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【新世代インタビュー】スタリッジ「総合力の高いストライカーを目指している」

2012.04.15

ワールドサッカーキング 2012.04.19(No.212)掲載]
ついに才能を開花させたダニエル・スタリッジのプレーにはすごみが感じられる。彼はピッチ内外のすべての経験を糧としたことで、自らの可能性を増大させたのだ。スタリッジが、チェルシーでの激しいポジション争いに勝利した理由を真摯に語る。
スタリッジ

インタビュー・文=クリス・ヘザラル 翻訳=田島 大 写真=フォトスポーツ

 今シーズンの開幕前、ダニエル・スタリッジがこれほど多くの試合で起用されることを誰が予想しただろうか。チェルシーの前線には、ディディエ・ドログバ、フェルナンド・トーレス、ニコラ・アネルカといった実績十分のアタッカーがそろい、数年にわたってチームを支えてきたフロラン・マルダやサロモン・カルーも控えている。夏の移籍市場では複数のポジションをこなせるフアン・マタも加入した。スタリッジの活躍を疑問視する者は少なくなかったはずだ。

 しかしスタリッジは、第30節終了時点で既に21試合にスタメン出場。本来のセンターフォワードではなくウイングで起用されながら、予想以上のプレーで首脳陣の期待に応えている。

 自身の成長プロセスを冷静に見据えるスタリッジは、ピッチ上で体験するすべてのことを自らの進化につなげようとしている。何事もポジティブに捉え、極めて高いモチベーションを維持する彼のプレーは、シーズンの大詰めを迎えるチェルシーの浮沈を左右するはずだ。

今は新しいポジションと向き合っていろいろと学んでいる最中なんだ。

今シーズンはチェルシーでレギュラーを確保し、イングランド代表にも定期的に呼ばれるようになった。キャリアでも最高の時間を過ごせているのでは?

スタリッジ そうだね。チェルシーに加入した当時と比べると経験値が格段に増えたし、この数カ月で選手として成熟することができたと思っている。おかげで最近は自信を持ってプレーできているよ。

ウイングで起用されることに不満を抱えているとも報じられているけど?

スタリッジ 6、7歳の頃からずっとセンターフォワードとしてプレーしてきたわけだから、そのポジションが適任だと思うのは当然だろう。でも現状に不満があるという訳じゃない。重要なのは試合に出続けることだからね。スタメンで起用してもらえるならポジションは気にしない。とにかく今は、自分の仕事を全うすることだけに集中しているよ。

ウイングで起用されることについて、アンドレ・ヴィラス・ボアス前監督から説明を受けたことはある?

スタリッジ 特に説明はなかったけど、それで彼との間に何か問題があったということはないよ。ポジションはどこであれ、監督が僕をスタメンで使い、その結果としてメンタル面やフィジカル面が鍛えられたことは事実だからね。おかげでテクニックだってかなり上達したと思うし、今の経験は長期的に考えれば大きなプラスになる。僕は何でもこなせる総合力の高いストライカーを目指しているからね。

サイドでのプレーにはもう慣れた?

スタリッジ プレースタイルを少し変える必要があったし、正直に言うと、最初は戸惑った。相手のサイドバックの攻め上がりをケアするために自陣まで戻らないといけないし、ダッシュする回数も大幅に増えたからね。でも、これまでうまくこなしてきたと自負しているし、今は楽しみながらプレーしている。こうやって選手として成長していくことが何より重要なんだと思う。

現在のサイドでの経験が、将来的にセンターフォワードでプレーする時にも役に立つと思う?

スタリッジ そりゃそうさ。今は新しいポジションと向き合って色々と学んでいる最中なんだ。僕の憧れの選手の一人であるティエリ・アンリだって、ユヴェントス時代はウイングを任されていた。でも、アーセナルに来てからセンターフォワードとして開花しただろう? アーセン・ヴェンゲル監督は、アンリにストライカーとしての可能性を見いだし、彼を別次元の選手へと進化させたんだ。そうしてアンリはアーセナルのレジェンドになった。僕にとっては最良のお手本だよ。

君もアンリと同じ道を歩みたいということだね?

スタリッジ 僕がいつかセンターフォワードとしてプレーするようになったら、以前よりも成長した姿を見せられると思う。このままスタメンの座をキープしつつ、近い将来、本来のポジションでプレーをしたいね。それから、イングランド代表でもできるだけ試合に出たいと思っている。

でも、クラブでセンターフォワードとしてプレーしていない選手が、代表の前線を任される可能性はかなり低い。

スタリッジ このままウイングとして起用され続ければ無理だろうね。でもどのポジションで起用されるかは問題じゃない。毎試合全力を尽くしていれば、夏にはユーロ行きの飛行機に乗っているはずさ。

<続きは ワールドサッカーキング 2012.04.19(No.212)でお楽しみください>

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