[ワールドサッカーキング 2012.05.03(No.213)掲載]
シーズン終盤に向け、アンドレス・イニエスタが、キレのあるプレーを見せている。連覇を狙うチャンピオンズリーグはもちろん、リーガ・エスパニョーラのタ イトルも彼は決して諦めていない。すべてを勝ち得た男のモチベーションはどこからくるのか。飽くなき勝利への欲求について、イニエスタが語った。

今シーズン、左足の肉離れによって何度も戦線離脱を余儀なくされたアンドレス・イニエスタは、いまだかつてないような苦戦を強いられた。少数精鋭を貫くバルセロナにとってイニエスタの欠場は攻撃の停滞を招き、レアル・マドリーの独走を許す一因となった。
しかしケガが癒えた現在、イニエスタはシーズン終盤戦に向けて自身のコンディションを整えつつある。リーグ戦第31節のアスレティック・ビルバオ戦、そして、チャンピオンズリーグ(以下CL)準々決勝セカンドレグのミラン戦。決して負けることが許されないこの重要な2試合で、イニエスタは鮮やかなゴールを決めた。今シーズンのバルサは確かに、中盤の構成において様々なオプションを持っている。だが、やはりイニエスタは代えの利かない選手であることを、彼は自らのゴールで証明したのだ。
もちろんイニエスタは可能性の残るすべてのタイトル獲得を諦めてはいない。リーグ戦でR・マドリーにどれだけ離されようとも、彼は最高のプレーを続けバルサの推進力となるつもりだ。そして、これまで何度もバルサの窮地を救ってきた救世主はタイトルを争う大一番で、活躍のチャンスを狙う。最強のライバルと雌雄を決するクラシコの日は、刻々と近づいている。
僕らは自分を超えて更に前に進むということを目標にしている。
君は2月からコンスタントにゲームに出場しているけど、現在のコンディションはどう?
イニエスタ 今は体調万全だよ。ゲームに出られているということは、100パーセントプレーできる状態だということさ。僕はちょっとでも不安があればピッチに上がらない。それは僕自身のやり方でもあるし、チームとしての考え方でもあるからね。
今シーズンは何度も左足太もものケガに見舞われたけど、何が原因だったと思っている?
イニエスタ 正直言って、特別な原因はないんだ。単純に足に疲労が蓄積したからだと思っている。シーズンは長いから、どうしてもフィジカル面での負担が大きくなる。ただ、今シーズンはケガが多すぎたよね……。だから、練習方法を考え直すのが今後の課題だよ。
今シーズン、バルサがリーガでR・マドリーに後れを取ったのは、君を含め、ケガ人が続出したことが原因だと言われている。また、一方ではモチベーションの低下を指摘する声もあるよね。
イニエスタ それは大間違いだよ。僕らは全員、勝利に飢えている。勝利のためにピッチに上がり、すべての試合で勝利を収め、すべての大会で優勝するつもりなんだ。今シーズンは既に3つのタイトルを手にしているけど、僕らはこれで満足しているわけじゃない。CL連覇はもちろん、リーガのタイトルだってまだ諦めていないよ。
「頂上を極めたチームは、あとは落ちるだけ」なんて言われるけど、そういった不安はないの?
イニエスタ 確かに高いレベルを保つことは難しい。でも強い気持ちを持っていれば、望みはかなうはずだ。僕らは自分を超えて更に前に進むということを目標にしている。過去に獲得したタイトルに満足してしまうような選手は、バルサの競争を勝ち抜くことはできないよ。
競争と言えばバルサには今シーズン、セスク・ファブレガスが加わった。彼の活躍についてどう評価している?
イニエスタ セスクの活躍は予想通りだった。彼はバルサで育った選手だからね。子供の頃からバルサのサッカーを見ているし、バルサをよく知っている。だからチームになじむのに時間は必要なかった。バルサがどういうサッカーをやるのかを100パーセント理解しているはずだし、彼にとってはすべてがスムーズだったと思うよ。
ファブレガスがバルサにもたらしたものは何だと思う?
イニエスタ 彼の加入でバルサの攻撃力が一段とアップしたの間違いない。セスクは戦術に付加価値をもたらしたんだ。でも、バルサの戦術の基本コンセプトに変わりはない。セスクがバルサのサッカーに同化したと言ったほうが適切かな。ポゼッションを高めながら自分が自由に動けるスペースを見いだす。セスクはこういったスタイルを実践して、チームに貢献しているんだ。

ワールドサッカーキング No.213日本人プレーヤー 飛躍の現在地
▼インタビュー イニエスタ「マエストロの覚悟」
▼インタビュー 香川真司「日増しに高まる自身への手応え」
▼インタビュー 指宿洋史「確かな足跡」
▼ブンデスリーガベテラン記者座談会
▼連載『MADE in JAPANA』本田圭佑
▼特別付録 WSKオリジナル・ポスター(ドルトムント/チェルシー)
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