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【早稲田スポーツ】首位奪還ならず…明大に黒星喫す/関東大学リーグ戦10節 対明大

2012.06.18

JR東日本カップ2012 第86回関東大学リーグ戦 6月16日 東京・駒沢オリンピック公園総合運動場

早大2-3明大
(0-3、2-0)
(得点):[早]=三竿(48分)、榎本(49分)[明]=阪野(11、38分)、岩淵(26分)

3s失点目を奪われうなだれる選手たち

 アミノバイタルカップ2回戦で延長戦の末勝利を収めた明大を相手に迎えた、関東大学リーグ戦(リーグ戦)第10節。目指すは勝って首位奪還。優勝を目指すのに負けられない試合だったが、前半に3点を失う波乱の展開。後半に2点取り返すもあと一歩のところで追いつかず2―3で敗北に終わった。 

 両者ともに譲らない前半立ち上がり。しかし、11分に明大にポストプレーであっさり先制される。この失点から試合の主導権はアグレッシブに攻め立てる明大に。続いて25分、右サイドから完全に崩され明大の豪快なシュートがゴールネットを揺らす。なんとか失点を2点で食い止め、前半のうちに1点は返したいワセダ。しかし中盤で上手くプレッシャーをかけられず相手の前線に好きなように動かれてしまう。セットプレーなどのチャンスはあるもののなかなか得点には繋がらず苦しい試合展開となる。38分、またしても右サイドから崩され明大に3点目を許す。その後、44分MF島田譲(スポ4=鹿島アントラーズユース)の出したボールにMF近藤洋史(スポ2=名古屋グランパスU―18)とMF三竿雄斗(スポ3=東京ヴェルディユース)が反応し、攻撃をしかけるも相手GKに止められ、1点も返すことなく前半を折り返す。 


先制点を決めた三竿

 迎えた後半立ち上がり、ロッカールームから帰ってきたワセダのイレブンは前半とは全く別人のような動きをみせる。48分、FW上形洋介(スポ2=東京・早実)が得たCKで試合は動く。MF野村良平(スポ4=千葉・流経大附柏)が蹴った低いボールに三竿が押し込んでゴール。また続いて49分、FW榎本大希(スポ3=横浜F・マリノスユース)がバイタルエリアから持ち込んで放った強烈なシュートが見事決まり、2―3に持ち込む。この流れが落ち着かないうちにもう1ゴールは欲しいワセダだが、なかなかシュートチャンスを作ることができない。お互い一進一退のまま時間だけがすぎる。終了間際にはDF畑尾大翔主将(スポ4=FC東京U―18)が前線に出てくるパワープレーで攻めの姿勢をみせるが、得点には至らず試合終了のホイッスルが響いた  

 「前半に立て続けに失点したこと、特に3点目を入れられたことがすごく痛かった」と島田が話すとおり、前半で3点を先取されたことが直接的な敗因だ。しかし後半しっかり2点返すなど内容が悪かったというわけではない。今節の敗戦により、前期を首位で終えるという目標は自力では叶わなくなってしまった。日本一を目指すためにこれ以上の負けは許されない。次節の相手は、アミノバイタルカップ準決勝では勝利を収めた国士大。「1勝の重み、1点の重みというところを練習からもっとこだわっていかなければ」という畑尾主将の言葉通り、油断せずに勝利をつかんでほしい。 

(記事 森田由貴、写真 池田朋美)
◆コメント
DF畑尾大翔主将(スポ4=FC東京U-18) 
――あと1点に迫りながらタイムアップを迎えてしまいました
きょうがアミノバイタルカップ優勝直後のリーグ戦だったわけですが、それは言い訳に過ぎず、本当に強いチームはそういう状況であってもエネルギーを持って戦えますし、前半だけで3失点などしません。自分たちの力の無さを再確認できましたし、切り替えてやっていかなければいけませんね。守備者としても3失点は大いに課題が残りますし、1失点の後声を掛け合って切り替えるなど、そういうところをみんなで共有してやっていきたいです。
――大量失点の原因はどこにあるとお考えですか
「危機感の違い」にあったと思います。明大はアミノバイタルカップでうちに負けて全国を落とし、きょうは凄まじいエネルギーを持って戦ってきました。受け身になったわけではないですが、エネルギーのパーセンテージという部分で相手に完全に上回られてしまいました。
――後半開始早々に2点を返せたことについてはいかがですか
今季のチームは後半に強い傾向があります。仮に前半1失点に抑えていれば後半の2点できょうは勝つことが出来ていたわけで、それを考えると本当に前半の3失点が悔やまれますし、大きな課題です。
――中大が引き分けに終わったことで、勝てば首位という状況でした。意識はありましたか
みんな頭の中にはあったと思うのですが、口に出す選手はいなかったです。以前にもそのような大事な試合で勝ちきれなくて首位に立てなかったということがありましたし、「勝負強さ」というものを付けていかないといけないです。1勝の重み、1点の重みというところを練習からもっとこだわっていかなければいけません。
――前期も残すところあと1節です。意気込みをお願いします
前期を首位で折り返すことがまずは自分たちの目標だったので、他力本願にはなってしまいますが、1週間いい準備をして試合に臨みます。

DF菅井順平副将(スポ4=浦和レッズユース) 
――明大に敗戦となった結果を受けていかがですか
アミノバイタルカップで優勝した後のすごく重要な一戦でした。リーグ戦優勝という目標を掲げている中でも勝たなければいけない試合だったと思います。
――前半だけで3失点でした
明大の選手は個々の技術も高く、個のところでやられてしまいました。自分のマークのところでも、スキをつかれてしまいました。
――ハーフタイムでの指示はありましたか
前半も攻撃はできていたので、そこから点を返すということ。本当に1点返せば分からないということを確認しました。
――後半2点取り返したことについてはいかがですか
そこは良かった点ですが、3点目が決められず結果的には負けてしまったので…。
――きょうの試合で見えた課題を教えて下さい
球際や切り替えの部分だったりは相手の方が良かったです。負けていはいけない部分でやられてしまった印象があるので、気を引き締め直してやっていきたいです。
――次節、国士大戦に向けて意気込みをお願いします
次も良い相手ですし、必ず勝てるように1週間準備していきたいです。

MF島田譲(スポ4=鹿島アントラーズユース) 
――先日のアミノバイタルカップで勝利した明大が相手でした。きょうは負けてしまいましたが試合を振り返っていかがですか
この前の試合はトーナメントということもあって、絶対負けられないガチガチの試合の中でお互い蹴り合いのゲームでしたけど、きょうはお互い自分たちのいいところをもっと出し合うサッカーだったと思います。やっぱり前半に立て続けに失点したこと、特に3点目を入れられたことがすごく痛かったと思います。後半は2点返したところまでは良かったですけど、全体で3点目を取りにいくエネルギーを出すまでに時間がかかったので、それが敗因かなと思います。
――前半3失点した後のハーフタイムでは何か話し合いをされたことはありますか 
決して悪いサッカーをしていたわけではないと思うし、その中で3点決められましたけど相手の守備はいい時と比べたら緩さもあったし、後半やり続ければ3点取れるという自信もあったので、そういうところは共有して後半立ち上がりから勢いを持ってやっていこうということでした。
――アミノバイタルカップで優勝し久々のリーグ戦となりましたが、気持ちの切り替えの部分で難しいところはありましたか
アミノバイタルカップの優勝は優勝でもう終わったことで、リーグ戦にしっかり切り替えて特に次の試合明大で、明大も降格の危機だということですごくエネルギーを持ってやってくることは分かっていたし、誰もそこで驕ったりしている選手はいなかったと思うんですけど。まあいなかったと思っていたんですけど、やっぱり前半立ち上がりに3点決められたこととか、最後に攻めきれなかったということを考えたら、チームのどこかにすごい隙があったと思うんで、そういう隙を失くせるようにやっていきたいと思います。
――ご自身の出来はいかがですか 
相手がしっかりブロックを作って守備をしてくる中で、ブロックは作ってやっていたんですけど、間とか結構空いていたし、あまり意識されていたとは思わなかったので、もっとたくさんボールに絡んで決定的なパスを出したりしたかったです。後半の良くない時間とかは無理して突っ込んでしまったり、なかなかボールに絡めなかったりしたので、そういう時間を失くしていければいいかなと思います。
――次節が早慶戦前最後の試合となりますが、どういう形で試合を迎えたいでしょうか 
優勝を目指しているので連敗は絶対に許されないですし、この前国士大とやってますけど、自分たちの力をしっかり出し切れば絶対に勝てる相手だと思います。きょうも出来が悪かったわけではないので、自分たちでそういうところを見直して、どこでエネルギーを出してどうやって勝ちにいくかというところをもう一度みんなと話し合って、次必ず勝てるようにやっていきたいと思います。

MF野村良平(スポ4=千葉・流通経済大学付属柏) 
――試合を振り返って
相手はアミノバイタルカップのときに自分たちに負けていたので、良い準備をして強い気持ちを持って試合に臨んでくるっていうのは分かっていたにも関わらず、前半はその勢いにやられてしまいました。
――3失点は今季初めてです
1点目取られたときは連続で失点されなければ大丈夫だと思っていたんですけど、結局追加点を取られてしまって、前半のうちに1点返せればもっといけたのかなと思うんですけど、点差的にはきつかったですね。
――3-0で前半を終えたときの心境は
自分たちの強みを出せないでその状況だったので、まずは自分たちの強みを出してしっかりやろうと思っていました。
――後半立て続けに2点返しましたが、最後まであと1点が取れなかったのはどうしてだと思いますか
2点取った後のもう1点ってところで、チャンスはあったんですけどもっと作れたのかなっていうのもありますし、相手が引いて守ってきたときに何をするかっていうところで自分たちがあまり上手くボールを運べませんでした。そこは課題として取り組んでいかなければいけないと思います。
――1点目は野村選手のCKから生まれました
相手がゾーンで守ってきていて高いボールを蹴ってもあまり有効じゃなかったので、ニアに速いボールっていうことで蹴りました。雨も降っていたし、速いボールだったら相手のミスも起きやすいし何か起こるかなと思って蹴りました。
――セットプレーに対する意識の高さが見られます
キッカーをやらせてもらっている以上はやっぱりこだわりを持ってやらないといけないし、セットプレーで得点のチャンスを作らなければならないと思っているので、意識はしてやっています。
――次節国士大戦に向けて
国士大もこの間やって勝っているチームで逆に相手は強い気持ちでくると思うので、次は前半の入りからしっかりやれるようにしっかり準備をしていきたいと思います。

DF三竿雄斗(スポ3=東京ヴェルディユース)
――惜しくも敗戦となってしまいましたが
相手の気迫にやられてしまいました。前半はやってはいけない内容だったと思いますし、それでも後半の開始早々に2点取れて3点目を取れれば良かったですけど、最後のところで決定機を生かせませんでしたね。
――前半で3失点喫してしまいましたが、ディフェンス面で問題点はありましたか
1失点目は課題としていたセットプレーから、2失点目もクロスからの対応が上手くいかず、3失点目も簡単に裏に蹴られて失点してしまいました。特別に「ここが悪かった」という点はないとは思いますが、ワセダは守備のチームであるにもかかわらず簡単に点をとられてしまったので、本当に反省しないといけないなと思います。
――チーム1点目となる、ご自身のゴールを振り返って
ニアサイドで上手く触って決めることができました。相手にも当たってコースも少し変わったので、運も良かったと思います。
――その2分後には追加点も決まり、後半はワセダのペースになったと思いますが
ハーフタイムにはこのままじゃいけない、相手の気迫に押されているということで皆で気持ちを入れなおしましたね。前半に比べてシンプルにボールを前に運べていたのも良かったと思います。後半は高い位置でプレーできていましたし、前半からもう少しやれていれば良かったなと感じています。
――チャンスを作りながらも3点目を奪うことはできませんでしたが、足りなかった部分は
自分が3点目を取れていればということは第一にあると思います。チームとしてはボールを動かすことはできていても、奪ってからの速い攻撃だったり、最後の局面でのアイデアだったりが足りなかったですね。
――次節は前期リーグ最終節、国士大との一戦です。意気込みをお願いします
アミノバイタルカップで対戦して勝っている相手ではありますが、きょうみたいにアミノバイタルカップで勝っていた明大に負けてしまっているので、油断は絶対にしてはいけないと思います。優勝に向けて崖っぷちの状況ですし、しっかりと良い準備をして次戦に臨みたいです

FW榎本大希(スポ3=横浜F・マリノスユース)
――明大に敗れた結果を受けていかがですか
(アミノバイタルカップで)優勝してから、良い形でリーグ戦に入らなければいけないのは分かっていました。前半入りもそんなに悪くはなかったと思いますが、前半で3点もビハインドしているとやっぱりきつくなると分かりました。
――前半で3失点した守備面についてはいかがですか
そんなにダメだったわけではないと思いますが、3点取られてしまったということで隙をつかれたのだと思います。
――ハーフタイムで指示はありましたか
やるしかないと皆で話しました。今までのリーグ戦の戦いでも後半の方が得点していたので、後半いけるぞと声を掛け合いました。
――ご自身のゴールシーンを振り返って
前半から相手が結構ブロックしていて、バイタルエリアまでいってもシュートまでは打てていなかったので、後半は積極的に打って行こうと思っていました。思い切って打ちました。
――後半で2点取れたことについては評価できますか
そうですけど、あの流れの良い時間帯の中で欲を言えばもう1点取れれば良かったです。
――次節国士大戦に向けて
(前期)最終戦なので、絶対に勝って少しでも順位をあげたいです。

FW上形洋介(スポ2=東京・早実)
――きょうの試合を振り返って
アミノバイタルカップで優勝したことで、周りからのワセダを倒してやろうという気持ちが強かったです。また明大はもうあとがないという状況でした。自分たちも試合前に(アミノバイタルカップは)優勝はしたけれど関東リーグで15年ぶりに優勝にするということむけての危機感はあるのでそういうところで気を引き締めてやったんですけど、やっぱり前半で3失点してしまったのが痛かったと思います。
――後半の立ち上がりの良い流れについて
ハーフタイムでも、3失点してリードされていたんですけど自分たちのやろうとしていることは少しずつできていたので選手達のなかでもまだ返せるっていう気持ちはみんなで持っていました。それで早い段階で点がとれたのは良かったんですけど、3点目というところで自分も含めて決めきれなかったのでそれが課題だと思います。
――きょうの個人の評価は
まだまだだと思います。もっと収めるところで収めたり、一発のアクションでゴールに直結する動きって言うのを受け手にわかりやすくタイミングをあわせないといけないと思います。自分の動きは悪くなかったと思うんですけど、もっと受け手とのの意思疎通という部分でもっとやってきたいです。受け手の気持ちもコミュニケーションという部分でもっと練習からやっていきたいと思います。

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