2014.05.16

柏レイソルU-18の下平監督「アカデミーの使命は『本当のプロ選 手』をトップチームに送り出すこと」


写真●KASHIWA REYSOL

――柏レイソルU-18にとって、2012年にクラブユースの頂点に立ったことは一つの転機になったと思います。

下平隆宏 かなり前からポゼッションサッカーというスタイルを確立していて、なかなか結果が出せない中で、クラブユースのタイトルを獲得できたことは大きな意味があったと思います。これまで積み上げてきたものが間違っていなかったと、選手たちも感じたことでしょう。

――今年1月にブラジルのサンパウロで行われたU-19の大会に出場しましたが、大会を振り返ってみていかがでしたか?

下平隆宏 まず大会に参加できたこと自体すごく光栄でしたし、また大きな経験を得ることができました。予選リーグの突破を目標に掲げて、それを達成できたことは大きかったですね。

――具体的にはどのような経験を得られたのでしょうか?

下平隆宏 この大会では、自分たちのポゼッションスタイルがブラジルのチームにどこまで通用するか、というのが一つの課題でした。その点、自分たちのサッカーを貫けたと思いますし、しっかりボールを保持することができました。一方で、パスが少しずれるとボールを簡単に奪われてしまい、そのまま相手にフィニッシュまで持ち込まれるところや、守備時のセットプレーの対応はこの大会で気付かされた課題ですね。          

――昨年、関東1部リーグを勝ち上がり、トップリーグ昇格を果たしました。今年トップリーグではどのように戦っていくのでしょうか?

下平隆宏 昨シーズン出場していたメンバーがかなり残っており、これまで積み上げてきたベースがある状態でリーグ戦に臨めます。ですので目標は、トップチームが1部リーグ昇格1年目でリーグ優勝を成し遂げたことの再現。昇格して1年目で即優勝というのを目標に戦っていきます。

――関東のリーグとトップリーグではレベルの差があると思いますが、それをどのように捉えていますか?

下平隆宏 関東のリーグはかなりレベルが高いんですよ。だからトップリーグでも十分やっていけるはずです。もちろん注目度はトップリーグの方が上ですけど、自分たちのサッカーができれば勝利を積み重ねられると思います。

――U-18を率いて5年目になります。指導面においてどんなことを大事にしていますか?

下平隆宏 レイソルのベースであり、僕自身のベースでもあるんですけど、ボールを大事にする、自分たちのボールを持っている時間を長くする、ということを重視していて、選手たちにも徹底しています。

――プレー以外では?

下平隆宏 高校サッカーやクラブユースのサッカーなどの2種年代で、組織的にいい守備ができるかというのは、やはり指導者によるところが大きいと思います。ピッチ外を含めたチームとしての規律を徹底しないと、そういうプレーができない。いいチームは自然とピッチ内外の両方の行動が良くなっていくと思うんです。レイソルのスタイルで言うと、ボールを大事にするというテーマの下では、忍耐強さが必要になってきます。誰かが独りよがりなプレーをしたらボールを奪われてしまうので、必然的に規律が必要になってきます。そうした意識を持てる選手は、ピッチ外での行動も良くなるはずです。

――ではそのU-18を、今後どのようなチームにしていきたいですか?

下平隆宏 U-18の使命は「本当のプロ選手」をトップチームに送り出すこと。ただサッカーがうまいだけじゃなく、ピッチ外でもプロのサッカー選手でなくてはいけません。本当の意味で見本になれるサッカー選手を輩出することが、クラブとしての使命だと思います。チームとしては当然、そういう選手を輩出しながらも、やっぱり試合に勝っていくということが目標になってきますし、その中でリーグ戦優勝は大きな目標です。


写真●KASHIWA REYSOL

――レイソルは2011年から『ヨネックス』とユニフォームサプライヤー契約を結んでいます。『ヨネックス』にはどんなイメージを持っていますか?

下平隆宏 サッカー界で唯一、『ヨネックス』のチームということで、オンリーワンの自負のようなものが最近特に強く出てきました。『ヨネックス』になってトップチームも成績が良くなりましたし、本当にありがたく思っています。それともう一つ言いたいのは、これまでトップチームにのみ支給されていたウェアが、アカデミーも含めた全カテゴリーに提供していただき、本当に手厚いサポートをしていただいていることです。以前はトップチームの“おさがり”を着ていたアカデミーの選手たちにとってはすごくありがたいことですよね。

――では最後に、ユースの選手や高校生の選手にメッセージをお願いします。

下平隆宏 ボールを大事にするというレイソルのスタイルは、個人的に日本サッカーの将来につながっていくのではないかと思っています。それは海外遠征に行くたびに感じていることで、やはり世界の強豪と戦っていくにはスピードやフィジカルの勝負ではなく、日本の場合は組織的なポゼッションサッカーになってくると思います。レイソルU-18に限らず、今の高校生年代にはそういったところを意識して毎日のトレーニングに臨んでほしいですね。