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【NEXTSTARS連載】「大学4年間で気持ちの部分が大きく変わった」|橘田健人(桐蔭横浜大)

2020.12.03

[写真]=兼子愼一郎

 大学サッカー出身の選手は「即戦力」とみなされ、プロの舞台でも初年度から大きな期待を背負う。今シーズンにおいては、筑波大学在学中に年代別日本代表へ招集された経歴を持つ三笘薫が代表される選手であり、文字通り大ブレイク中だ。彼のような選手が現れることで、年々サポーターが「大卒ルーキー」にかける期待は大きくなっている。

 桐蔭横浜大・橘田健人は今年の大学サッカー界で1,2を争うボランチだ。鹿児島出身の橘田は名門・神村学園から桐蔭大へ進学すると、1年生で関東1部デビューを果たす。2年から3年にかけての2年間は公式戦でフルタイム出場を記録した。今シーズンは過密日程を余儀なくされて、その記録は途絶えてしまったものの、走力と体力、ケガへの耐性を示すには十分の記録である。ボールをキープする高い技術と、クリーンに相手から奪える力。中盤の選手に求められる攻守両面の要素を持ち合わせている希少な存在だ。

 圧倒的な強さを誇るクラブでプロ生活をスタートさせる決意を決めた橘田に、自身が大きく成長した大学サッカーについて語ってもらった。

インタビュー・文=竹中玲央奈
写真=兼子愼一郎

大学で確立されたプレースタイル

[写真]=兼子愼一郎

出身地である鹿児島・神村学園高校から関東の桐蔭横浜大学に進学した理由を教えてください。
橘田 最初はレベルの高い大学でサッカーをやりたいと思っていて、地元の鹿屋体育大学を受験したのですが、合格できませんでした。そこから関東の大学を調べるようになりました。もともとハイレベルな関東でサッカーをしたいという思いもあったので。桐蔭横浜大には1つ上の國場龍之介さんが進学していた縁もあって受験をしました。全く知らない大学に行くのは自分の中で抵抗感もありましたから。そういう意味でも一緒にプレーをしていた先輩と同じ大学に行けたことは良かったです。

以前には「プロを本気で目指していなかった」ということを話していました。
橘田 高校時代に「九州ではある程度やれるな」という感覚はありましたけど、全国区と言えるほどのレベルではありませんでした。なので、プロを意識することもあまりなくて、とりあえず大学に入ってレベルアップをしようと。あわよくばプロを目指せたらいいかなと思っていました。

大学時代に大きな成長を遂げている印象です。チームのスタイルにはどのようにフィットしたのでしょうか。
橘田 入学してからほどなく、1年生で使ってもらっていた時期がありました。桐蔭は守備で我慢強く守る、そして走ることを大事にします。そのスタイルに適応できなくて、試合に出られなくなる時期もありました。でも、自分の中でそのスタイルをしっかり受け入れて改善することができた。そうすることで自分自身も成長できたし、チームのスタイルにも合っていったと思います。

スタイルに適応する難しさがあったのでは?
橘田 そうですね。攻撃が好きだったので…(苦笑)。当時は走ったり、守備でボールを取る部分において、試合に出場できるレベルにはありませんでした。

今では「走る、守備をする」という部分が橘田選手のストロングポイントになっていると思います。いつ頃から自身の強みにすることができたのでしょう?
橘田 昨年くらいからですね。3年時のリーグ戦で、1年通してボールを奪うところで力を発揮できました。レベルの高い大学と戦ったときにも通用していると感じましたね。加えて、攻撃面でもボールを運んでパスを出すという部分もできるようになって、自分のプレーに自信が持てたと思います。

1年時の終盤には全日本大学選抜に選出されています。その中で、大学のトップオブトップの選手と一緒にプレーして感じた部分はありましたか?
橘田 改めて「まだまだだな」と感じることができました。結果的に最後になった3年生のときのユニバーシアード日本代表にも入ることはできなかったですし、悔しさが残っています。でも、この経験があったから「負けたくない」という強い気持ちを持つことができた。常にその思いを抱いて試合に臨めたのかなと思っています。

「点をとって勝たせる」選手に

[写真]=兼子愼一郎

昨年、桐蔭横浜大学は好成績を残しました。3年生までを振り返ると、ご自身とチームのそれぞれの成長をどのように感じていますか?
橘田 チームとして戦う部分、走り勝つ部分が出てきましたね。去年の試合では、“うまさ”だったら相手に負けていた部分は多かった。それでも戦う部分で上回ったことで、勝てた試合がありました。自分としても、ボールを奪ったり、前線に持ち出す部分でチームに貢献できました。

最終学年になってから成長したと感じる部分もあるかと思います。
橘田 去年までは4年生の先輩がチームを背負ってくれていた。自分たちを自由にプレーさせてくれていました。でも、自分が4年生になったらチームのことを考えないといけない。うまくいかなかったこともあって、考える時間が増えました。今でも難しさを感じますけど、常にチームのことを考えるという点では成長していると思います。

今季の戦いぶりをどう評価していますか?
橘田 最初はうまくいかないこともありました。ただ、途中でチームとして戦う部分を見つめ直して、そこから勝つことができた。いい流れが作れたと思います。それでも、チームとして苦しく、勝てない試合がまだ多い。ここからまた4年生を中心に、しっかり戦っていかないといけません。

システムが4-4-2から4-3-3に変更され、それまで起用されていたボランチから1つ前のインサイドハーフでプレーする機会が増えました。そこで新たな景色が見えた感覚はありますか?
橘田 ボランチではボールを奪う部分で貢献できていたのですが、1つ前に入ることによって得点を求められます。もちろん、ベースとして守備も求められるのですが、得点を意識することで、その両方をできるようになったと思います。

個人として最も伸ばさなければいけないと意識している部分は?
橘田 ずっと点を取るということを安武(亨)監督に求められています。最後はパスで終わるのではなく、自分で点を決めて勝たせられる選手にならないといけないな、と。

だからなのか、練習からシュートの意識が高まっていますよね。
橘田 練習からシュートは意識してるのですが、どうしてもパスを出す場面が多いので……。もっと貪欲にゴールを狙っていかないといけません。

気持ちの部分が大きく変わった大学4年間

[写真]=兼子愼一郎

改めて、ご自身の特長や強みを教えてください。
橘田 攻撃面では中盤からドリブルをして前線へ持ち出しするプレーや、ラストパスを持ち味にしています。守備面で見てほしいのは運動量と、それを生かしたボール奪取です。

プロの練習に参加して感じた部分はありますか?
橘田 プレスの速さや対人の強さ、止める・蹴るのうまさが大学生と全然違いました。大学生のプレースピードでやっていたら、何もできません。レベルが「全然違うな」と感じました。とはいえ、周りを使いながら自分がどんどん関わっていくことはできたのかなと。それでもまだその質自体が低い。パスがちょっとずれていたり、返ってきたパスをトラップすると少しずれたり、という場面がありました。それだけでリズムやスピードは落ちてしまいます。細かな部分を突き詰めていかないといけません。

大学サッカーはシーズンの終盤戦を迎え、全国大会への出場を視野に入れていると思います。昨年は悔しい思いをしたと思いますが、最後の大会にかける気持ちを聞かせてください。
橘田 まだ全国大会の出場を確実にしたわけではないし、実際に危ない順位にいます。残りのリーグ戦6試合すべてで勝つくらいの気持ちで戦って、まずは全国大会出場を決めたいです。それを叶えた先には、絶対に優勝をしたいです。

この大学4年間で成長した部分があると思います。それこそ大学に行ってなかったら、プロになれなかった。そういう意味でも大きな意味を持つ4年間だったと思います。
橘田 技術的に成長した部分はありますけど、やっぱり気持ちの部分。「絶対に負けたくない」という気持ちは高校のころより強くなりました。今ではそれが自分の持ち味になっています。

最後に、将来はどういう選手になりたいですか?
橘田 日本のプロサッカー界を代表するような選手になりたいと思っています。

橘田健人×「iMUSE」

[写真]=兼子愼一郎

「キリン×サッカー」という言葉を聞くと、どのようなイメージを思い浮かべますか?
橘田 キリンチャレンジカップを開催しているイメージが大きくて、印象に残りますよね。自分たちは大学生という立場ですが、今回のようにキリンさんが大学生である自分たちにもたくさんの支援をしてくださいました。本当にありがたいと思っています。

今回は「キリン iMUSE 水」がサッカー部の皆さんに届きました。実際に飲んでみた感想は?
橘田 普通の水とは違って、少し味がありますね。結構飲みやすくて、おいしかったです。

[写真]=兼子愼一郎

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