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2014.12.09

激闘ろう者日本代表、PK戦の末にアジア3位入賞

激闘ろう者日本代表、アジア3位入賞


中東での激戦を3位で終えた日本代表の選手とスタッフ

 イランのキーシュ島で開催された第3回アジア太平洋ろう者サッカー選手権が11月28日に幕を閉じ、ろう者日本代表は中東勢3チームとの激戦の末、3位入賞で大会を終えた。日本は入賞を果たしたものの、2016年に開催される世界ろう者サッカー選手権出場権獲得は持ち越し。世界大会自動出場権が得られる2位以内に滑り込めず、他大陸予選を通過した国の中から出場辞退する国を待って、世界大会出場が可能か決定となり、来年2月のICSD(国際ろう者スポーツ連盟)からの他大陸の報告を待たなければならなくなった。なお、優勝は開催国イラン。決勝戦でサウジアラビアに6-1と圧勝し、5戦全勝でアジアの頂点に立った。

 平均して25度と温暖な気候で開催された大会のグループリーグ初戦、日本はイランと激突した。アジアを初めて制した2012年アジア太平洋ろう者体育大会で日本はイランに勝利しているものの、0-2と敗戦。圧倒的な攻撃力を持つ相手の前に初戦を落とした。続くサウジアラビアとの2戦目は、代表戦初出場となる若手主体で挑むと、初戦の悪い流れを変えることができず、2戦連続無得点の0-4と惨敗を喫した。今大会は、カザフスタン、タイが直前になって出場辞退したためグループリーグは4チームによる総当たり戦。全ての国に決勝トーナメント進出可能となっているが、日本はグループリーグ最終戦のイラク戦で敗れることになると準決勝で優勝候補筆頭のイランと対戦することになるので、イランを避けるためにイラク戦は勝利が不可欠となった。追い込まれた日本だったが、イラク戦で奮起して2-1で大会初勝利。なんとか準決勝でイランとの対決を回避することはできた。


3位入賞カップを掲げる野呂啓選手

 サウジアラビアとの準決勝は、激しい点の取り合いに。いきなり2失点を許し窮地に追い込まれた日本だったが、2点を取り返して挽回。しかし、後半開始から3点を奪われ、試合終了間際に1点を返して一矢報いるものの、3-5で競り負けた。リベンジはならず、この結果、世界ろう者サッカー選手権本大会出場権の自動出場枠を逃すこととなった。3位決定戦に回った日本は、グループリーグで勝利しているイラクと再戦。かすかな望みが残された出場枠獲得が懸かった試合は、序盤からまさかの2失点。それでも竹内裕樹の3試合連続得点などで2-2と同点とし、延長戦に持ち込んだ。試合の行方はPK戦へと委ねられると、先行の日本は1人目と3人目が失敗したが、イラクの前に守護神、千葉駿介が立ちはだかり、5-4と勝利。PK戦の末に死闘を制し、3位入賞を勝ち取った。

 国際試合で初めて采配を振るった中山剛監督は大会を終え「各国のレベルを例えるなら日本が中学1年生、イラクが中学3年生、サウジアラビアが高校生、イランが大学生。それほどの実力差があります。そんな中で戦えたのは、日の丸を背負って戦うという気持ちを強く持っていたからです。今後アジアで戦っていくためには、個人のレベルアップが不可欠だと感じた大会でした」と語っている。準決勝サウジアラビア戦では、序盤から2点をリードされたが、一度は同点に追いつき、2-5と突き放された後も最後まで試合を投げ出さずに1点を返した。イラクとの3位決定戦でも2点のビハインドを跳ね返し、見事に勝利を手繰り寄せている。決して恵まれた環境とは言えない中で、最後の最後まで諦めなかった姿勢は、これからの戦いに活かされ、大会に参加した選手やスタッフの人生の糧となるに違いない。日の丸の誇りを見せた大会だった。

▼グループリーグ
■初戦(11月20日):対イラン戦 0-2
■第2戦(22日):サウジアラビア戦 0-4
■第3戦(24日):対イラク戦 2-1

▼決勝トーナメント
■準決勝(26日):対サウジアラビア戦 3-5
■3位決定戦(28日):対イラク戦 2-2(PK5-4)

日本ろう者サッカー協会
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協力:
ろう者サッカー日本代表 船越弘幸
ろう者サッカー日本代表 テクニカルアドバイザー 田澤龍太郎

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