
「チャンスは開かれている。あとは君たちの努力次第だ!」
5月1日(現地時間)、このメッセージを合図にナイキが手掛ける世界規模の若手発掘プロジェクト『Nike Most Wanted』のグローバルファイナルが初日を迎えた。世界21カ国から各地域予選を勝ち抜いた37名が、イングランドフットボール協会(The FA)が本拠を置くセント・ジョージズ・パークに集結。ナイキアカデミー入りを目指して5月4日までの3日間にわたってそれぞれのスキルを競い合う。
このプロジェクトは、育成年代の選手を対象としたスカウトプロジェクトで、プロチームに所属していない若い才能を発掘すべく、2009年から実施しているもの。過去、約40万人がこのプロジェクトに参加し、そのうち146人がナイキアカデミーに入団。セント・ジョージズ・パークで衣食住をともにし、プロチームからのオファーを受けるべく、日々厳しいトレーニングに取り組んでいる。実際に今シーズンは9選手がナイキアカデミーを経由してプロチームとの契約を勝ち取ったという。選手にとっては、自らの努力次第でプロクラブへの道を切り開ける貴重な場と言えよう。
今回、日本代表として参加している渡邊凌磨(早稲田大)と渡辺柊斗(東海学園大)は、トレーニングプログラムを前に「自分からコミュニケーションを取りながら中心になってやりたい。ここでの3日間でいい経験をして、次の目標に迎えるように合格したい(渡邊凌磨)」、「僕にとっては、初めての海外経験になるので、今の自分の精いっぱいを出せるように全力を尽くしたい。(自分の持ち味の)ひらめきを信じてプレーするだけです(渡辺柊斗)」と落ち着いた表情で意気込みを語った。
初日はジムでの体幹トレーニングのほか、数値を計測しながらの走力テストを実施。インターバル走では渡邊凌磨、渡辺柊斗とも28本を走りきり、持久力の高さをアピール。ライバルたちから大きな拍手が沸き起こるなど賞賛を受けた。また、夕方に行われたボールを使ったトレーニングセッションでは、不慣れな海外選手とのコミュニケーションに戸惑い、ミスする場面も見られた。それでも少しずつメンバーの特長をつかみ始めると、随所にスキルレベルの高さとセンスを良さを披露した。

「これまで、このプロジェクトを通して、多くの若い才能を発掘してきましたが、我々が求めているのはベストプレーヤーです。ここに入るために努力を重ねてきたと思いますが、入ってからも努力を続けてさらに伸びていってもらいたい。素晴らしい才能を我々のシステムの中で磨き上げてこそ、原石はダイヤモンドになっていくわけですから」
ナイキアカデミーで監督を務めるジョン・グッドマン氏は『Nike Most Wanted』とナイキアカデミーの意義について、こう口にした。プロ入りを目指す渡邊凌磨と渡辺柊斗にとっても、今回の“合格”はゴールではない。本当の戦いは、はるか先にあるはずだ。これまでナイキアカデミーの狭き門を通った日本人選手はいないが、今回、彼らはこの現状を打破し、“夢への一歩”を踏み出すことができるのか? ふたりの奮闘に期待が高まる。