2013.01.08

【福岡大スポーツ】3度目の国立で雪辱果たせず。夢は後輩たちへ/第61回全日本大学サッカー選手権大会・決勝

第61回全日本大学サッカー選手権大会・決勝(国立競技場)
福岡大学1-3早稲田大学 【得点】[福大]=岸田和人(44分)[早大]=白井(2分)、オウンゴール(40分)、富山(76分)
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早大相手にあと1歩の敗戦だった

 今大会で2度の過去のリベンジを果たし、3年ぶりに国立競技場に帰って来た福岡大。最後の戦いは冬の選手権3度目の決勝進出で大会初制覇だ。3年前、国立に置いてきた忘れモノを取りにいくべく、関東の強豪で5年ぶり12度目の優勝を目指す早稲田大学(関東3位)との試合に挑んだ。
 
 立ち上がり、いきなり試合が動く。開始からわずか2分だった。相手に右サイドを突破されクロスを上げられると、それが田村(2年=九国大付属)の足に当たり、こぼれ球を逆サイドから走りこんできた早大MF白井に上手く合わせられ、いきなり先制ゴールを許す。その後、ここまでチームを支えてきた清武(4年=大分U-18)や今大会3ゴールの岸田和人(4年=大分U-18)、田中(4年=福岡U-18)を中心に相手陣内まで攻め入ると、最初のビッグチャンスは28分だった。相手のスローインを清武がカットしロングパスを前線に送り込むと岸田和人がドリブルで突破。2回戦の明治大戦の得点シーンと似たような形になるも、GKとの1対1のシュートは惜しくもゴール左に逸れた。

 すると40分、またも右サイドを突破されクロスを上げられると、CB牟田(4年=筑陽学園)がクリアに行こうと足を伸ばす。しかし、牟田の足に当たったボールは不運にも自陣のゴールネットを揺らしてしまい、2失点目を許す。このままでは終われない福岡大はその直後、岸田和人が粘りのドリブルで前線を突破。これがペナルティーエリアで相手のファールを誘いPKを獲得する。これを岸田和人が準決勝でも見せたチップキックで冷静に決め、1点ビハインドで前半を終える。

 後半はチームの持ち味である高さを全面に生かして得点を奪うべく、長身のFW山崎(2年=玉野光南)を投入。しかし、早大DF陣の壁は予想以上に堅かった。61分の清武のFKはバーに弾かれ、こぼれ球も拾えず。65分には左サイドからオーバーラップで仕掛けてきた弓崎(2年=東海大五)が思い切りのよいシュートを放つが枠を捕らえられず、ただ時間だけが刻々と過ぎていく。

 そして迎えた76分。自陣で岸田翔平(4年=大分U-18)がクリアしたボールが後ろに流れると、そのボールを早大FW富山にダイレクトボレーで豪快に決められ痛恨の3失点目を喫してしまった。

 諦めない福岡大は、牟田が最前線まで上がりゴールを狙いにいく。GK藤嶋(3年=大津)も81分に相手のシュートを体を張って止めるなど最後まで粘りを見せたが、ゴールを奪うことはできなかった。

 最後まで全力で戦った福岡大イレブンは、試合終了のホイッスルが鳴り響くと同時にピッチへと倒れこんだ。キャプテンの牟田は悔しさを必死でこらえながら、負けた国立の風景を忘れないようにとピッチから見える景色を見渡し、うなだれるチームメートを起こすなど、最後まで福岡大のキャプテンとしてピッチに立った。試合後の表彰式でも選手たちの表情は終始悔しさで溢れていた。それだけにこの試合に賭けていた思いは強かった。この悔しさを来年度、後輩達が晴らしてくれる事に期待したい。

 以下、監督、選手のコメント。

■乾監督
3度目の決勝戦でしたが残念な結果でした。ここまでの勝ち上がりがいい勝ち方でしたが、年末年始を挟んで優勝を意識したことが堅さになったと感じています。何でもないミスから失点をし、これまで乗り越えたものが駄目で残念です。早稲田さんはこの場に来てチームが勢いを増していました。伝統の力もあると思いますが、我々も4年で2回この場に立てたし、選手たちをよくやったと評価したいです。もちろん足りない部分もありますので力をつけてここに帰ってきたいです。(公式記者会見より)

■大武峻(2年=筑陽学園)
国立でプレーするのが初めてのメンバーが多い中で雰囲気に呑まれてしまいました。そういう中で早い時間帯での失点が試合の流れの中で1番痛かったです。ヘディングは自信を持ってやってきているので、そこに関しては大会を通して負けてなかったと思います。しかし、今日のように3失点したという事はなにかしら悪い部分があるし、そこを防げなかった事が悔しいです。来年度からは3年生になりチームの中心にならなくてはならないと考えています。この大会の経験を下から上がってくる選手たちに自分がしっかり伝えていきたいです。

■藤嶋栄介(3年=大津)
4年生には1年間お世話になっていたので最後の試合は勝ちたかったです。来年度また国立に戻ってきて優勝したいです。

田中智大

今後の進路が気になる田中

■田中智大(4年=福岡U-18)
ここまで来たので優勝だけを目指し戦ったが勝つことが出来ず悔しいです。進路は未定ですが、また頑張っていきたいです。

kiyotake

攻撃陣を牽引した清武

■清武功暉(4年=大分U-18)
悔しいの一言に尽きます。ここまでチームにも自分自身にも勢いがあったけど、年がけてその勢いがちょっと落ちてしまったのかなと思います。牟田を始めとして、和(岸田)とも10年間プレーしてきました。翔平とはこれからも同じチーム(サガン鳥栖)でやれて、田中や椛島(4年=筑陽学園)、七田(4年=佐賀東)とか色んな4年生がベンチでサポートしてくれたので、4年生には本当にありがとうと伝えたいです。この学年で最後までサッカーが出来て本当に良かったです。

shohei

鳥栖への入団内定が決まっている岸田翔平

■岸田翔平(4年=大分U-18)
今大会はあまり活躍出来ず、他の4年生に助けられた部分が多い中で最後の決勝でも自分の持ち味があまり出せずに終わってしまったのが残念です。負けてしまいましたが、国立でサッカーが出来た経験は後輩達にはとても大きいと思うし、今日の悔しい経験を忘れずに来年度からの新チームでは国立で勝てるようなチームをまた新たに創りあげて行ってほしいです。 春から進むサガン鳥栖は守りのチーム。今大会での福大は鳥栖のサッカーに似ている所も所々ありますが、もっとレベルの高いサッカーになると覚悟しています。プロの世界ではもっと1つ1つのレベルを上げていかないといけないので頑張っていきたい。

kazuto

今大会4ゴールを奪った岸田和人

■岸田和人(4年=大分U-18)
3年前の忘れモノを取り返そうと臨んだ試合でしたが、準優勝という結果に終わり満足出来ないし、国立に来てまで3年前と同様に相手の優勝を目の前で見せられて終わったのは悔いが残ります。 福大の練習はキツイ練習が多かったけど、4年間ここまで仲間と辛かったことも一緒に乗り越えて行けました。また、陰で支えてくれた応援団のお陰でここまでこれたと思います。今後の進路は未定ですが、今大会4ゴールという結果を残す事が出来た事でJリーグに進みたいという気持ちがさらに強くなりました。

muta

チームを牽引し続けた牟田

■牟田雄祐(4年=筑陽学園)
全国の舞台で優勝する為にここまでやってきてこういう結果になったという事は自分の力不足だと思っています。後輩、応援団、保護者の方々、サッカー部を応援して下さった方々には感謝の気持ちで一杯です。4年生の皆には何も言わなくても僕の気持ちは伝わっていると思います。自分自身としてもこれから厳しい道が待っていて、今日がゴールでは無いので、サッカーだけではなくまた違った形でもこの恩を返せるようにひたむきに頑張っていきたいです。

【記事】金縄洋右
【写真】八尋政哉、岩本陽介、中野愛美