2013.07.16

“ストップ・ザ・パリSG”最有力候補のモナコ…大型補強敢行の舞台裏に迫る

[ワールドサッカーキング0801号掲載]

今夏、移籍市場の“大物”だったラダメル・ファルカオを筆頭に、モナコは実力者をかき集め、別のチームに生まれ変わった。潤沢なロシアマネーの力をバックにつけた彼らの“改革”は、ピッチ上でも成功するのだろうか? モナコを取り巻く現状を追う。
FOOTBALL : Nimes vs Monaco - Ligue 2 - 11/05/2013
文=イエール・ダルトワ Text by Pierre DARTOIS
写真=ゲッティ イメージズ、アフロ Photo by Getty Images, AFLO

ロシアマネーで復活した名門クラブ

 モナコにかつてない危機が訪れたのは2011年のことだった。慢性的な財政難と補強の失敗が重なり、低迷を続けたチームは10-11シーズン終了後、遂にリーグ・ドゥ(2部)へと降格。リーグ・アンで7回の優勝を誇り、かつてはアーセン・ヴェンゲルやディディエ・デシャンが指揮を執った名門が、フランスサッカーの表舞台から姿を消すかに思われた。

 しかし、2011年12月、状況は一変する。ロシア人の大富豪、ディミトリー・リヴォロフレフが株式の3分の2を取得し、クラブの経営権を握ったのだ。チェルシーのオーナー、ロマン・アブラモヴィッチの盟友でもあるリヴォロフレフの資産は70億ユーロ(約9100億円)とも言われ、モナコは一夜にして財政問題を解決。そればかりか、カタールマネーの力で強豪に生まれ変わったパリ・サンジェルマンに対抗し得る、国内唯一のクラブと見なされるようになった。

 12-13シーズンには、チェルシーやユヴェントスを指揮した実績を持つクラウディオ・ラニエリを迎え、手堅いサッカーでリーグ・ドゥを制覇。そしてリーグ・アン復帰が決定したこの夏、それまで慎重に改革を進めてきたリヴォロフレフが動いた。それは、誰も予想しなかったほど大規模な「電撃戦」だった。

大物代理人が仕掛けた移籍劇

 モナコの補強には、ジョゼ・モウリーニョやクリスチアーノ・ロナウドと契約する大物代理人、ジョルジュ・メンデスが深く関わっている。移籍市場が開くや否や、モナコはジョアン・モウチーニョとハメス・ロドリゲスを計7000万ユーロ(約91億円)でポルトから獲得。更に、この夏最大の注目株だったアトレティコ・マドリーのラダメル・ファルカオを6000万ユーロ(約78億円)で射止め、レアル・マドリーからベテランDFのリカルド・カルバーリョを獲得した。この4人は全員、メンデスの契約選手だ。モナコの「陰のGM」と呼ばれる敏腕代理人は、更にアンヘル・ディ・マリアやファビオ・コエントロンもモナコに送り込もうと画策しているという。

 これらの「メンデス派」に加え、モナコはマラガからジェレミ・トゥララン、バルセロナからエリック・アビダルと、リーグ・アン経験者を補強して脇を固めている。投資額は既に1億4000万ユーロ(約182億円)。これはパリSGがカタール資本に買収された2011年の夏に費やした8000万ユーロ(約104億円)を大幅に上回る。リヴォロフレフ会長は新シーズンの目標をリーグ戦3位以内、つまりチャンピオンズリーグ出場権獲得としているが、これだけの戦力をそろえれば、「ストップ・ザ・パリSG」の最有力候補という声もあながち過大評価ではないだろう。

潤沢な資金力のもと、大型補強を敢行したモナコ。大幅な戦力増強の一方で、成功を阻むピッチ外の障害とは……。続きは、ワールドサッカーキング0801号でチェック!