2015.07.12

スポーツメンタルコーチが語る心理学分野から見えたなでしこJAPANの強さ

文=中谷エリナ

なでしこJAPANが世界との戦いを終えて数日が経ちました。思い出す度に心が揺さぶられます。

目指していた世界王者連覇には一歩届かなかったけれど、『絶対に諦めなかった』あの試合のおかげで、なでしこJAPANのメンタルの強さがあらためて日本中に伝わったのではないでしょうか。
強さの要素は決して一つではありませんが、今回はとても印象に残った宮間あや選手の“あのメッセージ”から、なでしこの強きメンタリティがどう日本女子サッカー界へ影響してきたのかを述べてみたいと思います。

ブームではなく文化に……なでしこJAPANの信念

世界一を決める決戦前夜、宮間キャプテンは日本中へその想いを伝えました。
その言葉はなでしこの選手たちががずっと背負ってきた、女子サッカー界の現状を示すものにも感じました。
私も育成年代の女子サッカーに触れるまで日本の女子サッカー界の現状をきちんと分かっていませんでしたが、現場に触れ、女子サッカーにずっと関わってきた方々からの話を聞く度に、驚く現状がそこにあったことを知りました。

・ほとんどの選手はプロ契約していない。
・昼間には仕事があり、それから練習する選手も多数。
・金銭面での待遇も恵まれたものではない。
 など……。

それでも……なでしこは4年前、世界一になりました。
そして、なでしこブームを巻き起こしましたね。ただ、一過性のブームのようなところがあって、女子サッカーは文化になったとまでは言えませんでした。
それでも、なでしこは再び決勝の舞台に立ち、今回は世界で2位になりました。
何が起きても諦めることなく戦う姿に感動をもらった人は大勢いることでしょう。

では、決して素晴らしい環境とは言えない現状から、
なでしこJAPANが二度も決勝の舞台に立てた程、強くなれたのは何故でしょうか?
ここで、先ほどの宮間あや選手の言葉を思い出してみてください。

『ブームではなく文化になっていけるように……』

決勝戦前夜にキャプテンが伝えたこの言葉こそが、なでしこの選手の強き想いであり、
日本女子サッカー界を変える為にも自分たちは結果を出す!という熱き信念があったのでしょう。

中谷エリナ(スポーツメンタルコーチ)
1987年生まれ。法政大学法学部卒。4歳からダンスを始め20年以上ダンス生活に明け暮れていた。大学時代にディズニシーのイベントダンサーや400人規模の自主公演の演出統括を経験。とあるサッカー日本代表の試合を観て感動のあまりその日からサッカー観戦が人生の中心に。しかし、観戦だけでは気持ちが収まらず、サッカーに携わる仕事をしていきたいと思い立つ。その後元々興味があった“心理学・脳科学”、“メンタルコーチング”を学び、現在サッカー選手のメンタルコーチです。

☆主なコーチ活動☆
INAC神戸レオネッサアカデミースクール『INAC多摩川レオネッサ』専属メンタルコーチ 他。

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