[ワールドサッカーキング 2012.04.19(No.212)掲載]
今シーズン、ファビオ・ボリーニは突如として覚醒し、シーズン終盤に向けゴール量産体制に入った。ボローニャ、チェルシー、スウォンジーと積み重ねたキャリアの中で、彼は何を学んだのか。今や新生ローマになくてはならない攻撃の中心人物が、自らのブレイクについて語った。

ファビオ・ボリーニはイタリアサッカー界の新しい顔だ。昨夏、チェルシーとの契約が切れたのを機に、ボリーニはイタリアへの帰国を決断。イングランドで積んだ貴重な経験を生かし、ローマの地で飛躍的な成長を遂げている。
しかし、ボリーニの成長には誰もが大きな驚きを感じているはずだ。昨夏のキャンプの時点で、彼は6番手のFWだった。ところがチームが開幕から不安定な戦いを続け、チャンスが巡ってくる。徐々に出場機会を増やしたボリーニは、年明けから本格的にブレイク。突如、ゴールを量産し始め、あっという間にエースの座を射止めてしまったのだ。
ルイス・エンリケ監督のボリーニへの信頼は厚い。子供のように必死にボールを追い掛ける彼の姿勢に監督は心底引かれているようだ。第29節終了時点でチーム内トップのg得点。その存在感は日増しに高まっている。同時に彼は、イタリア代表においても不可欠な存在となるための道を確実に歩んでいる。
完成されたストライカーになるための道のりはまだまだ長いよ。
年明けからの13試合で9ゴール。今や君はローマに不可欠な存在だ。
ボリーニ 「ローマに不可欠な存在」って言ってもらえるなんて素直にうれしいよ。この半年の間に身の回りで起こった出来事には満足している。でも、まだ僕はローマ1年目の新人選手だし、もっともっとうまくなりたい。完成されたストライカーになるための道のりは、まだまだ長いよ。
君はこの半年間で実力を証明し、ローマでレギュラーの座を勝ち取った。これは事実だよね。
ボリーニ 今のところは出番をもらっているけど、ローマのようなトップクラブではレギュラーを保証されている選手なんてほとんどいないんだ。ここでレギュラーと呼べるのは、(フランチェスコ)トッティと(ダニエレ)デ・ロッシだけさ。僕がローマに入団した時に掲げた目標は、「とにかくベストを尽くすこと」と「必要とされた時に最善の準備をしておくこと」だった。コンスタントにスタメンを張れるようになったのは、ここまでその2つの目標を守れているからだと思う。
ローマ移籍に至った経緯を教えてくれないかな?
ボリーニ 昨年の夏にチェルシーとの契約が切れた時点で、イタリアに戻ろうと決心していたんだ。だから昨年の7月、ずっと関心を示してくれたパルマに加入した。ローマ行きが決まったのは、その夏の移籍市場が閉まる直前のことさ。ローマがパルマに僕の獲得を申し出てくれたんだ。僕はローマのようなビッグクラブでプレーするチャンスを逃したくなかった。パルマのフロントに「ローマに行きたい」という気持ちを素直に伝えたよ。そして移籍市場の最終日、パルマは1年間のレンタルでローマに移籍させるという結論を下したんだ。今年の1月には、ローマが僕を買い取る意思を示してくれて、両クラブの共同保有選手になれた。ローマでのキャリアを保障された今、僕は幸せな気持ちでいっぱいだよ。
と言うことは、今回の移籍オペレーションに何の不満もないということだね?
ボリーニ 不満なんてあるわけがないよ。ローマへの移籍は大成功だった。ここで1シーズンでも長くプレーし続けることができれば幸せだね。
トッティを始め、エリック・ラメラ、パブロ・オスバルド、ボージャン・クルキッチ……才能溢れる選手を多く抱えるチームで出場機会を得る自信はあった?
ボリーニ 普通に考えて、この顔触れを見れば出番をもらえるはずはないよね。でも、わずかな可能性に賭けてみたかった。彼らとポジションを争う前から諦めるのは間違いだからね。それに、この経験はサッカー人生において貴重なものになると僕は考えていた。だから、ローマから誘われた時は迷わずオファーを受け入れたんだ。今は最高の経験を積ませてもらっている。想像よりもはるかに素晴らしい経験をね。

ワールドサッカーキング No.212【総力特集】スカウティング・リポート
▼連載『MADE in JAPAN』宮市亮
▼インタビュー ネイマール「また日本で会おう!」
▼インタビュー スタリッジ「すべての体験を成長の糧に」
▼インタビュー ボリーニ「加速するゴールマシーン」
▼指揮官たちの夏の去就を完全予測「監督シャッフル」
▼ウルグアイ 古豪復活の理由
▼特別付録 WSKオリジナル・ポスター(メッシ/ネイマール)
定価:570円(税込) >>誌面の詳しい内容はこちら
