2014.06.03

書店員一押し! 大久保嘉人と父の情熱がワールドカップを引き寄せるまでの激動のストーリー

情熱を貫く 亡き父との、不屈のサッカー人生
著者:大久保嘉人
出版社:朝日新聞出版
定価:本体1,400円+税

大久保嘉人

 国見高校在籍中に高校サッカー選手権3連覇、有名選手となり鳴り物入りでプロデビュー。アテネ・オリンピック代表を経てスペインリーグへ。順調にキャリアを進め、2006年にはワールドカップ・メンバー入りのためにセレッソに戻るも落選。セレッソの降格やヴィッセル神戸やドイツ・ヴォルフスブルクへの移籍を経て代表に再び返り咲き、2010年ワールドカップの南アフリカ大会のメンバーに招集されました。

 経歴を簡単に振り返るだけでも大久保嘉人の歩みには十分に紆余曲折があるのですが、彼がブラジル・ワールドカップ行きにたどり着くまでのサッカー人生は、それを支えていた父・克博さんの物語でもありました。

 小さい頃一緒にビデオを見て、「自分もワールドカップに出たい!」という夢を持った息子のため、父・克博さんは、昼夜を問わず働き学費を捻出し、息子のプロ入り後も公私にわたってサポートし続けています。

 4年前、初のワールドカップはベスト16で敗退。直後、大久保嘉人は燃え尽き症候群に悩まされ、日本代表への思いも薄れていきます。しばらくして、父・克博さんが闘病の末に他界すると、残された最後の手紙には、なおもサポートを続けるように「日本代表になれ 空の上から見とうぞ」と記されていました。

 自身が寝たきりになっても、字をうまく書くことができなくなっても、気持ちで息子の背中を押し続ける--。父・克博さんの情熱が、大久保嘉人の情熱に重なっていきます。本書は、そんな熱い親子の物語です。

 2014年5月12日、奇しくも克博さんの一周忌の日に、大久保嘉人はワールドカップのメンバーに招集されることが発表されました。サプライズ選出だと話題になりましたが、父と息子にとってはサプライズではなく、その情熱がワールドカップを引き寄せただけにすぎないのかもしれません。

 空の上の父・克博さんとともに貫き通したその情熱が、きっとワールドカップのゴールも引き寄せる--。本書からは、そう思えるだけの親子の情熱を感じることができます。

栗原岳夫(くりはら・たけお)
TSUTAYA BOOK STORE 神谷町駅前店 コミック担当
海外サッカーよりJリーグを好みます。FC東京ファン歴8年目。あまりに好きすぎてFC東京の練習グランドの近くに去年引越しました。好きな選手は石川直宏選手。TSUTAYA BOOK STORE神谷町駅前店は日比谷線神谷町駅A4出口すぐ。当店は新品と中古の本を取扱っております。サッカー関連の書籍も充実しております! TSUTAYA BOOK STORE神谷町駅前店の詳細はこちらから