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劇的勝利で1部昇格を果たした東洋大、チームを支えた3人の女子マネージャーの存在

2016.11.17

最後に笑顔を見せた原、吉田、渡邉 [写真]=スポーツ東洋

文=横山恵美(スポーツ東洋)

 関東大学1部リーグ昇格がかかった最終節。残りのアディショナルタイム、だれもが時間を気にしながら勝利を祈った。そして念願の決勝点、ホイッスルとともにイレブンと応援席の仲間が抱擁した。ピッチ外には涙を流し、立ち尽くすマネージャーの吉田千晶、渡邉紗彩、原佳子の姿があった。

「やり切った。すべてが報われた」。3人が同じことを口にした。大きな喜びを味わったとき、人はそれまでの道を短かったと感じるもの。しかし、吉田は「本当に長かった」とこれまでの歩みを振り返った。入学した当時、チームは昇格したばかり。マネージャーの仕事も多くしどろもどの中、チームは勝てずに低迷し降格を余儀なくされた。再び1部で戦うため、選手と同様に3人も戦っていた。昨季は創部49年にして初の総理大臣杯に出場した。新たな歴史を刻んだが、主となるのはリーグ戦。ここで勝たなくては意味がない。最終節は筑波大学相手にわずかに残っていた望みをつかめず、昇格の道が断たれた。「目の前で決められて、そこからが戦いだった」。優勝が決まった筑波大の写真を部室に張った。あの時の悔しい思いを再来させないために。

 マネージャーの仕事は主に水汲みやビブスの用意、リーグの運営、集中応援の企画などだ。裏方の仕事が多い。「毎年、オフ明けの雪かきから始まり、辛いときもあった」と原は語るが、4年間を成し遂げた。その原動力はどこから来るのか。

 渡邉は「昇格が決まり、みんなの喜んでいる姿を見るのが本当にうれしくて」と涙をこらえながら話す。マネージャーは公式戦に出場しているメンバーはもちろん、Bチームで奮闘している選手たちのこともずっと見守っている。応援メンバーが最終節を前にモチベーションビデオを作成したこと。いつもは応援をしているBチームのメンバーが出ている試合では、公式戦でスタメンのメンバーが応援していること。それぞれの選手の気持ちと寄り添い、勝てないことに悩み、一勝の喜びを共感してきた。チームが以前より団結しているのがわかる。だから一緒に戦いたい。そしてこの日の喜びのために、苦悩の日々を乗り越えた。

“No Rain, No Rainbow (雨なくて虹なし)“ 。吉田が好きだといったこの言葉。マネージャーも選手たちと一緒に苦しくもがき続けた日々がある。だからこそ、最後に選手と監督、コーチそしてマネージャーとの周りに円形の虹がかかった。

選手のコメントはスポーツ東洋のホームページ(http://sports-toyo.com/news/detail/id/5441)をご覧ください!

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