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“有言実行の勝利者”ロッベン「バイエルンは世界一のクラブだ」

2014.05.15

[ワールドサッカーキング1406号掲載]

新監督との相性が悪いのではないか? そんな開幕前の周囲の不安は杞憂に終わった。昨シーズン、チームを欧州王者に導いた男は、新たな目標達成のため、更にギアを上げている。
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インタビュー・文=トーマス・ツェー Interview and text by Thomas ZEH
翻訳=石橋佳奈 Translation by Kana ISHIBASHI
写真=シャミル・タンナ、ゲッティ イメージズ Photo by Shamil TANNA, Getty Images

ペップの指導方法はもう完全に学校だ

――まずは改めて今シーズンを振り返ってほしい。昨夏にマリオ・ゲッツェとチアーゴ・アルカンタラが加入し、開幕前の時点では出場機会が減る可能性もあったわけだけど。

ロッベン そんなの全然考えてなかったね。俺はチェルシーやレアル・マドリーでプレーしていたんだ。ビッグクラブで熾烈なポジション争いがあるのは当たり前だと思ってるんだよ。誰が来たって慌てるわけがないし、むしろ俺はライバルがいるほうが燃えるタイプだ。チャンピオンズリーグ(CL)で優勝したチームで簡単にポジションが取れると考えるほうがおかしい。それじゃあマンネリが生まれるし、成長もしない。それに新戦力の2人と俺は根本的にポジションが違う。バイエルンには一流選手が顔をそろえているけど、クリスチアーノ・ロナウドやリオネル・メッシのようなアンタッチャブルな存在はいない。俺たちはコレクティブ(集団)という意味で最強を誇るチームなんだ。

――君は前監督の下でキャリアの頂点を極めたけど、ユップ・ハインケスと新監督のジョゼップ・グアルディオラの一番の違いは何だろう?

ロッベン 監督が代わった当初、誰もが「グアルディオラはロッベンや(フランク)リベリーのような個性派は起用しない」と言っていた。でもペップは選手をいろいろなポジションでテストし、すぐに気づいたんだ。このチームのどこに本当の強みがあるのかをね。俺は右サイドでのプレーに絶対の自信を持っている。監督もそれを理解し、存分に使ってくれているよ。

――グアルディオラ流のサッカーにはもう慣れた?

ロッベン 監督が要求するものをちゃんと理解して実行に移せていると思う。監督との共同作業は楽しいよ。俺も自分の理想とか目標が満たされた気分がしてうれしいんだ。グアルディオラはスーパーな監督だよ。俺は16歳でキャリアをスタートさせ、これまで数え切れないほど多くのことを学んできたけど、ペップからはまだまだ学ぶことがある。特に戦術面はね。ボールを取る、ドリブルで進む、パスを送る……監督はスペースの使い方を完璧に理解していて、俺にいろいろと教えてくれるんだ。ここではこう、この場面ではこう、そして……という感じで、もう完全に学校だよ(笑)。現役時代のグアルディオラはバルセロナで(ルイ)ファン・ハールから相当たくさんのことを吸収したんだと思うよ。

――バイエルンではどんなトレーニングが主流なの?

ロッベン 基本的なメニューは他のチームと大差ないだろうけど、ペップの場合は必ずボールを使ったトレーニングをする。ボールなしのトレーニングは一度もやったことがないよ。それと、ペップは選手たちに細かく説明してくれる。技術にしても戦術にしても、監督が求めることが実行できるようになるまで、とにかく丁寧に説明してくれるんだ。俺はジャンプでもダッシュでも常に全力を尽くすけど、時にはガス抜きをしないと体が持たない。それも、彼から教わったことの一つだよ。

現状を変える理由なんて一つもない

――CLのアーセナル戦後にシュバルベ(ダイブ)をしたと批判されていたよね。

ロッベン 「ロッベンはいつも似たシーンで転ぶ」っていう主張は何度も耳にしている。でも、言っておくけど、俺はPKをもらうために倒れているわけじゃない。トップスピードでエリアを駆け抜けると、ちょっとした相手との接触でも転んでしまうことがあるんだ。相手だって棒立ちで俺の突進を眺めているわけにはいかないから、PK覚悟で止めに来るよね。俺は絶対に“詐欺師”なんかじゃない。正々堂々とプレーし、主審の判定に従っているだけさ。

――2年前のCL決勝でチェルシーに敗れた後、バイエルンを退団するという話があった。あの時、君を「エゴイスト」、「裏切者」と罵倒していた人々は、今では手のひらを返したように君を称賛している。サッカー界に対して矛盾を感じることはない?

ロッベン 持ち上げられたと思ったら、翌日にはハシゴを外されて真っ逆さま。全く酷いもんだよ。俺が信じるのは、俺がどんな苦境に立たされても理解してくれる人間だけだ。この前、バイエルンのファンクラブを訪問したんだけど、会合の最後に一人の女性ファンがこう言ってくれたんだ。「あなたを傷つける口笛を吹いたのは本当のバイエルンファンではありません。私たちはこれからもあなたをサポートしていきます」とね。あれにはホロリときたよ。

――3月にはクラブとの契約を2017年まで延長した。

ロッベン これまでオランダ、イングランド、スペインでプレーしてきた。これ以上どこに行く必要がある? バイエルンは世界一のクラブだ。家族もミュンヘンでの生活を満喫している。現状を変える理由なんて一つもないよ。

バイエルンでの更なる活躍を誓ったロッベンが、昨季のCL優勝について言及。インタビューの続きは、発売中のワールドサッカーキング1406号でチェック!

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