2012.07.19

【短期集中連載】スキマスイッチ常田真太郎の欧州蹴球周遊記(1回/全5回)

サッカーフリークとして知られるスキマスイッチの常田真太郎さんが、過密スケジュールの間を縫って今年5月にヨーロッパ・サッカー観戦を敢行。本人執筆による『欧州周遊記』を全5回で公開。初回の今回は、常田さんのサッカーファン歴と、旅立ちまでのストーリーをお届けします。


 初めましての方は初めまして、ご存知の方はこんにちは、スキマスイッチの鍵盤弾き・常田真太郎です。みんなからはシンタって呼ばれてます。5月末に行われたチャンピオンズリーグ決勝(以下、CL決勝)を観戦しにドイツへ行ったことがキッカケで、この場所で旅行記的なものを書かせて頂くことになりました。ただ、この場所では恐らく「シンタって誰なのさ」ということにもなると思いますので、まずは先にちょっと自己紹介をさせて頂きます。


 生まれは愛知県名古屋市ですが、現在はフロンターレの街・好きです川崎に住んでます。毎週欠かさず見るのはフロンターレの試合はもちろんのこと、イタリア・セリエAのACミラン戦ほぼ全試合。それに加えて日本代表の全試合、さらにはクラシコや欧州リーグのダービーなどの主要な試合も観戦・分析・場合によっては蹴球友達と討論などもします。ミラニスタ歴ですが、もともとポルトガル代表に魅せられルイ・コスタのファンでしたが、彼がミランに加入した時にそのスタイルや歴史にも惹かれた形で思いっきりミランにハマりまして、かれこれ12年弱になります。

 フロンターレの方はというと、中村憲剛選手と7年前くらい前に知り合ってからサクッとハマりました。当時の監督、関塚監督がやろうとしてたいわゆるバルサ的な戦術=短いパスを多様しポジションチェンジを繰り返してポゼッションで圧倒しようとする戦い方に見事に魅せられたんです。その後ケンゴも2006年のワールドカップ以後は代表の常連になり、さらに僕自身が川崎に引っ越した(あくまで偶然)こともあって俄然盛り上がって現在に至ります。等々力も仕事が無ければ家族で観戦しに行ってます。塩タンメンを食べてる時はなるべく声をかけないようにして下さい(笑)。

 実際にボールを蹴る方も嗜む程度にやっておりまして、現在Jリーグ、出来れば日本のサッカー界全体を盛り上げるべくSWERVESというチーム名でJリーグやFリーグなどの前座マッチをやらせて頂いています。加えて語る方もしばしばやらせて頂いておりまして、たまにではありますがいくつかのサッカー雑誌や新聞でコラムを載せて頂いたり、スキマスイッチのオフィシャルホームページ内にある真球論というコーナーでは独自の視点でいろいろと自由に書いていたりしています。そんなシンタが”CL決勝さらにコッパ・イタリア梯子で生観戦”を思い立ち、蹴球相棒のカタパッドくん(※本文で紹介)と繰り広げるドイツ→イタリア珍道中、少し時間が経ってしまいましたが、ぜひともお楽しみ下さい。

 2012年の5月に、少しスケジュールにギャップがあるかもしれないからひょっとしたら休みがもらえるかもしれない、と分かったのが2011年の12月くらいのこと。うん? 5月…? 5月といえば…。そう考えて間もなく、僕はパソコンを開いて、とあるワードで検索をかけていた。そのワードとは、「チャンピオンズリーグ決勝 2012年5月 日程」。そう、毎年楽しみに見ているCL決勝を初めて現地で観戦しようと思い立ったのだ。今シーズンの決勝の舞台は確かドイツのミュンヘンだったはず。しかも我がACミランはバルサと鎬を削りつつも惜しくもグループリーグで2位になったものの、決勝トーナメント進出をしっかり決めている。シーズン最初はモチベーションの低下も叫ばれたズラタン・イブラヒモビッチも今現在の12月ではCLになみなみならぬ意欲を見せているようだし、何より僕にとってドイツは2006年のW杯で現地観戦をしてとてもいい思い出として記憶に残っている国だ。これはひょっとするとひょっとするな、と思い恐る恐るマネージャーにスケジュール確認をしてみると、出てきた答えは”とりあえず保留”とのことだった。でも可能性はあると思うよ、ということなので、とりあえずなんとなくながら欧州行きを計画してみることにした。ただ一人ではいろいろと盛り上がりにも影響してくるものだ。そこまで海外旅行の経験もあるわけでもないのでいろいろと不安もある。なのでここはやはりミュージシャンという同業者の間柄のくせに会うといつもサッカートークしかしないプロのドラム叩き・カタパッドこと片山耕一くん(以下カタパッド…彼のあだ名なんです)を巻き込むことにした。

 そして年が明けていつものようにミラン戦を見ていた時に、実況の人から出た言葉でさらにこの旅の計画のスケールが倍に膨れ上がり、よりいっそう現実味を帯びることになった。当時ミランはリーグ戦も首位争いをしていたのだが、国内カップのコッパ・イタリア=イタリアTIMカップ(以下コッパ)でもいい位置につけているのだ。「ミランはコッパ・イタリアの準決勝でユベントスと戦うのですが…」と実況の人が話したやいなや、もしやと思いこれまたすぐに検索をかける僕。そこで奇跡が起こった。なんとそのコッパの決勝の日程が5月20日だというのだ。CL決勝が5月19日でコッパ決勝が翌日の20日。しかもCLがドイツでコッパの会場はもちろんイタリア。距離だってそう遠くないし、ユーロ圏で移動も楽だろう。何よりセリエをずっと見続けてきたものにとってイタリアでの現地観戦は夢のような話だ。これは何かのお告げなのかもしれない、そう勝手に決め付けてツアー会社に勤めていた友達に連絡を入れ、ドイツ→イタリアの欧州周遊をほぼ決めた。

 しかし肝心の観戦チケットの方が、一筋縄ではいかなかった。CLに関しては1月の時点で既に国外販売の枠は売り切れらしく、コッパに関しては国外からでは基本的に買うことが難しいらしい。なのでこれに関しては申し訳ないことは承知の上で、今までお世話になっている蹴球ライフラインをフルに活用させていただくことにした。CLは知り合いのNさんを通じてドイツ在住でサッカー関係の職で働いているTさんを紹介していただき、コッパの方はイタリアとのコネクションを持つ日本人Iさんにお願いすることになった(本当に皆さんには頭が上がりません・・・この場を借りてお礼を申し上げます)。結局、我がACミランは二つのトーナメントともに準決勝で敗退してしまい悔しい思いをしたが、個人的にはどれも生で見たかった4チームが残って、満足の行く決勝のカードとなったことは旅行に対する期待を何倍にもさせた。ただ、ひとつだけ懸案事項があり、チケットが手元にないことが少しだけ気にかかっていたが、そうこうしているうちにいよいよ旅立ちの日が近づいてきた。結果として、コッパのチケットはこちらがスタジアム周辺にある事務所もしくは会場のチケットセンターに実際に取りに行く旨を書いたメールをいただき、CLの方はホテルに送る、との連絡をもらい日本をあとにした。ちなみにこれが後にとんでもないことになるのだが、もちろんこの時はそんなことは知らずに、二人で浮かれたまま深夜の羽田空港をあとにするのだった…。

 

サイト人気記事ランキング