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小雪の舞う仙台で証明された『サッカーの力』、慈善試合に参加した選手たちの思い

2011.12.24

写真・コメント提供=JPFA

 時折小雪の舞うユアテックスタジアム仙台が満開の笑顔につつまれた。

 東日本大震災復興への貢献を目的とした日本プロサッカー選手会(JPFA)主催の『クリスマス・チャリティーサッカー2011』が23日、ユアテックスタジアム仙台で開催。東北ドリームスとJAPANスターズの選手たちはプレーとパフォーマンスで会場を盛り上げ、被災地のファンに一足早い“素敵なクリスマスプレゼント”を届けた。

 試合はJAPANスターズが4−2で東北ドリームスに勝利。試合後、選手たちは今回のイベントに参加できた喜びと今後の継続的な支援への姿勢を示している。

小笠原満男(東北ドリームス)
「意味のある試合ができたと思うし、これがきっかけで少しでも、みなさんが生活する上で力になれたらうれしいと思います。まだまだ大変な状況ですし、見ていると(復興までには)時間がかかりそうな感じもあるので、今日やれたことは第一歩だと思います」

「これで終わりにするんじゃなくて、継続的にやっていけたらいいなと思っています。そんなにいいプレーはできませんでしたけど、みなさんに楽しんでもらおうと必死にやりました」

「選手主導で、しかもお客さんを招待する形でできたことに意味があるので、本当にやって良かったです。被災した方の力になりたいと思った人が集まってできたことだし、今後も継続的にやっていきたいですね」

香川真司(JAPANスターズ)
「スタジアムで仙台のみなさんから温かい声援をもらって、逆に僕のほうが元気をもらいました。また更に頑張って、もっともっとビッグな選手になりたいです」

「まだまだ復興には時間が掛かりますし、こういうチャリティーとか、何かしらのボランティアとかを継続的にやることが大事だと思います。今年が1回目だとしたら、2回、3回と。来年もできればいいと思います」

「すごく寒い中でも盛り上がって、僕も楽しかったですし、支援の輪が広がっていったらいいなと思いました。副審のアイデアは僕で(内田選手に)『やろうよ』って声をかけました」

槙野智章(JAPANスターズ)
「サッカー選手である以上、サッカーというツールを使ってしっかり与えていけるものがあると思います。プレーはもちろんですけど、一つの言葉でも伝わると思うので、何かしら伝えていきたいと思います」

「今日を機に、また強い気持ちが芽生えてきましたし、そういう意味ではピッチの上で表現できればな、と思いますけど。(次に)表現する場はある程度決めてますし、良い答えが出るんじゃないかと思います」

「(震災が起きた)3月11日はドイツにいて、それから初めて仙台に来ました。被災地のみなさんに直接何かをできるのは今回がはじめてでした。そういう意味でも、もっともっと支援活動に関わって、続けていきたいと思っています」

中山雅史(JAPANスターズ)
「相手チームにも気を使ってもらってましたし、もっともっと、普通のプレーで盛り上げられればいいなとは思いますけど。来てくれた人たちが喜んでくれればという気持ちだけですけどね。そういった意味では、期待してくれた人たちには物足りなさを感じさせてしまったかもしれないし、そこは自分自身が努力して、少しでも期待に応えられるようにしていければと思います」

「(パフォーマンスについて岡山一成と打ち合わせは?)してないですよ。あれは邪道でしょ(笑)、岡山のは。(サンタに扮するゴールパフォーマンスは)あれは槙野(智章)から『ゴンさんお願いします』と言われたんで。まあそういうところでしか貢献できないなとは思ってましたから。少しでも力になれればと思っていました」

佐藤寿人(東北ドリームス)
「前半は初めてとは思えないくらいコンビネーションがスムーズでしたけど、後半はコンディションの良い海外組が出てきて圧倒されましたね。すごく楽しくサッカーができたので、来てくれた人も喜んでくれたんじゃないかなと思います」

「すごく楽しかったです。いろいろな方がこの試合のために頑張ってくれていた中で観客のみなさんも楽しんでくれたと思います。日本の未来を担うのは子どもたちです。たくさんの子どもたちが来てくれていたので支援活動は継続して行いたいと思いました」

岡山一成(東北ドリームス)
「このスタジアムでプレーできるのがうれしかった。僕の場合は点が入ったときにどうするかだけを考えるので必死でした(笑)。(槙野が乱入してきた1点目のパフォーマンスは)サンフレッチェのパフォーマンスをやりたかったんですよ。“希望の矢”を放ちたくて」

「最後、香川くんとウッチーが副審で出ましたが、あのプロデューサーは僕です。みんなに話をつけてきたんですよ。盛り上がったでしょ(笑)。これを続けていきたいし最後は藤田会長に『最後の締めはもう少しキッチリやってくれ』と言われたので来年に向けて研究してきます(笑)」

中島浩司(東北ドリームス)
「楽しく、点もいっぱい入って良かったです。個人的には昔からのファンも来てくれていましたし、自分たちは日常の喜びや希望を与える仕事をしていると思う。そういう意味ではみんなが集まって大々的にできたのは良かったと思います」

熊林親吾(東北ドリームス)
「被災地の方々の笑顔を増やしていくためには選手が良いプレーをすることが一番。試合に出た選手はチームに戻って今回の取り組みを広めたり、チームとして何かやれることを考えていくと思います。見ている人にもっと喜んでもらえるように継続してやっていきたいですね」

松下年宏(東北ドリームス)
「寒い中にもかかわらず、たくさんの人が来てくれたことに感謝しています。僕自身も楽しくやれたので、そういう部分が少しでも伝わっていればいいですね。自分たちで実施するということを選手自身も一人ひとりが感じていたと思うので、こういった取り組みは今後も続けていきたいですね」

鈴木大輔(JAPANスターズ)
「ゴールは嬉しかったです。パフォーマンスは事前に打ち合わせなどもなかったので、どうするのかなと楽しみにしていたら、ゴンさんを胴上げできたので、それも良かったですし、本当に楽しかったです」

都倉賢(JAPANスターズ)
「僕たちも純粋にサッカーを楽しめましたし、東北が盛り上がったり何かのきっかけになったらいいなと思いました。僕たちはサッカーを通じてしか支援などの呼びかけができませんが、今後も続けていきたいです」

カレン・ロバート(JAPANスターズ)
「3月のチャリティーマッチに参加できなくて、『みんなに元気を届けたい』、『何かしたいな』と思っていたので、今回この試合に参加できて嬉しかったです。日本での試合も1年ぶりでしたが、グラウンドなども懐かしくて楽しめました」

國吉貴博(JAPANスターズ)
「スタジアムに来てくれたみなさんも楽しんでもらえたと思いますし、僕もチームの一員として参加でき、すごく楽しかったです。昨日(22日)もふれあい活動を行いましたが、サッカーで触れ合っている時間は子どもたちも楽しそうで良かったなと感じました」

本間幸司(JAPANスターズ)
「楽しかったです。僕の出身地は茨城県で、被災地の一つなのですが、地元の思いを持って被災地の代表という気持ちでピッチに立ちました。昨日(22日)も福島でふれあい活動を行いましたが、子どもたちはどこにいっても変わらないなと思いました。笑顔や元気をこれからも届けて生きたいです」

吉田麻也(JAPANスターズ)
「(試合途中の)PKをもらえなかった場面は、絶対にPKです(笑)! 楽しかったですし、いつもとは違うサッカーの面白さも伝えられたのではないかなと思います。少しでもみんなが笑顔になってくれたら嬉しいです」

「試合の中では即興でやっていて、楽しかったです。両方のチーム、みんなが同じ目的を持って戦っていました」

「仙台だけじゃなく、東北の方々に少しでもクリスマス前に楽しんでもらえればと思ったので、ふざけすぎないようにはしましたけど。僕が(試合を欠場した)香川(真司)と内田(篤人)だったら絶対プレーしてますけどね(笑)」

内田篤人(JAPANスターズ)
「本当は試合に出たかったです。とても寒い中でしたが、見ているみなさんもすごく喜んでくれて、楽しそうにしてくれていたので良かったなと思っています。僕もすごく楽しかったです」

大津祐樹(JAPANスターズ)
「空港から直接来ることになったのですが、本当に参加できて良かったなと実感しています。この試合を見てもらうことで、被災地や全国のみなさんを勇気づけられたらいいなと思いました。僕たちも復興への応援をしていますし、お互いに支え合えたらいいなと思います」

 日本プロサッカー選手会の藤田俊哉会長が「選手たちの思いが形になって良かった」と振り返る今回のチャリティーマッチ。藤田会長はチャリティーマッチの意義を次のように表現した。

「サッカー選手なのでプレーを通して被災地を勇気づけたいと思っていました。この試合には公式戦とは違った楽しみがたくさんあったし、良い試合になったと思います。僕も出たかったけど、(選手数の関係で)見守ることになって。試合に出たいと言ってくれたのに、ここに来られなかった選手もたくさんいましたから」

「移動だけでも大変な選手もいますが、『これから厳しい冬に向かう被災地の方々に比べたら、自分たちはどうってことない』と話していました。協会、Jリーグとも力を合わせて、これからも継続的に続けていきたいと思っています」

 未曾有の震災に見舞われた2011年は間もなく終わりを迎えるが、選手たちが口をそろえるように被災地の復興には今後も継続的な支援が不可欠。今回のチャリティーイベントで選手たちが証明してくれたように、2012年以降も『サッカーの力』が被災地の方々に笑顔とエネルギーを届けてくれることは間違いない、時折小雪の舞うユアテックスタジアム仙台で開催された“暖かなチャリティーマッチ”はそのことを確信させてくれる試合でもあった。

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【浅野祐介@asasukeno】1976年生まれ。『STREET JACK』、『Men's JOKER』でファッション誌の編集を5年。その後、『WORLD SOCCER KING』の副編集長を経て、『SOCCER KING(@SoccerKingJP)』の編集長に就任。『SOCCER GAME KING』ではCover&Cover Interviewページを担当。

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