2011.12.20

【インタビュー】セスク・ファブレガス「覚悟の挑戦者」

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8年間、アーセナルの主軸として活躍してきたセスク・ファブレガスは今シーズン、バルセロナの地で新たな挑戦を開始した。「最も厳しく、最も幸せな道」と、ファブレガス自身が話すバルサへの移籍。その要因となった出来事、決断に至るまでの経緯を、本人が真摯に語る。
セスク

インタビュー・文=サイモン・タルボット 翻訳=田島 大 写真=兼子慎一郎、シックス・スタジオ

 セスク・ファブレガスが手元の写真に視線を落とし、バルセロナのメンバーを1人ずつ確認し始める。ファブレガスは楽しそうに言う。

「これがレオ(リオネル・メッシの愛称)でこっちがジェラール・ピケ。そしてここにいるのが僕だよ」

 彼が目にしている3人の旧友が映った写真は、最近撮影されたものではない。15歳になったばかりの少年たちが映る9年前のものだ。ファブレガスは当時、実家のアレニス・デ・マルからバルセロナ北部まで毎日タクシーで通っていた。本人も認めるように、そこには懐かしい髪形と偉大なチームが映っている。

 写真の3人は、今夏、再びバルサに集結し、あの頃の続きを始めるかのように息の合ったプレーを見せている。第12節のアスレティック・ビルバオ戦では、ファブレガスが8年前にロンドンへと旅立って以来、初めてピケ、メッシ、ファブレガスの3人がそろってリーグ戦でスタメンに名を連ねた。

 今シーズンは、チャビとアンドレス・イニエスタの控えに回ると見られたファブレガスは、前線と中盤で6つのポジションをこなし、公式戦15試合で7ゴール5アシストを記録。24歳にしてバルサで“トップデビュー”を果たしたとは思えないほどの存在感を示している。

 今回のインタビューでは古巣での新たな挑戦への決意はもちろん、アーセナルを離れる決断に至るまでの経緯や代表への想いなど、今まで語られることのなかった本音を明かしてくれた。

試合の中で自然と全員が結合していくようなサッカーがバルサの理想だ。

まずはバルサでのプレーについて聞かせてくれるかな。メッシ、ピケ、そして君がスタメンに名を連ねるのは、約10年ぶりだそうだね。

バルセロナ
後列右から2番目がファブレガス。この頃からパスをつないで試合をコントロールするというチームの哲学を学び、選手としての基礎を築いた

セスク 12歳から一緒にプレーしてきた仲間が、トップチームで、また一緒にプレーしているんだ。こういったケースはめったにないと思うよ。想像していたよりも早くチームになじめたし、これからずっとみんなと一緒にプレーしたいね。

君の体にはバルサのDNAが流れている。クラブの首脳陣も君がすぐチームにフィットできることを期待していたんじゃない?

セスク パスをつないで、ボールを支配しながら攻撃するというバルサの哲学は変わっていない。でも、久しぶりにチームに戻ってきて感じたことは、より戦う意識が強くなっていたことだね。それに(ジョゼップ)グアルディオラ監督は戦術を重視する。今のチームは選手全員が何をすべきか分かっているんだ。

グアルディオラの戦術へのこだわりは並大抵ではない?

セスク 24時間サッカーのことを考えていると言ってもいいくらいさ。特別な存在であるレオですら監督の戦術を重んじている。バルサでは戦術変更を強いられた際、選手全員がその理由を理解していなければならない。監督から言われたことだけをやるのではなく、どうしてそうするのかも把握することが大切なんだ。

バルセロナ
チームの中心であるメッシを生かすため、ファブレガスはポジショニングやパスの精度を磨き続けている

君は多くのポジションで起用されているけど、グアルディオラからどんなことを求められているの?

セスク 正直、決まった役割はまだ分からないんだ(笑)。セントラルMFだけでなく、センターフォワードやウイングでも起用されているからね。

センターフォワードでのプレーには慣れていないんじゃない?

セスク バルサのセンターフォワードは一般的な役割とは全く違う。とても流動的なんだ。レオだって前線に張り付いているようなストライカーじゃないしね。彼は左サイドや右サイドなど色々な場所でスペースを探すのが好きだから、僕は彼の邪魔をしないようにしている。こういった連係がチーム全体で機能していて、試合の中で自然と全員が結合していくようなサッカーがバルサの理想だ。僕たちはサッカーを改めて理解し、新しい解釈を見いだそうとしているのさ。

アーセナルで求められていた役割とは大きく違う?

セスク アーセナルでは、自分の好きなように動いていた。自由を許された攻撃的なポジションという面では似ているけど、バルサでは味方とのシンクロをより強く意識しなければならないんだ。

誌面に続く

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/files/topics/15121_ext_01_0.jpg 2012年の強化戦略を読む
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