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バルセロナに訪れた“ブラック・マンデー”/小澤一郎が説くスペインの現在

2015.01.08

<<enter caption here>> at Estadio Anoeta on January 4, 2015 in San Sebastian, Spain.

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レアル・ソシエダ戦でベンチスタートだったメッシ [写真]=Getty Images

 バルセロナにとって負の月曜日となった2015年1月5日は現地で『ブラック・マンデー』という呼び名も付いている。4日に行われた国内リーグのレアル・ソシエダ戦に0-1で敗れたことをきっかけに先発落ちしたリオネル・メッシとルイス・エンリケ監督の確執話が浮上。5日午前に行われた公開練習をメッシが欠席すると、クラブ側の「胃腸炎」の発表などスルーされる形でメッシと監督の対立が煽られる格好となった。

 するとバルサは5日午後、アンドニ・スビサレッタSD(スポーツ・ディレクター)の解任を発表。バルサのスポーツ部門、プロセクションの補強を司るSDを4年半務めたスビサレッタには移籍市場が終わる度に批判や疑問の目が向けられてきたが、中でも今季開幕前に補強をしたトマス・ヴェルマーレンとドウグラスが全く戦力になっていない状況とFIFAの補強禁止処分が確定となった2点の責任を負わされる形での解任となった。そして、5日夜には昨季限りで現役引退を決めた後、バルサのフロントに入りスビサレッタSDの補佐を務めてきたカルレス・プジョルも辞任を発表した。

FC Barcelona Bid Farewell To Carles Puyol
左からバルトメウ会長、プジョル、スビサレッタ [写真]=Getty Images

 スポーツ部門幹部の解任・辞任劇の中でもスビサレッタSDの解任は既定路線ではあったがレアル・ソシエダ戦後にスビサレッタSDがTVカメラの前でFIFAの補強処分について「彼は当時の副会長であり、クラブ内部で起きていたことを全て把握していた」とジョゼップ・マリア・バルトメウ会長の責任を示唆する発言をしたことが決定打となった模様。しかし、プジョルの辞任や突如浮上したメッシと監督との確執がバルサの傷口に塩を塗る格好となり、事態は深刻化している。

 SDの後任候補としては、現在フィオレンティーナに在籍するエドゥアルド・マシアSDの名前が「最有力」として挙がっている。バレンシアのSDとして実績を積んだ後、ラファエル・ベニテス監督に引き抜かれる形でリヴァプールのSDに就任し、2011年からはオリンピアコスのSDを務めた経験もあるスペイン屈指の人材だ。地元紙などではフィオレンティーナのフアン・クアドラード獲得に向けてもプラスとなるという憶測が出ており、悪循環に陥っているフロントの立て直しに向けてバルトメウ会長も信頼を寄せている人物だという。

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レアル・ソシエダ戦でのルイス・エンリケ [写真]=Getty Images

 とはいえ、メッシとの対立が現実味を帯びてきたルイス・エンリケ監督の首も危なくなってきた。複数のスポーツ紙では、7日に行われる国王杯エルチェとの第1戦、11日の国内リーグのアトレティコ・マドリード戦での結果次第では解任もあるという「最後通告」報道が出始めている。メッシとの関係悪化の第一報はバルサ寄りの『スポルト』紙によって出たもので、同じくバルサ寄りの『ムンド・デポルティボ』でも選手との距離を取ろうとする余りコミュニケーションが希薄になっているルイス・エンリケ監督の手法を批判する記事が出ている。次の2試合での結果次第での監督交代はないと見るが、『ブラック・マンデー』によって騒々しさを増しているバルサがピッチ内外での落ち着きを取り戻すためには目の前の試合で勝ち続ける以外になさそうだ。

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