2014.06.01

ワールドカップをとことん楽しむためのサッカー書籍ベスト5。1位は多数のライターがつづる“日本代表史”

 新コーナー『サッカーフリークの書店員によるブックレビュー』では、「日本のサッカー文化の普及啓蒙」を推し進めるべく、サッカー文化の成熟を促す書籍をどんどん紹介していきます。

 書評を執筆してくれるのは、サッカーを愛してやまない書店員たち。記念すべき第1回目の企画は「書店員一押し! ワールドカップをとことん楽しむためのサッカー書籍ベスト5」で、今回は、書店チェーンブックセンター湘南の水沢店で店長を務める渡辺良一さんが、ワールドカップを大いに楽しむための必読書5冊を案内してくれました。

1位 ワールドカップ戦記 波濤編 2002-2010

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編者:スポーツグラフィックナンバー
出版社:文藝春秋
定価:743円+税

 ドイツ・ワールドカップから南アフリカ・ワールドカップまでの日本代表の戦いを、多数のサッカーライターがつづった“日本代表史”とも呼べる本です。

 2002年日韓ワールドカップでベスト16という好成績を残し、順風満帆と思われたサッカー日本代表のドイツでの挫折と南アフリカでの再生までが記されています。

 各試合ごとの記事の他にも、選手のインタビューや識者のコラムも充実しており非常に面白く、読みやすい内容です。現在の日本代表が過去の多くの経験の上に成り立っているということを改めて感じさせてくれる良書です。

 1994-2002までを記した飛翔編もあります。

2位 こう観ればサッカーは0-0でも面白い

著者:福西崇史
出版社:PHP研究所
定価:760円+税

 著者は、元日本代表で、日本屈指のボランチとしたジュビロ磐田の黄金期を支えた福西崇史氏。選手としての目線と、解説者としての目線からサッカーの面白さ、奥深さを語っています。

 特に「ボランチ」「戦術」「個の力」という3つのポイントにはうならされます。自身の経験を交えて詳細に解説しているのですが、非常にわかりやすく、サッカー観戦初心者から中級者、上級者まで納得の内容となってます。

 最後の章では日本サッカー界の未来について語っているのですが、今までなら鼻で笑われるような夢が、福西氏の言葉で綴られると、きっと手が届くはずという前向きな気持ちにさせられます。

3位 サッカー選手の言葉から学ぶ成功の思考法2014

編者:サッカーキング編集部
出版社:朝日新聞出版
定価:1,300円+税

 最近のサッカー書籍は、戦術や個人の技術面に注目したものが多く出回っていますが、この本では日本代表選手の過去の発言から、個々の経験や哲学など、サッカーをプレーしない者でも日常生活の参考になりそうな発言が222個も収録されています。

 毎日を真剣に戦う彼らの言葉には、我々が経験できない特別な重みがあり、この本を読むことで自身の生き方を考える良い機会になるのではないでしょうか。ワールドカップを観戦するにあたり、選手の言葉を思い出しながら観れば、「きっとこのピンチを救ってくれるはず」、「きっと得点を決めてくれるはず」と、よりチームを信じて一緒に戦っている気持ちになれるはずです。

4位 Number PLUS「イビチャ・オシム 日本サッカーに告ぐ 2014」

編者:スポーツグラフィックナンバー
出版社:文藝春秋
定価:1,000円+税

 おそらく日本サッカーにゆかりがある人物の中で、日本サッカーと世界との距離を一番正確に把握しているであろう、元日本代表監督イビチャ・オシム氏の最新の言葉が載っています。

 このサッカー哲学者の言葉はいつでも日本サッカーに対して愛情いっぱいに厳しい言葉を投げかけます。ブラジル・ワールドカップでの日本代表の展望や、対戦国の分析は的確で、本書を読むことで、より深くワールドカップを楽しめるようになるでしょう。過去の日本代表の戦いぶりに関する記事も多数収録されており、他のサッカー評論家とは全く別の視点で語られる内容も非常に興味深いものです。

 巻末に掲載されている「オシム語録88の教え」も、人生について考える良いヒントになるのではないでしょうか。

5位 深読みサッカー論

著者:山本昌邦・武智幸徳
出版社:日本経済新聞出版社
定価:850円+税

 トルシエジャパンのコーチ、アテネ・オリンピックの監督として、最も近くで日本代表を支えてきた山本氏と日経新聞記者武智氏とのワールドカップに関する対談集です。

 多くの国際大会を日本代表スタッフとして長期間見てきた山本氏の話は、選手個々の話や戦術論に留まらず、大会での事前準備の重要性や、育成の重要性など多岐にわたります。この本からはワールドカップという大会の素晴らしさ、厳しさが強く伝わってきます。

 ワールドカップで結果を出すために、日本代表に関わる多くの人たちが、どんな準備をしているのか、どんな苦労があるのかなど、テレビを観ているだけでは知ることができない貴重な体験談など、読み応え十分です。

渡辺良一(わたなべ・りょういち)
ブックセンター湘南 水沢店店長
サッカーを観るのが大好きで、サッカー本とサッカーニュースをチェックするのが日課です。ブックセンター湘南は、雑誌を中心に書籍、DVD、関連商品の卸販売及び書店FCを展開。水沢店は岩手県奥州市コープアテルイ2Fに店舗を構え、年中無休で営業中です。ワールドカップ期間中はサッカー本フェアーを開催していますので、ぜひお立ち寄りください!