
プレミアリーグが面白い。お正月のロンドンダービー、トッテナム対チェルシーで打ち合いの末、5-3でトッテナムがチェルシーに逆転勝ちした。首位チェルシーとマンチェスター・Cが勝ち点46で並んだばかりか、得失点差25、総得点44等、全てが同じ成績で並んだ。
トッテナム対チェルシーをよく観察すると、「チェルシーの守備陣が崩壊した」というよりは「トッテナムの攻撃が素晴らしかった」と表現した方が正しい。特にハリー・ケインの出来が「超」の付く素晴らしさ。スピード、技術、フィジカルコンディション等、全てに「超」が付く内容と言えた。いつでもどこからでもゴールを狙う姿勢とシュートを打つタイミングの良さだ。
もちろん、この日の素晴らしいトッテナムの攻撃を導きだしたマウリシオ・ポチェティーノ監督のことを忘れてはならない。2012-13シーズン中の1月にサウサンプトンの監督に就任。翌2013-14シーズンにクラブ史上最高の8位へ導いた。この手腕を買われてトッテナムの監督に今季就任したのである。
チェルシー戦でのトッテナムのサッカーを注意深く見ると、以下のような内容に気がつく。
【1】パススピードが速い。元々パススピードが速いプレミアリーグだが、彼らのパスは際立って速い。ブラジル・ワールドカップで優勝したドイツ代表のサッカーを思い出す。
【2】五分のボールへのアプローチ、動き出しが早い。
【3】次のプレーを各選手が読んでいる。
【4】この日2得点のケインの動きが「超」シャープ。
これら4点が素晴らしく、チェルシーの出来が悪かったのではなくトッテナムの出来が良すぎたのだ。しかも、ピッチにいる11人全員の出来が、だ。
一方のチェルシーは、試合の終盤に2点を決めるビッグチャンスが続いた。途中交代で入ったラミレスは、チャンスでボールを正確にヒットできなかった。同じく途中交代のモハメド・サラーも決められず。終了間際にジョン・テリーが3点目を返すにとどまった。しかし、最後の5分で3点を決めるチャンスがあったことも確かだ。強豪同士の試合で起きる“チャンスで確実に決めないほうが負ける”という鉄則がこの試合でも起きたのだ。
この結果によって、前半戦を首位で走っていたチェルシーが独走するかと思われた優勝争いはにわかに面白くなってきた。勝ち点差こそ9点離れてはいるが、3位には勝ち点37のマンチェスター・Uがするすると上がってきている。そして、今季絶好調のサウサンプトンが勝ち点1差の36で4位。勝ち点2差でトッテナム。さらに1差ずつ離れて6位アーセナル、7位ウェストハムと続く。
今季の優勝争いは、チェルシーとマンCによる一騎打ちの様相を呈してきたが、4位争いも面白い。その中で、ポチェティーノ率いるトッテナムがどこまで4強に食い込めるか。チャンピオンズリーグのスポットを逃していたトッテナムが4強の一員になりきれるのか。
41歳の指揮官に期待したい。ジョゼ・モウリーニョ監督がポルトでチャンピオンズリーグに優勝したとき、41歳であった。ポチェティーノ監督が、モウリーニョのようにスター監督になる可能性は大いにあると予言しておこう。