2012.06.29

【慶應スポーツ】最高の形で前期を締めくくる 第11節/筑波大戦

関東大学サッカー1部リーグ 第11節
慶應義塾大学 2-0 筑波大学   @味の素フィールド西が丘
【得点】=〔慶〕:武藤(36分)、赤木(55分)
※公式記録はこちらから
 
 
永らく勝ち星から遠のいていた慶大ソッカー部がついに夜明けを迎えた。現在首位を独走する専大に大量6失点を浴びた前節から一週間。前期の「締めくくり」(須田芳正監督)として5位の筑波大に挑んだ今節、慶大のパスとポゼッションサッカーが完全復活を遂げた。得意のワイドな攻撃を繰り出し、終わってみれば2-0の完勝。最高の形で7月4日に控える早慶定期戦へとたすきをつないだ。
 

今節、見事に先制ゴールを決めた武藤

 序盤、立ち上がりでは筑波大の「ショートパスを繋いで、プレスを高めていく」(松岡淳副将・4年=慶應湘南藤沢高)プレーに苦戦し、慶大の生命線であるパスコースがつぶされる。相手の突破力のある攻撃陣にゴール前に侵入を許す場面も見られたが、ボランチの頑張りもあり、攻撃の芽を摘みとる。そうした中盤の貢献もあって、慶大は徐々にポゼッションを高めていく。すると10分、相手のフリーキックをしのいだ直後、左サイドの松下純土(3年=國學院久我山高)が起点となり速い攻撃。その松下から高い位置でパスを受けた武藤嘉紀(2年=FC東京U-18)は、相手DFとの一対一を抜け出してシュートを放つ。これは惜しくもゴールを捉えなかったが、それを受けて今度は右サイドの岩田修平(3年=名古屋グランパスU-18)が守備に攻撃に奮闘を見せる。17分に惜しいシュートを放つと、28分にも逆サイドの松下を長いパスを交わしながらダイナミックな攻め上がりで筑波大ゴールを脅かした。いい流れで慶大らしいサッカーを組み立てていった36分、ついに決定的な瞬間が訪れる。中盤でボールを奪った増田が左サイドの松下にパスを出すと、それを松下がゴール前で待ち構えていた武藤の足元にピタリを合わせたキラーパスを送る。武藤は一瞬を見逃さず、右足をふり抜き豪快にシュート。明大戦ぶりの先制ゴールにチームは沸き立った。この後筑波大も慶大ゴールに迫ったが、峯達也(2年=桐光学園高)のファインセーブが光り、慶大がリードを保ったまま前半を折り返した。
 
 後半に入っても慶大の勢いは衰えない。47分、ドリブル突破を見せた武藤のパスに岩田が詰めて合わせる。ラインを割ったかと思われたが、ゴールとはならなかった。さらに55分。3バックの左サイドを守っていた長尾賢太郎(2年=ヴィッセル神戸U-18)から長いパスを受け取ったのは、またしても武藤。今試合絶好調のドリブルで守備の薄くなった筑波大ゴールへ正面から襲いかかる。たまらず相手がこれを倒し、慶大は絶好の位置でFKを獲得。キッカーを任されたのはキックへの自信を須田監督にも認められている赤木努(4年=大宮アルディージャユース)だ。ゴール右隅へと蹴りこんだボールは、「狙い通り」(赤木)にキーパーの逆を突いてネットを揺らし、待望の追加点となった。しかしその直後、縦に切り込むパスで仕掛ける筑波大に、いい位置でFKのチャンスを与えてしまう。DF陣に緊張が走ったが、キーパー峯の飛び出しや松岡の献身的なスライディングやヘディングではね返し、慶大は危機の時間帯を脱する。また終盤には攻撃陣のメンバー交代を行い運動量をキープ。最後まで主導権を譲らなかった。須田監督も「一体感のあるいいゲーム」と言い切る納得の試合内容で前期最後を勝利で飾ることとなった。

相手選手と対峙する岩田

 
 総理大臣杯予選1回戦の東国大戦、そして前節専大戦と信じがたいような無残な敗戦が続いていただけに、今節での勝利はチームにとって自信を取り戻すきっかけとなったことだろう。攻め続けた展開を鑑みれば3点目4点目が欲しかったところだが、無失点という点では前節の大量失点を受け止めたDF陣にとっても「合格点が与えられるような試合」(須田監督)であったことは間違いない。なによりこの先に待つ早慶定期戦に向けて弾みをつけられたことが収穫だ。再び慶大の自信と自覚を取り戻し、荒鷲イレブンがリーグ早慶戦のリベンジに、そして前人未到の早慶定期戦4連覇に燃える。
 
 
【試合後コメント】
須田芳正監督
―試合の総括を
「無失点で、前期の締めのゲームなので、そういった意味で勝利で終われたのは非常にいいし、一体感のあるいいゲームだったと思います。」
―3バックが機能していましたが
「そうですね、大分ポジションのところを理解し始めてきたので今日は良かったですね。」
―前回守備があいまいになってしまった3バックはこの一週間でどのようなところをトレーニングしましたか
「サイドのところで誰につくのか、あとサイドだけではなくて中盤のところも彼らの特長なので、中盤で流動的に動いて細かいパスをつないでくるというので、基本的に相手の10番には増田をつかせて、8番が入ってくるからそこは息吹が見ましょう、あとの二人はボランチを見ましょう、サイドバックはサイドの選手を基本的には見ましょう、ということを確認して、トレーニングしてきました。」
 ―武藤選手が先制点を挙げましたが期待通りのプレーが見られましたか
「彼も徐々にコンディションが上がってきてキレが戻ってきたので、彼には得点に絡む仕事をやってくれということをいっているので、とてもいい仕事をしたのではないでしょうか。」
 
 
 
藤田息吹主将(4年=藤枝東高)
―今日の試合を振り返って
「ある程度試合前に立てていた戦略通り戦うことができたし、練習の成果が出せたと思います。」
―勝因は
「やっぱり試合に出ている全員が一丸となって共通理解を持って戦えたのがよかったと思います。」
 ―前節で欠場した3選手が復帰しましたが
「責任のある、去年からやってきた選手たちですし、経験のある選手たちが入るとチームも一つにまとまれるのかなと思いました。」
 ―3バックの強みは
「ボールを取った後にワイドに速い攻撃ができれば、サイドが空いていると思うので広いところに持っていって、攻撃を組み立てることができると思います。」
 ―早慶定期戦に向けて意気込みを
「4年目ですし、最後の早慶戦なので、多くの方に来場していただけると思うし、運営に携わってくれている仲間の為にも勝利という形で恩返しがしたいです。」

 
松岡淳副将(4年=慶應湘南藤沢高)
―今日の試合振り返って
「相手が筑波ということで、この1週間筑波対策ということで練習してきたんですけど、それがこの試合しっかりできたので、良かったと思います。」
―3バックについて
「やることは明確で、3バックはサイドがフリーになるというのが、最初から分かっていて、そこを攻撃でうまく使えたというのが良かったです。立ち上がりは慌ててしまったので、そこは修正したいです。」
―右腕の調子はどうか
「先週の時点である程度は治っていて、もう大丈夫です。」
 ―前期のリーグ戦を振り返って
「安定した戦いができていないのかなと。怪我人も多いですし、その中で自分も怪我をしてしまって、そこはもったい無かった。良い時は、明治戦だったり、今日の筑波戦だったり、できると思うので、自分たちの中で、トレーニングで意識を上げていくかということで、それは個人の問題として、シーズンを通して上げていかなければいけないかなと思います。」
―早慶戦に向けて
「早慶戦というのは、国立でもあるし、早稲田戦ということもあって、普段の感謝の気持ちを表現できるかなと思うので、そういった思いをプレーで表現したいと思います。」

 
赤木努(4年=大宮アルディージャユース)
―今日の試合を振り返って
「勝てて良かったというのが正直な気持ちです。」
―素晴らしいフリーキックだったが
「狙い通りで、キーパーも多分逆につけていたので、良かったと思います。」
―先週の惨敗を経て、チームとしてどういう準備をしてきたか
「とにかく、1週間のサイクルの中で、練習から本番を意識してやろうということを監督にずっと言われてきました。だけど、それを選手があまり体現できていなかったのが先々週の練習でした。先週はとにかく1週間、本当に試合を意識して、全員でリアリティを持って練習しようということを位置付けて、それをできたのが今日の結果につながったのかな、と思います。」
 ―早慶定期戦に向けて意気込みを
「まだ出場したことがなく、個人としてはまず国立のピッチに立ちたいという思いが強いので、メンバーに入れるように練習することです。あとは4連覇がかかっているので、伝統とか慶應の誇りを背負っているというのを感じながら、戦いたいなと思います。」

 
松下純土(3年=國學院久我山高)
―今日のプレーでは攻撃に参加する機会が多かったが
「監督の指示では守備も攻撃も求められていました。特に僕の場合は、左サイドで中盤の位置におりることで、相手のフォーメーション上、僕がフリーになれることもありましたし、また、監督からは僕が起点でゲームを組み立てるようにとの指示もあったので、サイドのポジションではありましたが、自分でも意識してボールに絡むプレーをしていました。」
―サイドというポジションは珍しいのでは
「そうですね、大学入ってからは初めてです。でも選抜ではサイドバックをしていましたし、今週一週間やっていたので特には。それに、前に行くというよりは組み立てという指示もあったので、サイドとはいっても特にスピードがあるわけでもなく、サイドにいてもいつも通りのプレーを意識していました。」
―今節は慶應チーム・松下選手ともに絶好調だったが、その理由は
「先週はみじめな負け方をして、チームとして、1週間でうまく気持ちを切り替えることができました。僕個人的には、先週はケガが治りかけていて試合ができる状態だったのにメンバーに入れなかったことで、悔しい思いというか、チームをひっぱる立場として申し訳ない気持ちもあったので、一段と気合を入れて今日の試合に臨みました。」
―松下選手のケガの具合は
「多少腫れと痛みは残っていますが、サッカーには支障ないです。」
 
 
増田湧介(2年=清水東高)
―今日の試合振り返って
「先週大敗してしまったんですけど、気持ちを切り替えてしっかりとトレーニングをしました。その結果自分たちのサッカーをすることができて勝利することができてとても良かったです。」
 ―3バックの感触
「ワイドに必ず人がいて、サイドで必ず数的有利を作れていて、守備の部分はマンツーマンでつかなければいけない分、なかなかカバーリングも難しいんですけど、攻撃に関しては自分たちが主導権を握ることができて、とても良かったです。」
 ―早慶戦に向けて
「3連覇という歴史を自分たちが壊してしまうわけにはいかないので、しっかりトレーニングをして勝利したいと思います。」

 
武藤嘉紀(2年=FC東京U-18)
―今日の試合を振り返って
「早慶戦につながるということで、前季の締めくくりということもあって、本当にチームとして気持ちが一つになっていましたし、自分たちのサッカーもできたので、良かったなと思います。」
―得点シーンを振り返ると
「もらった瞬間に前も見えていましたし、相手もいなかったので、磨見が横を走って相手を引きつけてくれたので、打てば入るのかなと思って、打ったら入ったので良かったです。」
―前季が終わっての感想は
「前季の半ばくらいまでは、自分は膝の怪我をしていて、思うように自分のプレーができなくて、苦しんだこともあるんですけど、ここにきてやっと体のキレや膝の調子も戻ってきたんで、これからもっと上げていきたいと思います。」
―早慶定期戦への意気込みは
「早稲田には絶対に負けられないので、慶應の伝統とかチームの気持ちを背負って勝利に貢献できたら良いなと思います。」