチャンピオンになることしか考えていない。優勝こそがすべてだと感じているんだ。

君はユーロ88で優勝したチームにすごく影響を受けているみたいだね?

ファン・デル・ファールト オランダは74年と78年のW杯で準優勝した。僕らも2年前に準優勝している。でも、大事なのは優勝することだ。僕らがやるべきことは、ユーロ88でのオランダ代表のように戦うことなんだ。当然、すごく難しいだろう。でも、もしかしたら今年は僕らの年かもしれない。

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