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【駒大スポーツ】 数的不利跳ね返し、終了間際に逆転弾!!/総理大臣杯1回戦 鹿屋体育大戦

2012.07.09

2012年度第36回総理大臣杯全日本大学サッカートーナメント・1回戦  (J-GREEN堺S12フィールド)

駒澤大学 2-1 鹿屋体育大学
(得点):〔駒〕=山本(38分)、若山(89分) 〔鹿〕=小谷(15分)
※公式記録はこちらから

「勝ち越しに成功し、喜びを爆発させる(左から)三澤、若山」

 2012年度第36回総理大臣杯全日本大学サッカートーナメント・1回戦は8日、J-GREEN堺・S12フィールドで駒澤大vs鹿屋体育大が行われた。2年ぶりの頂点を目指し開幕を迎えた総理大臣杯。九州リーグ1部首位を走る鹿屋体育大を相手に退場者を出し数的不利になるも、逆転勝利に成功し初戦を突破した。
 
 2年前の夏、過酷な連戦のなか戦い抜いた駒大は優勝カップを高々と掲げ満面の笑みをこぼした。連覇を目指した昨季だったが、結果は予選敗退。関東リーグ戦でも2部降格という経験を味わい、まさに下剋上を受け苦しいシーズンとなった。そんななか迎えた今季、やはり選手の想いは並み大抵のものではない。優勝から降格まで全てを経験したMF湯澤洋介(4年=矢板中央高)は、「遠くから応援に来ている人もいるので、そういう人のためにも頑張りたい」と大学最後の全国大会に向け胸の内を語っている。その気持ちは初戦からしっかりとプレーに表れた。
 
 全国の舞台に初めて立つ選手が多かったせいか、立ち上がりから駒大は堅さが抜けず早々と苦しい展開を強いられた。高さには絶対の自信を持つFW宮城雅史(4年=具志川高)だったが、全国の壁は厚く。九州リーグのなかでも空中戦に定評のある坂田良太(3年=大津高)に悉く競り負け、思うようにボールを収めることが出来ずに時間だけが過ぎていった。相手の両サイドをワイドに使うシンプルなサッカーから裏を狙われると15分、ついに均衡を破られる。立て続けに3本のシュートを放たれ、耐えきれずに失点。誰もが警戒していた”早い時間での失点”がこの日も出てしまった。
 
 ここからゆっくりと集中力を取り戻すと、互いが得意のシンプルなサッカーをみせつけ合い、激しい攻防戦へと移り変わる。自分たちのサッカーを常に意識している駒大は、ペースを掴むと今季はここからが強い。シュート数を重ねていき迎えた38分、一人の選手のプレーが得点に繋がる最高のラストパスを送る。幾度となくチャンスメイクをする湯澤だ。MF碓井鉄平(3年=山梨学院大学附属高)からボールを受けると、そのまま中央へとドリブル突破。相手を十分に引き寄せたところに、「いい感じで走った」(湯澤)MF山本大貴(ルーテル学院高)がこれを冷静に決め同点に追い付く。試合後、山本も「湯澤君がいいパスをくれて。うれしいです」と語ったように、息の合ったプレーをみせた。
 
 その後も主導権を握ったまま前半を終える。ハーフタイムにはもっと走ろうという話を秋田浩一監督から受け、後半ピッチにMF小牧成亘(2年=ルーテル学院高)が送られた。これでより一層攻撃に力を増すと、62分にはさらに宮城を下げFW菊池将太(1年=浦和東高)を投入し逆転を狙った。暑さのなか相手の足が止まっていき畳み掛けにいきたいところだったが、予期せぬ事態が起こる。菊池投入からわずか2分後の64分、DF大木暁(2年=東京V・Y)がこの日二枚目のイエローカードを受け退場。数的不利の状況を強いられると、失点を避けるため菊池に替わりDF柳川剛輝(1年=広島Y)に託した。
 
 すると、真の駒大魂を見せつけたのはここからだった。一人少ないなか、残された10人全員が気迫のこもったプレーで相手に得点を許さず。引いた守りで隙を作らず堅守に勤めると、鹿屋体育大も攻撃の手に苦しみ硬直した試合展開へと移り変わった。互いに疲れの色を隠しきれなくなった終盤、またしても湯澤がこの状況を打破した。81分、自らボールを運んでいきミドルシュートを放つ。これは相手GKに阻まれたが、攻撃の意識を味方にみせチームを引っ張った。攻め込まれる時間帯もあったが試合終了間際、小牧が積極的に相手を交わし早いクロスを入れCKを獲得。DF田中雄一の絶妙なボールに、「本当にボールが良かった」とMF若山瞭太(3年=加藤学園暁秀高)が頭で合わせ、土壇場で逆転に成功。
 
 直後にロスタイム3分が表示される。これを必死に守り抜き終了を告げるホイッスルとともに、駒大が歓喜に沸いた。DF三澤祥馬主将(4年=三菱養和SC・Y)が「逆転出来る自信はある。前線へ感謝の気持ち」と話すと、秋田監督は「三澤が前よりはすごく良くなったので、あいつを中心に守っていければ」と口にし、全員が認め合っている。勢いそのままに頂点まで登りきれるか。連戦はまだ始まったばかりだ。

 以下、試合後の駒澤大監督・各選手コメント
 
◆秋田浩一監督
「(引いてセットプレーでの得点は)相手も人数かけて攻めてくるので両サイドのウィングハーフが引かざる終えなくなってしまって。しょうがないと思うが、セットプレーはこっちサイドのはああいう形はたくさん作れると思うのでボールが早くて上手く通れば可能性はあった。ただ、若山が入れるとは思わなかった。平尾が前に走って行くと思った。平尾を入れたのもそのような理由や、嶋谷がバテてたので。今回はたくさん試合できるように頑張りましょうということなので、あと2つくらいはやっていきたい。上手くやれば頑張れるのではないか。三澤が前よりは全然良くなったので、あいつを中心に守っていければ」
 
◆三澤祥馬主将(4年=三菱養和SC・Y)
「試合に出ている4年生があまりいなくてベンチに何人かいたので、(その4年生が)全国大会を試合に出れないままは嫌だった。暑くても戦えるだけの準備はしてきていた。(早い時間での失点は)全然修正出来ていなくて、(定期戦で)愛知とやったときもそれで失点していて逆転出来たので、今日はそれがあったから逆転で勝てたのだと思う。あの失点をなくさない限り優勝は出来ない。逆転出来る自信はある。いつも前半のうちに1点返せて、それは前線へ感謝の気持ちです。(ハーフタイムには)もっと走ろうと言われた。強いチームと出来るのは楽しみ。1つ1つの試合を大事にしっかり勝って順位を上げていきたい」
 
◆湯澤洋介(4年=矢板中央高)
「先に失点するときついというのは試合前も話していたが、失点してしまって、そこがまだまだ。(同点アシスト)あそこで取れてよかった。やま(山本)がいい感じで走ってくれたので。(熱さ)影響はあったが、それよりも1人少なくなってからのほうがきつかった。それでも1人1人がそれ以上に動けたから勝てた。(初戦だが)固さはあった。1、2年生が多くて、大学に入ってから全国大会に出たことのない選手も多かったので。(2年前の経験者としては)2年前の初戦も先制されてから逆転したので、今日もそうなって良かった。(全国はラスト)遠くから応援に来ている人もいるので、そういう人のためにも頑張りたい」
 
◆山本大貴(3年=ルーテル学院高)
「疲れた。1人退場したけどチャンスはあると思っていたので決められて良かった。(ゴールは)最初にシュートを打たずに怒られていたので、湯澤君がいいパスくれて。うれしいです。ワンチャンスを決めれるように上を目指したい。(苦しい試合だったが)その中でも勝って、この勢いで勝ちたい。守備ではサボっていた部分もあったのでもっと走りたい。(たくさん怒られても起用され続けているが)その中でも期待してもらっていると思うので頑張りたい。(2年前の事は)2年前の初戦も苦労して行けたので、今年も勢いがあると思うので、4年生は最後だし前からディフェンスして優勝したい。次は先制して無失点で勝ちたい」
 
◆若山瞭太(3年=加藤学園暁秀高)
「最近いつも先に失点しているが、今日も先に失点してしまって。最近は点を取られてからエンジンがかかってきているので、前半同点に持っていけて、後半1人退場して。まあみんなで粘れるということができたので良かったと思う。(全国大会だが)サッカーの全国大会というのが人生で初めてなので、大学になって全国大会に出られるというのはうれしい。初舞台ということで、最初は緊張感があった。(得点は)本当にボールが良かったので、うれしくて。まあ当てるだけだったので、雄一に感謝している。(2回戦は)体力的にはどこの大学もきついと思うので、自分たちは一生懸命1個1個勝ってやっていきたいと思います」

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(文 駒大スポーツ 佐藤亮)
(写真 同 射手真矢)

 
 

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